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「夜のほうが活気があるなんてすごい町ですねぇ。」

私は隣を歩いているランスさんとシェリーさんに話しかける。

あの後お金を持ってきたシェリーさんは私達が冒険者ギルドにいくと知って「私も行くわ!こんな可愛いシーちゃんをあの馬鹿どものところに連れて行くなんて危険だもの。それに私とランスがいれば牽制になるでしょうし。」と言って着いてきてくれた。


「まあ治安も良い方じゃないからしょうがないっちゃしょうがないんだけどな。あんまりいい事ではないよなー。っとそうこう言っている内に着いたぞ!ここが冒険者ギルドだ。」

ランスさんが指さした先には少し年季が入ってそうだが賑わっている、なんともいえない雰囲気の建物があった。予想通りと言えば予想通りだがもう少し役所的なものを想像していた。ここはどちらかというと酒場って感じだ。まあこの方が気が楽かもだけど。


「結構近かったんですね!それにレトロな雰囲気が素敵です!!!」

全力でそういうと2人に笑われました。ひどい!今は何も面白いことしてないぞ?


「ふふ、シーちゃん顔に早く中に入りたいって書いてあるわよ。素直ね、可愛いわぁ。」


「ああ、誰が見ても分かるくらいだぞ。さ、シーちゃんもそういってるし早く中に入るか!」

そういって2人が中に向かうので私は指摘された顔をいじりながら着いていった。


ランスさんが開けておいてくれたドアをくぐって中に入るとそこは町以上に活気にあふれていた。酒場らしきところではいかにも冒険者です!って感じの男達がゲームをしながら酒を飲んだり美人でスタイルの良い店員さん(やっぱりこの世界は美形しかいないんだろう!)を口説いたりしている。また受付とでかでかと書かれた看板の下ではその看板の通り依頼などの受付をしているらしく様々な人が忙しなく動いていた。


「すっごーい・・・。」

思わず呟くとランスさんが後ろから


「ここに女の子連れてきてそんなに感動した反応示したのシーちゃんが初めてだな。そんなに感動するところかここ?普通女の子は冒険者にも近寄りがたらないぞ。」

と苦笑しながら言っていた。ちなみにシェリーさんもうんうんと頷いていた。

なんか私この2人にあってから苦笑ばっかりされている気がする。しかも小さい子供の突拍子も無い行動を諫める感じのヤツ。・・・そんなに子供っぽかったかね?私の行動。大人びているって地球では言われてたのにな・・・。


「え、それは女の子達が冒険者ってくくりだけで見ているからいけないんです!!冒険者だからって近づかないなんてもったいない・・・。ランスさんもフィルドも、あフィルドっていうのは私の知り合いの冒険者です。も2人ともとってもいい人なのに!」

フィルドはフェーンに依頼のためにやってきた冒険者で私の好敵手ライバル)だ。ちなみに魔物が食べれるって教えてくれたのも彼である。


「ハハ、シーちゃんは嬉しいこと言ってくれるな。さ、入り口で突っ立ってないで中に入ってなんか食おうぜ。」

そういって足早に歩き出したランスさんの後にシェリーさんと2人で着いて行く。そのときこっそりシェリーさんが


「さっさと中に入っていったの照れ隠しなのよ。まったくシャイなんだから。」

と耳打ちしてくれました。私の中のランスさんへの萌えポイントは100くらい上がりました。


この後私はランスさんのお友達と言う人たちと一緒にお酒(私はジュースですもちろん)を飲みながら今までの冒険話を聞いていた。どれも危険そうだったがとても楽しそうに語る彼らは輝いて見えた。

私は話を聞きながら巫女姫辞めた後は(辞めれるか分かんないけどどうにかして逃れる予定なので)冒険者にでもなろうかなと考えていた。だって素敵やん!


