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第9話 神龍の聖光 ペンドラゴン・アヴァランシュ

「おいアリエッタ! 魔法のコントロールを失っているぞ! 今すぐキャンセルするんだ! そのままじゃ暴走する!」


「くっ、う――っ! うるさいうるさい! 暴走なんてさせない! 私は負けないんだから! く――っ、あはぁっ!?」


 アリエッタの身体がグラリとふらついた。


「ああもう、言わんこっちゃない! 魔力の負荷に身体が耐えきれなくなっているんだ! 早くキャンセルしろ!」

「うるさい! 変態のくせに、勝手に心配とかしないで!」


「もちろんお前の心配もしている! だけどそれだけじゃない! 周りを見ろ! 何人ギャラリーがいると思っているんだ! そんなでかい魔法を暴走させたらギャラリーまで巻き込むだろ!?」


「私は暴走なんてさせない! 私はこんなところで負けない! 絶対の絶対の絶対に、負けないんだからぁぁぁっっ! くっ、うあああああああっっっっ!!」


 アリエッタの顔が苦悶に歪む。

 膝がガクガクと震え、今にも腰から崩れ落ちそうだった。


「この意地っ張りが! お前って奴は、本当に負けず嫌いだよな!」


 そうさ、嫌というほど知っているさ!

 なにせお前は俺の『推しの子』なんだからな!

 情熱的で負けず嫌いだけど、だけど本当は乙女なお前を、俺は推さずにはいられないんだ!


「初めて会ったくせに、知った風な口を聞かないで! ぐっ、ううっ、あああああああぁぁぁぁぁっ!」


 コントロールを失った漆黒の業火が、恐ろしいほど猛烈に、激しく激しく燃え盛っていく。


「まずいな。完全に暴走している。SSランク魔法のカラミティ・インフェルノが暴走したら、半径数十メートルが吹っ飛ぶぞ――!」


 おそらくもうアリエッタ自身ですら、キャンセルすることはできないんだろう。

 となると、無理やり抑え込むしかない。


 だがこれだけ高レベルの魔法が相手となると、神竜剣レクイエムに付与された『否定』の概念魔法でも、打ち消すことは不可能だ。


「しょうがない。ちょっと本気を出すとするか」


 暴走したカラミティ・インフェルノを、同クラスの魔法をぶつけて無理やりねじ伏せる。

 それしか方法はない。


 そうと決まれば話は早い。

 俺は契約精霊への祈り捧げる詠唱を開始した――!


「神龍精霊ペンドラゴンよ! その聖なる翼でもって、天空の光を我が剣に注ぎたまえ! 神龍の叡智と力でもって、目の前に立ちふさがりし全ての敵を断ち切ってみせよ!」


 俺の詠唱する言霊を受けて、神竜剣レクイエムに黄金に光り輝く聖光が集まってゆく。


「あの見たこともない神々しい光はまさか!? 歴史に数人しかいないと言われる伝説の神属性!? ではユウタさんは伝説の神騎士!?」


 リューネが的を射た解説してくれた。

 リューネの実家のフリージア家は、姫騎士の中でも特殊な、多数の学者を生み出した叡智(えいち)の家系なのだ。

 

 そんな学者肌の血を色濃く引き継いだ物知りなリューネの解説を聞きながら、俺は強大な魔法を微塵も暴走させることなく構築した。


「そのままジッとしてろよ、アリエッタ。今から暴走したカラミティ・インフェルノを俺の魔法で相殺する。動くと巻き込まれるぞ」


「くっ、うっ、ぐぅ――!」


 苦悶に顔をゆがめながらも、アリエッタが小さくうなずいた。

 それをしっかりと確認してから、俺は構築し終えた必殺の神聖魔法を解き放った――!


「聖光解放! ペンドラゴン・アヴァランシュ!」


 膨大なまでの聖なる光が、アヴァランシュ――全てを飲み込む雪崩のごとく、暴走するカラミティ・インフェルノへと殺到する!


 2つのSSランクの大魔法が激しくぶつかり、互いを喰らい、侵食し、相殺し合う!

 魔力の過干渉によって、周囲に激しい火花が飛び散った!



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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読ませて頂いております。 自分がレベル99の神騎士として ブレイビア学園の大浴場に異世界転移、 慈雨の姫騎士リューネフリージアさんの B98Jカップの爆乳を揉んでしまったら、 ユウタさんと…
[良い点] 頭が賢くて知識の豊富なヒロインがいると 能力を説明する為の文章を別に書かなくても 自動的に解説してくれるので便利だと感じます。 慈雨の姫騎士リューネフリージアさんの 姫騎士No.1を誇る…
[良い点] 叡智の家系か・・ Hの家系に・・ゲフンゲフン つまらない事を言ってごめんなさい(。-人-。)
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