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「瞬間的な短編」集  作者: AK(r
5/13

5 学校

 さて今宵も丑三つ時がやってまいりました。


 M県在住の教師、E様のお便り。


 深夜、突如として崩壊した学校。それを序章に、怪物が目覚める……。


 私まで震えあがったお話です、お楽しみに。

 最初に断っておきますと、いわゆる学校の怪談ではないのです。


 学校の怪談はそもそも途絶えようとしていますので、生徒の間にすら伝わっていません。学校に体系化されたものが「学校の怪談」ではないので、口伝が途絶えてしまえば無くなったも同然なのです。恐怖に対する敬意が無くなるという意味では、それ自体も恐ろしいことなのかもしれません。自然に対する敬意が無くなるということすなわち、自然を敬わなくなるということであり、それがひどかった時代に最も恐ろしい自然破壊が起こったのです。それはちょうど「狐に化かされた」ことが無くなった時代で……


 おっと失礼。昔は民俗学専攻だったもので。


 学校で不思議な出来事が起こった、と言えばそれだけなのです。だがそれが夜間だったことであり、しかも明らかに人為的ながら侵入したところがカメラに写っていないところから、生徒たちの間に悪いうわさが大量に流布することとなりました。いわく「異能者の仕業だ」だとか。異能者の存在は政府も最近ようやく認めましたので可能性がゼロだとは言いませんが、そもそも数は少なく、突飛にすぎます。


 ということで前置きはこのくらいで、具体的なところをお話ししたいと思います。






 夜中に大きな音がしたという報告があり、警備員を導入していなかったこともあって監視カメラ以外に監視装置はないため、学校内で何が起こっているのか目撃した者はいませんでした。結果から言うと学校が半壊したのですが、半壊するまでに何があったのかということはまるで分からなかったのです。


 監視カメラの映像をチェックすると、屋上から降りた階段あたりに三人の男女がほんの一瞬映りましたがすぐに画面から消えました。そして時間で言うと近隣の住民が轟音を聞いたところでカメラは倒れてしまい、学校が崩れる様が映っていました。


 カメラから得られた情報はそれだけでしたし、残念ながら黒服に調査させても大した情報は得られず、警察からも情報の横流しはありませんでした。






 黒服が大挙して学校に来ましたので何事かと思いましたら、回収作業のようでした。なるほど、合理的です。ところが生徒の数は三分の一程度に減ってしまい学校の運営が続けられる状態ではなくなりました。


 特に男子生徒は七割がいなくなってしまい、女子生徒も全体の六割がいなくなりました。なかなかに恐ろしい状況ではありましたが、われわれは学校の運営を続けようと努力しました。獅子奮迅、粉骨砕身です。


 ただ、授業料は入らなくなり、生徒数も減り、ではどうしようもありません。優秀な生徒は残りましたが、それは勘が優秀なのであって成績ではありませんでした。またたく間に学校の営業成績、そしてまた生徒たちのモチベーションもひどく下がってしまい、学校は終末期を迎えました。


 二度目の大破壊が起こり、学校は、当直の仲間を巻き込んで消し飛んでしまいました。恐ろしい事態とも言えましたが、なかなかどうして面白い事態でもあったのです。張り込んでいた黒服にも生きている者はおらず、異能者の存在を完全に証明できる物証も手に入りました。


 ああ、そうです。ほどなくして学校閉鎖になりました。それはそれで、良かったのかもしれません。


 もう死者が出なくなりますからね。

 震え上がるとかなんて詐欺。まあよく読んでみたら怖い部分はあるのですが。最後あたり、発狂しているようにも取れますね。


 次回「高校生の日常?」

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