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どうもこんばんはシーです。

私は今レイさんの部下さんと何故だか知らないけど焚き火を囲って魔物食べてます。



どうしてこうなったぁぁぁぁぁぁ!!!!why?何故?なぜ?何でだよぉぉぉぉぉ!


い、いや、落ち着くのよシー!ここで取り乱してはいけないわ!!落ち着いて状況を思い返せばきっと原因が分かるはず!



確かそう、魔物狩りして素材剥いだ後にその魔物を食べてた。あまりのおいしさに夢中になってて背後に人がいるのに気がつかなかった。んでようやく気配を感じて振り返ったらレイさんの部下がいた。ここで私はかなり焦ったのよね。ちなみに焦ったポイントはまず夜中に抜け出していること、魔物を食べていること、よりによって今まで交流ゼロのこの人が来たことなどなど・・・・・。もうとにかく焦っていた。そうだ、なのでどうにか現状を打破しようとして何か言わなきゃと思いとっさに口にした。


「こ、こんばんはー。月が綺麗な夜ですねー。貴方も食べますか?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここだ!明らかにここで失敗している。なんで誘っているんだ自分よ。ちゃっちゃと意識飛ばす魔法かければよかったのに。アホ!10分前の自分のアホォォォォォォ!!

でもさ!食べるこの人もおかしいよね。魔物だよ魔物。普通拒否するわ。

ぬぁぁぁぁぁ、もう原因は分かったけどどうしようもないよ。

なんて言い訳しよう?

「魔物を退治しておりましたのよ」とか?

いやそしたら何で食べるんだよって感じだもんな。

「退治した魔物は私が食べることによって浄化されますの」

苦しい!言い訳苦しい!浄化じゃなくて消化だよねこれは。普通に胃袋に入ってるだけだもんね。あーどうしよう。


つーか会話の無いこの現状にそろそろ耐えられなくなってきた。

話しかけるにしてもこの人の名前も知らないしなー・・・。って名前聞けばいいんじゃない?


「あのー・・・貴方のお名前教えていただいてもいいですか?」

恐る恐る黙々と魔物の肉を食べていた彼に話しかける。この人本当に魔物食べるのに抵抗無いのかね?だとしたらすごいな~。


「・・・・・・・・・ギルバート」

と小声でボソッと言って再び食べ始めるギルバートさん。

そんなにこの牛豚蛙おいしかったのかな?それともお腹空いてたのか?すっごい食べっぷりだもんな・・・若干引くわー。


「ギルバートさんそんなにお腹へってたんですか?」


「別に。何で?」

おお!会話が成立したっ!!この人自分からは喋んないけどちゃんと答えてくれる人だ。なら一方的に喋っても大丈夫だな。


「いえ、すごい食べっぷりなので。それに魔物食べる人って中々いないですし・・・。なのにいっぱい食べてるので夕食足りなかったのかなと思って。」


「・・・・・・これ魔物だったのか?気がつかなかった。初めて食べるものだとは思ったが・・・・・・。」


き、き、き、気づいてなかったんかいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!何この人鈍いわ!


あー・・・・これがトリップ小説に出てくる天然無口君ですね。分かります。本当にいるのねこういう人って。しかもお約束のごとくこの人もイケメンだわ。イケメンで天然って・・・。おいしすぎるだろ!


つか、騎士団にはイケメン以外は入れないのかって位みんなイケメンなんだよ。鼻筋通っちゃててさ。くっきり二重でさ。あごのラインもシャープでスッキリしててさー。ちっくしょう!!普通はいないのか普通は!

「イケメンに囲まれていいじゃない!」って思うかもだけど実際イケメンって遠くから見るぐらいがいいですわ。あんまり近くにいられると凹む。自分の顔の残念さに。美人は三日で飽きるって本当だったんだね!


「魔物って食べれるものだったんだな。」

おお、変な思考にはまってたらギルバートさんが話しかけてくれた。このひと無口かと思ってたけど意外と話せるのね。認識改めとこう。


「ええ。血が赤いものは食べれますよ。紫や緑色の血の奴は無理です。あともちろん実体が無いものは食べれません。ていうか普通の方は魔物食べないんですけどね・・・。」


「じゃあ何故食べてたんだ?」

え、そりゃ素材を剥いだついでです!って言っていいのか?これはどうなんだ?

うーん・・・・まあいっか。この人多分いい人だし。


「えっと魔物の素材集めてたんです。売れますんでこれ。んでそのついでに夜食にしようと思って。ギルバートさんは何してたんですか?」


「・・・なるほど。素材目的か。 俺は食料調達から戻ってきたところだ。」


「食料?もしかしてこの旅の食料ってギルバートさんが用意してくれてたんですか?」

そう聞けば彼は頷いた。


「でも魔物が食べれるなら遠くまでいく必要はなくなる。動物はこの近くにいない。」


「いやだから普通の人は魔物食べませんから!!!だめです!魔物はだめですから!!」

ほっといたらこの人きっと魔物を普通に出しちゃうよ。それはまずい。いろんな意味で。誰から知ったのかとか尋ねられたらこの人正直に私の名前を言うだろう。そしたらせっかく作ってる私のキャラ(アレンさん用)が無駄になるかもしれない。それは阻止せねば!

そう考えて私は必死にこのことは黙っとくように説得を始めた。


結局、この後ギルバートさんに魔物が食べれることは2人の秘密にするように約束させることができたのは太陽が昇り始めてからだった。

天然って怖い。

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