表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少女だらけの姫騎士学園に、俺だけ男。~神騎士LV99から始める強くてニューゲーム~  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ★3巻発売決定!☆GCN文庫
第1章 突然のゲーム内転移

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/132

第20話 一糸まとわぬアリエッタ

「なんか、思った以上にすごく暗いな……」


 俺が住んでいた日本の都市部――街灯の明かりがないところがない――と違って、窓の外は真っ暗に近い。

 遠くからは、ホウホウとフクロウの鳴く声まで聞こえてくる。


 ソシャゲの設定だと、たしかブレイビア学園は王都の外れにあったから、そこまで田舎というわけでもない。


「つまりこれがこの世界の標準ってことだよな。夜はあまり出歩けなさそうだ。ま、学園施設内は魔法照明で明るいからヨシとしよう」


 いつまでも真っ暗な外を見ていても仕方ないので、俺はまだ何もないシンプルな部屋に腰を下ろす。

 壁に背中を預けると、俺は大きく息をはいた。


「まさかこんな漫画やアニメみたいなことが、俺の身に起こるなんてな」


 今この段階になっても、まだ信じられない。

 やっぱり夢でしたと言われても納得してしまう。

 だけどどうやらこれは「現実」のようなのだ。


「しかも強くてニューゲームの上に、俺の推しだったアリエッタと同棲できるなんてな。これもう最高過ぎるだろ」


 ぶっちゃけ、前の世界にたいした未練はない。

 あのまま最悪な高校生活に突入するよりも、推しと同棲を始めた方が圧倒的に素晴らしい。


 なぜこんなことになったのか、その理由くらいは知りたいところではあるが、それを知ったからといって何が変わるわけでもない。


「神様の気まぐれでもなんでも、この状況にはむしろ感謝しかないよ」


 それが今の俺の率直な気持ちだった。


 そんなことを考えていると突然、


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――っっ!!」


 耳をつんざくようなアリエッタの悲鳴が聞こえてきた。

 推し子の悲鳴を聞いて、俺の身体がすぐさま反応する!


「アリエッタ、どうした!」


 俺は脱兎のごとく部屋を出ると、脱衣所とシャワールームのある所まで走った。


 さっき約束した通りにノックをしようとすると、しかしその寸前に脱衣所のドアが開いて、アリエッタが一糸まとわぬ姿のままで飛び出してくる!


 年齢制限的な問題で、ソシャゲでは到底見ることが叶わなかったその芸術的な光景に、俺は思わず呼吸を止めて息をのんだ。


 アリエッタの裸は大浴場でも見たけど、あの時はアリエッタ本人だとは思っていなかったし、気が動転していてそれどころじゃなかったからな。


 絶対王者のリューネほどではないが、十分に豊かで柔らかそうな胸。

 美しいラインを描いて(くび)れた腰。

 そこからぐいっと膨む形のいいお尻。

 ピチピチの肌は水滴を力強く弾き、多分に水分を含んだ艶やかな髪が、しっとりと肌に張り付く様子は、もはや神がこの世に与えたまえた奇跡の結晶だ。


 眼福、眼福。

 ありがたや~、ありがたや~。


 俺は脳裏に、心に、そして魂に、その美しい姿を刻み込んだ。


「む、むむむむむむ――」

 アリエッタは裸のまま俺にひっしと抱き着くと、謎の言葉を発した。


「むむむ?? 念仏でも唱えているのか?」


「念仏ってなによ! そうじゃなくて! 虫が! 虫が出たの! なんか足がいっぱいのキモイやつ!」

 アリエッタが涙目になりながら指差したところを見ると、小さなゲジゲジがいた。


「なんだ……」

 特に危険がないことを確認して、俺はほっと一安心した。


「もう! ぼぅっとしてないで、早く取って! お願い! ASAP(可及的速やかに)!」


 涙目のアリエッタに懇願するようにお願いされたので、俺はもちろん最速で行動する。

 俺はアリエッタにギュッとしがみつかれたまま、右手を伸ばしてゲジゲジを軽くつまむと、窓から外へポイっと放り投げた。


ブクマ&評価ありがとうございます!

すごく励みになっています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いつも楽しく読ませて頂いております。 烈火の姫騎士アリエッタローゼンベルクさんが叫んだ、 悲鳴に即反応出来るのは推し姫騎士とはいえ、 勇者や騎士として大切だと思います。 学園内のシャワー室や大浴場で闘…
[良い点] ユウタさんが夜空を眺めていますが この世界の夜空は街灯等の照明が無い上 空気が澄んでいるので星が綺麗だと思います。 ブレイビア学園の校舎や学生寮の屋上で アリエッタさんやリューネさんと星を…
[良い点] ラッキースケベ♪ しかしながら、リューネは絶対王者なんですね(@ ̄□ ̄@;)!! 凄そうだ(*゜Д゜*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