ハジマリ
「ーーーーーっと言うのが、この世界の成り立ちだから、しぃっかり予習してきましょうね!
来週のテストに出ますからね!!」
『はーいっ』
「はぁい(小さい声)」
憂鬱である。
テストなど、好きになれないからため息しか出ない。
何故なら、此処【ガルの村】の学校では、テストと言う名の勉強の他に、魔力の素養が見受けられた者には
【魔法テスト】と言うモノもある。
【スノ・カムナギ】にとって、要らないと思えるモノである。
何故ならば、スノは、ガルの村唯一の【魔力の素養を高く持つ人間】だからである。
他にも魔力を持ち、魔法を使えるものもいるが、魔力の素養が低いため、魔法テストを受けることはない。
それが、この世界のルールなのである。
スノにとって、魔法テストを受ける事が強制であることから、結果的に憂鬱の元となるのである。
翌日、スノにとって、思いがけない事が起きる。
「大変だーーーーーーっ!!
スノの魔法テストが、早まったーーーーーーっ」
スノ部屋が勢いよく空いた。
「きゃーっ、いきなり開けんなっていつもいってるじゃんよ、バカダイチ」
「ごめん!
って、服着てるじゃんかよ。
きゃじゃねえよ、まったく」
「うっさいわね、礼儀でしょ、礼儀」
「礼儀ってなんだよ!
俺達、気心知れた恋「ただの幼馴染みでしょ!」」
チェッと膨れっ面になる【ダイチ・マツヤミ】は、幼馴染みであるスノの事を大事に想っていた。
カムラギ家とマツヤミ家は、家族ぐるみで仲が良い為、ダイチはスノの部屋に入ったり、時には食事をしたりしている。
「そんなことより・・・
さっきガル村長が家来てさ、父さんと話していったよ」
ダイチの父は、ガルの村の【教師】である。
「偶然話を聞いてしまったんだけど、どうやらスノが受ける魔法テスト、明日実施に変更したらしいよ!」
「えっ、どういう事???」
ダイチの報告は、スノにとって最悪な報告であったようだ。
「もしかして?
これから村長とか来たりしてΣ(゜▽゜)」
「ニヤニヤしないでよ!
嫌な気分になるじゃんか!?」