そんな風に話をしていたらもう22刻まであと10分くらいになっていた。楽しいときは時間が経つのが早いって本当だったんだね!そろそろ戻らないと約束破りになってしまう。


「ランスさん、シェリーさん今日はありがとうございました!私もうそろそろ行かなきゃなんで・・・。少しの時間でしたがとっても楽しかったです!!!」

そういって席を立ち上がるとまわりにいた人も少し名残惜しそうにしながらも手を振ってくれた。

私はそれに手を振り替えしつつ出口に向かうとランスさんとシェリーさんが送っていってくれると言って後を追ってきた。


「ありがたいですけど私の連れ警戒心が強くて・・・。なので大丈夫です!お気持ちだけ受け取っときます。」

そう少し強めに言うと2人は納得していないようだったが私の有無を言わせない態度が伝わったのか諦めてくれたらしい。


「・・・・・分かった。でも本当に気をつけて帰れよ?ここはさっきも言ったようにあんまり治安がよくないんだから。 ま、とにかく今日は俺も楽しかった!またいつかどこかで会おうな。」


「ええ、本当に楽しかったわ。私達2人、明日からちょっと野暮用でこの町を去るんだけど1ヶ月位したら戻ってくるからその後くらいにまたこの町に立ち寄ったら会いに来てちょうだい。待ってるわ。」


「はい!ありがとうございました。ではまたいつか会いましょう。」

そう笑いながら私はギルドを出て行く。


はー良い人にあったなぁ・・・。またこの町来よう!そんでギルドに登録してみたいなぁ。

そんなことを考えながら大通りを抜けて少し人気の無い路地に入る。

周りに人がいないことを確認して私は転移の魔法を使って宿の部屋に戻った。

一瞬景色が歪んだ後目を開けるとちゃんと自分の宿の部屋に戻っていた。相変わらずなんて便利な魔法なんだろう!

私はその格好のままだがベッドに倒れこんだ。


「ふぃー・・・。疲れたけど楽しかったなー。ああ、眠い・・・けどこのまま寝たら駄目、だ・・・。ふ、ろ・・・・・・」




コンコン!


ドアを叩く音が私の心地よい睡眠タイムに終了を告げる。うるさいなぁなんて思って「あと5分」ってお約束のセリフを言おうとして気づく。

アレ?なんで私掛け布団もかけずに普段着のまま寝てるの?

えっと正解はそのまま寝ちゃったからでーす!テ、テヘ☆


テヘ☆じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!

急いでベッドから飛び起きて服を整える。幸いといっていいか微妙だが昨日服を着たまま寝ていたのでちょっと皺を伸ばせば問題なかった。

顔も洗ってないが髪の毛を少し整えたところでこれ以上待たせるのはまずいところまで来たので声をかけた。


「はい。入ってどうぞ。」

ノックだけじゃ誰か分からないので当たり障りのない感じで答えてみる。

するとすぐにドアが開いてアレンさんが入ってきた。


「巫女姫様おはようございます。早くから申し訳ありません。」


「気にしないで。それでどうしたのかしら?」


「実はここから先は魔物なども多く出没しますので護衛として冒険者を2人ほど雇ったのでその者たちのご紹介をしようと思いまして。」

アレンさんお言葉にへー冒険者かー話聴けるかな?なんて内心思いつつも


「そう。分かったわ。じゃあ紹介してくださるかしら?」

なんて述べてみる。私は女優!が最近の口癖(心の中の)になってきた。微妙な心境・・・。

その言葉を受けてアレンさんが冒険者さん達を招きいれた。私はその2人を見た瞬間に思わず手に持っていた櫛を落としてしまった。


「この者たちは冒険者ですがランクも高くギルド内でも有数の実力者です。また信の置けるものでもありますので」

なんてアレンさんが何か言ってるけど私はそんなのも耳に入ってなかった。



「ランスさんにシェリーさん!!?」


「「え?シーちゃん!?」」


だって入ってきたのがランスさんとシェリーさんだったから。





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