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その訪問者は本当に突然やってきた。
そして私の平穏な日常を崩していったのだ。
その日は私が日記を書き始めて10日くらい経った日だった。
「シーちゃーん!今度俺とお茶しようよ。もちろん俺のおごりでさ」
「おごりとか言って後悔しても知りませんよ。私ものすごい食べるからー。 ハイッ!肉じゃが定食です。ちゃっちゃと食べて仕事行かないと怒られますよ?」
「う、こんなときまで仕事の話は出さないでくれよ。食事の時まであの地獄の訓練を思い出したくない」
そういって青ざめた客の一人、騎士のロウフと軽口をたたきつつ次の料理を運ぶ。
今日はフェイトさんが風邪を引いてしまったためお休みで私もフロアのほうも手伝っているのだ。おかげで歯の浮くようなお世辞を言われすぎてゲッソリです・・・。
このロウフにもお茶に誘われたがもちろん断りました。めんどくさいしね。まあロウフ相手だったら気が楽そうだけど。こんな風に軽口たたけるし。にしても今日も騎士が多い日だなー。給料日はこの間あったばっかなのに。もう忙しいんだよ騎士がいると。
そんな感じで忙しいけど和やかな雰囲気だったのだ。
だが、次の瞬間この雰囲気がぶち壊しになる。
ガチャン!!リリリリリリリーン♪
急にものすごい勢いで店のドアが開けられる。リリリリリリリーンはドアの上についているベルが鳴る音だ。地球にもあったけどこっちにもあるなんて最初は驚いたものだ。普段普通に開けるときはリリーン位しか鳴らないのに今のはものすごい鳴ったなオイ。
つーかその扉は寿命が近づいて来てるから勢いよく開けられると壊れるかもなのよね。壊れたらどうしてくれんのよと思いちょっと文句言ってやろうとその勢いよく開けた主を見てみた。
そこには童話に出てくる王子様たちも裸足で逃げ出すようなめちゃくちゃ美形の王子様がいました。
私はそのイケメンぶりに唖然としつつもその王子様を観察する。
格好は王子というよりは騎士に近い感じの服装であった。帯剣してるし。ちゃんと防具つけているし。でもそこにいる唖然としていてアホ面のロウフとはまた違った感じである。なんかこうもっと高貴な感じ。王様に仕えていそうなイメージである。
この服装も十分すごいが顔がさらにすごかった。いい意味で。
豪華な服装に負けないくらい、というか服装を見事に引き立て役にしているくらいのイケメンさ。髪の色は金髪で目は碧眼。あごのラインはスッとしていて鼻筋も通っている。町を歩いていたら10人中10人の女性全員が振り返りそうなくらいの美形だ。
はー・・・まさに王子だわー。とか考えながら声をかけてみる。
「いらっしゃいませー。お一人ですか?」
声を掛けられたことに気づいたのかその王子が振り返る。
そして私を見て一瞬目を見開いた。
ん?なんか驚かれるような格好はしてないけどなー。
と思っていたが一つ私はこの世界の人と違うところがあったのを思い出した。
あーあのこと思われてるのか。なら先手を打っとこうと思い声を出す。
「あの、驚かれているようですがもしかしたらこの黒い髪の毛と目のことですか?この2つは生まれつきなのでもし気分を害されたなら申し訳ありませんがほかのお店に・・・・・・は!?」
私がセリフを中断したのには訳がある。なぜだか知らんが王子(仮)がいきなり私に跪いたからだ。
え?なに?何やってんのこの人?
周囲もいきなりの行動に唖然とする。
「あ、あの何やってるんですか?顔上げてください」
私がそういうと王子(仮)は顔を上げて言った。
「我らが巫女姫様、おかえりなさいませ。僭越ながらわたくしがお迎えにあがりました。さあ城に戻りましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・は?こいつどうしたの?
巫女?姫?何を言ってるんだ王子(仮)よ。
周囲の心が一つになった瞬間である。
主人公は騎士たちの言葉をお世辞だと思ってますが実際、彼らは本気で言ってます。特にロウフは本気です(笑)
シーこと翔子の見た目は黒髪、黒目で髪は腰ぐらいまで伸びています。また身長は152cmとちょっと小さめですがスタイルもよく出るとこ出てます← 顔もかわいいです。
なのでモテるんですが気がつかない彼女・・・。
騎士たち、不憫!(笑)