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「じゃあ行ってきますね!」


笑顔で皆の方を見て言う。するとこっちは笑ってるのに町のみんな(主に騎士団の人たち)が泣き出した。泣きたいのはこっちじゃよ!


「シィィィィィィィ、本当に行っちゃうのか?」


ロウフが涙目で言う。女の子じゃなくて町を守る騎士団が泣いちゃっていいの・・・と考えていたが話しかけられて意識を戻す。


「うん。皆と離れるのは寂しいけど行かなきゃだから。」


だから泣かないで、というとさらに皆泣き出しました。え、なんか私が泣かしたみたいな感じになっちゃってるよ・・・。とゆーか騎士団の泣きっぷりに皆引いてるよ・・・。


「もうっ泣かないで下さいよー。それにわたし転移の魔法で簡単にこっち来れますから。」


そういうと町民みんなの動きがピクリと止まる。(アネットさんとドミニクさんは動いてるけど)


「え?シーって帰ってこれるの?もうこの町には二度と戻って来れないとかじゃないの?」


「え?そんな話になってるの?普通に帰ってくるけど?転移の魔法なら一瞬でこれるけど・・・。」


そういったら皆が口々に「あの噂は嘘だったのか!」といいながらロウフをしばきはじめた。

噂?聞き捨てならない言葉が聞こえたような・・・・・・・・。


「ローウフくーん、噂って何のことかなぁ?」

しばかれているロウフに笑顔で問いかける。なんでもドミニクさんいわく怒っているお前の笑顔は普通に怒られるのより100倍怖いらしい。失礼だわーと思っていたがこのロウフの怯えようからいって事実っぽい。悲しいかな・・・。


「い、いやね、なんかさ王城から騎士が来てたし、その騎士たちが跪いてたからさシーは実はめちゃくちゃ偉い貴族なんだけど貴族の暮らしが嫌になってこの国のはずれの町に逃げてきたんだけどとうとう居場所がばれて連れ戻される、とかそんな感じかなーって仲間と話してたんだよ。そしたらその話がどこかから漏れてさ、いや別に大声で話したわけでは無いんだぜ?でもほら場所がバーだったからさ聞こえちゃったみたいでさ。止めようとしてもすでに時遅くてさ。否定しても真実みたいになるかとおも、グハァ!」


長いので一発殴って沈めときました。長かったからだよ?決してうざかったからじゃないよ?その一発に今までの恨み込めたとか決してないからね?


「みんな、その話であってんの王都に行くことだけだから。普通に戻ってくるから。もう・・・ロウフめ。余計なことしやがって。まあとにかく一生の別れではないからね。 ・・・・・さて!そろそろ行くね。騎士さん達も待ちくたびれてるし。」


この会話の中アレンさんとレイさんは微動だにせずに立ってました。偉いっ!さすが一番隊の騎士!!姿勢も無駄にいいよ!!


「ああ、いってらっしゃい。気をつけるんだよ。」

「おういって来い。いつでも戻ってこいよ。」


アネットさんとドミニクさんが笑顔で送り出してくれる。それだけでだいぶ気持ちが軽くなった。


「うん!いってきます!!」

もちろんわたしも最高の笑顔で答えて騎士達のほうへ行く。


「お待たせしました。では行きましょうか!」


そういうと2人は町の方に一度お辞儀をして黙ってわたしの前を歩く。

わたしもその後ろを黙って歩く。皆が口々に何か言ってるけど後ろは振り返りませんよ。未練ダラダラなのにさらにここにいたくなっちゃうから。涙ぐんできた目を押さえて黙々と進む。



黙って5分ほど歩いたところに馬車がありました。さらに騎士と思われる人影が7人ほど。


え?な、何で人?まさかこの7人の人たちってずっとここで待機してたわけ?7日間も、この寒空の下にテントを張って?雨の日もあったのに?

さっきまであった感傷的な雰囲気が一気に吹き飛びました。変わりに冷や汗がこんにちはだよ!


「あ、あのもしかして彼らはずっとここで待機してたんですか?」

恐る恐る聞いてみた。否定しろ、否定しろと頭で念じながら。


「はい。そうですよ。ちなみに彼らも一番隊の隊員です。」

アレンさんが平然と答えてくれました。

うおーやっぱりここで待機か!しかもその寒そうなテントでですか。悪いことしちゃったよー。

うーむ、ここはやっぱり日本人らしく


「すっみませーんんんんんん!!!!」

謝りました。大声で。そしたら騎士×9がこっちを一斉に見た。あらまあ息の合った動き。

そしてレイさんが不思議そうに口を開く。


「えっと、なぜ謝っておられるのですか?なにかありましたか?」


「いえ、そのまさかレイさんとアレンさん以外に騎士の方がいられると思ってなくて。2人なら町の宿に普通に泊まれるだろうと思ってたので7日とか言ったんですけど・・・。本当すみません!テントで7日って大変だったですよね・・・。雨の日もあったし。もーほんとすみません。」


一気に喋り終えて下げていた頭を上げるとみんな鳩が豆鉄砲を食らったような顔してました。こんな顔始めて見たわー。実際にできるのね人間って。というか、何にびっくりしてるのこの人たち。


「えっとつまり巫女姫様はあの者達が7日間もテントで過ごしていたのが申し訳なく思っている、と言うことですか?」


通常の顔に戻ったアレンさんが聞いてきました。え、もちろんそうだけど。むしろそれ以外に解釈の方法あんの今の言葉、と思いうなずくとアレンさんが倒れこみました。


「な、なんと慈悲深いお言葉・・・・・。巫女姫様なんてお優しいのでしょう。ご安心ください!この一番隊にいるものたちは皆頑丈さがとりえなので問題ありません!巫女姫様がお心を痛める必要などどこにもございません。」


倒れたんじゃなく心酔してたみたいです。紛らわしいわっアホ!心配しちゃっただろうが!

てか散々な言われようだけどいいのか一番隊の隊員よ、と思い周囲を見れば皆アレンさんみたいになってました。(レイさんともう1人の隊員さんは除く)えー・・・何この人たち。


こんなんで大丈夫なのか?王都に向かう旅は・・・・・・・・・・・・・・。

一気に不安感が増してきました。


ようやく出発です。ここまで来るの長かったです・・・・・・。早く城行きたいですわー。

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