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最近更新が遅くて申し訳ありません
「?どうしたのシーちゃん顔真っ青にして?」
「な、何でもありませんよ。ええ何でもないんです」
えへへと笑ってごまかす。あんな過酷だった日々は忘れるに限る。猪の突進の強烈さなどはこの先必要ない知識に決まっている。空手の技術以外デリートしよう記憶から。それが一番だ。
「シーちゃん、そろそろエドモンド殿下の能力の話はまたにして本題に入ったほうがいいんじゃないかしら?時間は限られているんだし」
シェリーさんにそういわれて時計の針がもう2刻をさしていることに気がついた。
今日中に各々の明日の対応を決めておきたかったので急がなければならない。
「私の予想だとジノヴィとか言う魔術師は多分明日あたりには何かしら仕掛けてくると思います。明日には王宮は神殿に文書を送るらしいので。なのでそこで返り討ちにしようかと思ってるんですが」
「返り討ちって、それはちょっと危ないんじゃない?相手は禁呪を使えるんだろう。いくらシーちゃんが魔法が得意でも万が一って事があったら・・・」
「そう、ですね。一応警戒するに越したことはないですよね。ではどうしましょう?私返り討ち以外思いつかないんですけど」
「・・・・・・・シーちゃんって見た目によらず意外と攻撃的だよね」
ちょっと!ルーカスさん、その若干引いた目はなんですか!!攻撃的って言うけどしょうがないじゃん。それに言うじゃん?攻撃は最大の防御ってというようなことを頭の片隅で考えつつ他の方法も考えてみる。
返り討ちが駄目ならなんだろう?
いっそのこと逃げてみるとか?
いや、それは駄目だ。私が逃げたとなるとフェーンのほうに迷惑がかかる危険性がある。それなら何で王城に来たんだよって話だもんな。あの町に住んでいる皆には絶対迷惑はかけたくないもん。
じゃあ他に何があるんだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・って駄目だ、思いつかない。
大体私にそんな知識求められてもねぇ。地球では少し格式のある家に生まれただけの普通の女子高生だったんだから。基本は敵なんていない平和な環境で育ったんだから。
どうしたものかと思いながら私と同じように考え込む他のみんなのほうを見ていたらエドさんが口を開いた。
「・・・・・・・・・・この策も返り討ちと同じように危険があるんだがこれなら一気に片をつけられるかもしれない。だが危険には変わりないんだよな・・・」
「どんな策ですか?教えてください!」
エドさんのほうに身を乗り出して聞く。
たとえ危険でも一気に片をつけられるというなら私はやりたいと思う。早くこんなことを終わらせて平和な日常に戻りたいから。
そんな私の心情が伝わったのかエドさんは一度頷いてから語りだした。
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「なるほど。確かに少し危険ですがこれなら早めに終えられそうですね」
「そうね。でもやっぱり危険じゃないかしら。シーちゃんに何かあったら私嫌だわ」
「シェリーさん・・・・・・・・。そう言ってもらえるだけでとても嬉しいです!頑張れる気がします。それに大丈夫ですよ。私には信頼できる仲間がいますから!」
笑顔でそういいきった私に何かを感じたのかシェリーさんは「分かったわ」と言ってくれた。
「それじゃ今日はもう遅いのでお開きにしましょう。あまり打ち合わせできなかったので不完全な部分もあるとは思いますがそこはお互いフォローしあいましょう。ではまた明日。誰も死なない無血革命を目指して頑張りましょう。」
「そうだね。それとシーちゃん分かってると思うけど一応いっておくね。無茶は絶対しないこと。ちゃんと俺たちもいるんだから。」
珍しく真剣な表情で言うルーカスさんのその言葉に深く頷いて私は部屋を後にした。
あんまり進展がなくてすみません。
次回は話が動くと思います。