the HIATUSのアルバムレビュー

A World Of Pandemonium

●穏やかかつ神秘的な作風で、「ELLEGARDENの延長線上」から脱却。

【収録曲】

１．Deerhounds

２．Superblock

３．The Tower and The Snake

４．Souls feat. Jamie Blake

５．Bittersweet / Hatching Mayflies

６．Broccoli

７．Flyleaf

８．Shimmer

９．Snowflakes

１０．On Your Way Home

　2011年にリリースされたthe HIATUSの3rdアルバム。前二作に関しては、様々な音楽性を取り入れつつあくまでもロック色の強い楽曲を軸にしていた印象があったのですが、今作に関してはあまりそういうイメージは無く、代わりに、アコースティックギターの音色を響かせる穏やかな楽曲が目立つように思えました。どことなく神秘的でもあり、この空気感を例えるなら、「土着信仰が根強く残る異国の地を旅している」といったところでしょうか。

　こういう雰囲気自体は結構興味深く思えましたし、『Souls』『Shimmer』『On Your Way Home』のように分かりやすくメロディを際立たせた曲もあるのですが、全体的に見ると「盛り上がり」をあえて抑えた感じで、やや地味な印象が否めませんでした。ただ、「ELLEGARDENの延長線上」といった要素はほぼ完全に無くなっており、そういう意味では、前二作以上に「the HIATUSらしさ」がより強調された作品……と言えるのかもしれません。

評価：★★★★