序章3
「ほら、これ飲みな。体が温まるから」
「ありがとうございます」
かばって貰って大泣きした私はその後ココアらしき飲み物を飲んでました。
なぜ「らしき」がつくのかというと見た目も香りもココアなのに味がコーヒーという摩訶不思議な飲み物だったからです。絶対甘いと思ってたのに!苦かったよコノヤロー
「それであんたはどこからどうやってここに来たんだい?」
さっきアネットと名乗った女性が聞いてくる。
い、いきなり答えにくい質問を・・・
まあそこは気になるよね普通。やっぱ正直に答えるしかないよなー私嘘下手だし。へんに嘘ついても余計に疑われるだけかもだし。
「私は日本という国から来ました。何故ここに来たのかはわかりません。家にいたら急にここに来ていました」
正直に答えてみた。そして思う。
これ自分だったら警察に突き出すわーと・・・。怪しいことこの上ないよ!
「ニホン?どこだいそこは?初めて聞いたよそんな国名」
やっぱり聞いたこと無いんですね・・・。懐からナイフ(刃渡りが長いやつ)が出た時やココアらしきものが出た時点で確信してたけどそう実際にいわれるときついモノですな。
ああ・・・トリップ小説読むのは好きだったけどな。体験はしたくないよ。
「あの・・・ここはなんていう国ですか?教えてください」
99,99999%確信してても一応確かめちゃうのが人間です。
ここでドイツだよとかイギリスさ!とか言われたら泣いて喜ぶ。いやそれでも十分おかしいけど。自宅から外国もおかしいけどね。
「ここはフェルバンティエって国だよ。この大陸一大きな国さ」
さて、結論。
ここは異世界です。
だって私はいたって普通の高校生だったから大陸で一番大きな国の名前くらいは知っている。でもフェルバンティエなんて国名聞いたことが無い。
「フェルバンティエ・・・。そうですか・・・。すみません私いまから突拍子も無いこと言いますが良いですか?」
さて現実を受け止めたら(まだあんまり受け止め切れてないけどね)この世界での協力者を得なければ・・・とゆーことで異世界からきたってことを話してみようと思う。だって私が知っている人はここではこの人たちしかいないだろうから。さっきも言ったとおり私は嘘が下手だから本当のこと言うしかないしね。私一回認めちゃえば結構順応早いんです。それに割り切ることは得意だしね。
話すと決めたけど一応話す前に許可を取ってみた。拒否されたら終わりだけど。
「何を言うつもりだ?」
鬼畜男さんが睨み付けながら聞いてくる。
あ、さっきから全然触れてなかったけどこの人ずっといましたよ。んでずっと私を睨んでました。親の仇ってぐらい鋭く睨まれてました。でも触れても気分が悪くなるだけだから無視してました。この人のこと考えるよりアネットさんと話すほうが有意義だしね!
あともう一人の男の子もずっといます。この子はさっきから私をガン見してる。穴が開くんじゃないかってくらい見てます。そして一言も発さない。謎な子だ・・・。
「いや、だから突拍子も無いことです。たぶん信じてもらえそうに無いから先に確認をとってみたんですけど・・・」
言ってもいいか聞いたのに内容を聞かれては確認の意味が無いではないか!
「話してみなさい。ちゃんと聞くから」
アネットさん!あなたマジで女神です!!ああ・・・アネットさんがいないときにトリップしなくてよかった。そしたら普通に縄で縛られコースだったもんね。本当に感謝です。
「えと・・・じゃあ話させてもらいます。どうやら私この世界とは違う世界から来たみたいなんです」
意を決して私がそういうと
3人はびっくりした顔をして再び固まった。