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「巫女姫、何言ってるんだ?手を組むとはどういう意味だ?」
エドさんが眉間に皺をよせながら聞いてきた。・・・・・この人会ってから仏頂面しかしてない気がする。将来皺になりそうだな・・・・・・・。すっごい美形なのにな。
今更だがこの第2王子殿下はレイさんに負けず劣らずの神々しい美形さんである。髪の色は渋めの緑で瞳も同じ様な色だ。その美しい緑の髪の毛は腰ぐらいまであって後ろで1つに束ねておりまたそれが様になっている。なーんかそろそろ私美形拒否症候群にかかりそう。もうヤダ!自分の顔かがみで見たくない!!
っていっけね。こんなこと考えてたせいでエドさんに返事するの忘れてたわ。明らかにわざと間をためてるみたいになっちゃったよ。実際はこんなくだらないこと考えてただけなのに・・・・・。
「あーいやその唐突にすみません。手を組むの意味はそのままです。仲間になりませんかっていう事です。」
「うーんとシーちゃん、とりあえず俺達にも分かるように説明してくれない?」
「えっとですね、私王城に着てからというかまあ旅の途中でも考えてたんですけどやっぱり自分が巫女姫だとは思えないんですよね・・・・・。私は地球っていう私がいた世界の大海翔子、それ以下でもそれ以上でもないんですよ。だから私が巫女姫っていうのは全然納得してないんですけどせっかくこの地位をもらったんだから何かに役立てたいなと思ってはいたんです。」
そこまで話してからもう冷めてしまってホットとはいえないミルクを一口くちに含む。
その間も2人は黙って私の話に耳を傾けていてくれた。
「それでですね私が信頼している人たちは皆今の王宮は200年前と変わってなく腐っているって言うんです。悲しそうな、悔しそうななんともいえない表情でそういうんです。それを見てて思ったんですよ。私がしたいことは世界を変えるとかそんな大げさなことじゃなくてこの人たちが笑顔で暮らせるようにしたい事だなって。なので皆の悲しそうな表情の根源である王宮の改革でもしようかと思いまして協力者を探していたんです。王子殿下なら権力もあるだろうし王族だからって王宮贔屓をしているわけでもなさそうでしたしピッタリかなって思って。お誘いしてみたんです。」
そこまで話し終えてエドさんを見てみる。彼は驚愕!といった表情でこちらを見つめてた。
「巫女姫、王宮を改革って内戦でも起こし王を変えるきか?」
内戦?エドさんの言葉に私は思わず笑ってしまった。
「ふふっ殿下、内戦なんて私にはできませんよ。戦ってくれる人の命を背負うなんて私には重過ぎます。きっと途中で逃げ出してしまうはずです。そんな無責任なことはしたくないので内戦なんてことはしません。」
「じゃあどうするんだ?」
エドさんは怪訝そうな顔でこっちを伺っている。
これからいうことは王子殿下である彼に少なからず衝撃を与えるだろうな、と考えつつも言葉にする。
「・・・・・・この国から王を消します。」
「っ!?何を言ってるんだ!!王を消すって結局は殺すって意味じゃないか!!!」
エドさんが大きな声で私のいったことを批判する。あ、確かにこれじゃ殺すともとらえられるな・・・。言葉が少なすぎたな、反省反省。
「あ、すみません。言い方が悪かったですね。消すって殺すって意味じゃなく王という身分を無くすって意味です。つまり王政じゃなく共和制にするって意味です。別に王様は殺さないです。」
「共和制・・・・・・。確か国民の中から政治をする人たちを選ぶんだっけ?」
今までずっと黙ってたルーカスさんがようやく言葉を発した。
「はい。実際私の住んでいた国ではそうでした。選挙というもので国民自身がが国民の中から立候補した者達でこの人に政治を任せたいという人たちを選んで、選ばれた人たちが政治を行っていました。これをこの国にも取り入れたいな、と思っているのです。」
「国民の中から政治をするものを選ぶのか?身分なども関係なく?」
「はい。年齢制限さえクリアしてれば基本は誰でも立候補できます。」
そう言葉を返したら2人は難しい顔をして黙り込んでしまった。
自分でも共和制にすることが口で言うより難しいことぐらい分かっている。だって今まで王政であることが揺らいだことは無いみたいだから。それでも私は変えたいと思う。大切な人のために。自分勝手な理由で申し訳ないけどね。
私が最後の言葉を言い終えてから5分は経った頃にエドさんが口を開いた。
「・・・・・・・・・手を組む件だが少し考えさせてくれ。そうだな、明日の夜再びここに来ることは可能か?」
「はい、大丈夫ですよー。一回行った所なら転移できますから。じゃあ明日の夜また来ますね!」
「シーちゃん身の回りには十分注意してね。あと会いにいけるように頑張ってみるから。」
笑顔で言ってくれるルーカスさんの声に頷いてから私は転移の魔法を発動した。少し足元がグラつく感覚があってからすぐに景色が変わり豪華すぎていっそ気持ち悪い今は私の部屋に到着した。
「ふぁ~・・・・・。さすがに寝るか。」
時刻はもう3刻をまわっている。さっきまでは探検やらで興奮していたため眠くは無かったが部屋にたどり着いた瞬間に眠くなってしまった。
今から寝て起きるのは6刻だから3時間しか寝れないな、などと考えつつ私はベッドに入った。
社会が苦手教科なのに政治の話を入れちゃう私は正真正銘の馬鹿だと思った・・・・。