みんなの今が
一年の終わりが近づくと
来年は何歳になるのか
自分だけでなく
家族や友人、懐かしい人たち
のことを思い出す
鼻水たらしていたあの子は
もう立派なおじさんなんだな
ニキビを気にしていたあの子は
三人の子供のお母さんで
上の子は小学三年生になるんだ
コギャルと呼ばれた同級生も
コギャルと呼べるくらいの年頃の
娘がいてもおかしくない
腰パンにカルバン・クラインの
香水をプンプン匂わせていた
男子たちは父親になったろうか
思春期のままの顔が
浮かんで、はしゃいだ声が聞こえる
今さえ良ければいいじゃない
明るく放たれた言葉が
何故か悲しく響いていた
みんなが
今さえ、じゃなくて
今が良い、と思える所に
居てくれたらいい