【幕間】 森の男
現在より8675年前
オフィリコン大陸北部・森林地帯(現在のショヘラ砂漠地帯)
男は高湿の森林の大きな木の下で目覚めた。
今まで何処にいたのか、何をしていたのか、自分の名前は何なのか、断片的にしか思い出せなかった。
男ははっきり覚えていたのは自分は画家であることだけだった。
蒸し暑い森林で大量の汗をかいていて、不愉快な気持ちだった。
追い打ちをかけるように大雨が降りだして、大きな木の下で雨宿りしなければならないことになった。
「何故ここにいる?」
男は自分に問いかけていた。
その時、男は大勢の何か近づく気配を感じた。
「何者だ!!」
男は怒りに任せて、叫んだ。
木と木の間から大きな人型の生き物、複数体現れた。
それは大きな灰色の皮膚、灰色の髪、手には鉤爪、犬のような顔、蹄のついた足の暗い闇色の目をしていた。
男は不思議と恐怖を感じなかった。理由はわからなかったが、その生き物に見覚えがあった。
「ううう・・・・」
唸り声をあげて、一番大きな個体が男に近づいた。
「何者だ?」
男は大きな生き物に質問した。
「ううう・・・」
突如、男の頭の中に何か閃いたのを感じた。
「グールか?」
「ううう・・・」
「導いてほしいのか?」
「ううう・・・」
「神だと?俺が・・・?」
「ううう・・・」
「そんなの有り得ないのだ!!」
「ううう・・・」
数百体の生き物が一気に跪き、唸り声をあげた。
「わかった、わかった・・・俺はお前たちの神になってやろう・・・」
「ううう・・・」
「そうか・・・食料がほしいか?」
男の頭の中に閃き、若しくは神託のようなものを感じた。
「この世界を俺のため・・・我のために蹂躙せよ・・・イナゴのごとく食い尽くすがいい・・・」
「ううう・・・」
「そうだ・・・この世界の全ての生命がお前たちの餌だ・・・」
「ううう・・・」
「神の名が知りたいだと?」
男は少し考え、自分の名前を思い出した。
「我が名はピックマンだ・・・グールの神にして、導き手で、この世界を滅ぼすものなり!!この世界を我が名の元で蹂躙せよ!!!」
「ピックマン!!!ピックマン!!!ピックマン!!!ピックマン!!!」
グールと呼ばれている数百体の生き物が歓喜の雄叫びと共に男の名・・・新しい神の名前を称えた。
新しい神となった男は黒い禍々しいオーラで覆われ、悪意に満ちた一種の絶望な輝きを放った。
幕間
過去の話




