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空から落ちてきたら、それは運命だ!  作者: 逢坂よしてる
2/9

出逢いは億千万の胸騒ぎ2


「は?」


「ハロー、少年。私は天の御使いなんだけど、なんでもやるって雄叫ぶからスカウトしに来たわ」


「いやいやいや、ちょい待った」


どうやら、空から落ちてきたのは生物じゃなくて、ぬいぐるみだったらしい。

それにしては動いてるし、喋ってるから、生物に分類しとくべき?

それか、こういう種族の宇宙人襲来とか……。


うん。

とりあえず、夢見る少年として言うべき主張はしておこう。


「どこの天界で間違ったら、ピュアピュアな天使様がブタッ鼻のぬいぐるみになるんだよ。ここは、誰がどんな期待をしたって、美少女ガールの一択だろうが!!」


「だから、ちゃんと期待に応えているじゃない。ほら、ほら、どこからどう見てもプリチーでしょ」


謎のブタさんがガールズコレクションよろしく、これでもかとポーズを気取ってくれるけど、こちとら、ピンクのフェルトにときめく趣味はない。

一応の確認でお腹らしき部分を鷲掴んでみるけど、やっぱり、ぬいぐるみ以外の何物でもなさそうだ。


「……こんの、ド腐れセクハラ野郎がー!!」


「ぐっはあああー」


手の中のフェルトが捩れたと思ったら、その勢いですり抜けた体であご下めがけて頭突きを食らわされた。

妙に的確な急所狙いに、このブタさん、やりおるなとか、フェルト地にも羞恥心やら乙女心があるのかいなとか考えながら、再び背中が廊下と仲よしこよしになった。


「ふんっ。セクハラどころか碌でなし痴漢魔クソ野郎じゃない。即行でチェンジしてやりたいところだけど、声をかけちゃったからには協力してもらうしかないのが残念でならないわ」


なんとかかんとか起き上がったら、短い腕で器用に腕組みをしているブタさんに、下にいるのに超絶上から目線で色々言われた。


「黙って私に協力しなさい。もちろん、タダでとは言わないわ。成功報酬として神様に願いごとを一つ叶えてもらえる権利を……って、何よ。その、いかにも胡散臭いインチキ霊媒師を見るような目は」


いやいや。

むしろ、この状況で「よしきた、やれきた、任せとけ!」とか引き受けちゃう方が頭おかしいから。


「天使は嘘つかないわよ。あんただって、願いごとの一つや二つはあるんでしょう。たとえば、さっき叫んでたみたいに、可愛い彼女がほしいと「わんわん! 喜んで!!」か……」


ブタさんの提案をぶっちぎって、うっかり返事が先走った。


「あんたって、ホント見ためを裏切らないチョロさね」


ああ、なんてこった。

外見はラブリーなぬいぐるみなのに、ものっくそブリザードな視線を叩きつけてくるのがわかってしまう。

だが、しかし!

俺の、まだ見ぬスイートハニーへの欲望を舐めてもらっちゃ困る。


「俺は頼れるワン公だぜ、キラン」


安心してもらえるように、親指を立ててCMにも負けない爽やかキラースマイルを贈っておこう。

おや、おかしいな。

なんだか、憐れみが上書きされたような気配がしないでもないけど、気にしない、気にしない。


「なんでもいいけど、私の下僕になるのは決定でいいのね」


んん?

下僕??

前言と表現が違いすぎやしませんか?


とは疑問に思ったけれども、とびっきりの彼女のためなら、俺のお口は「わんわん」と元気よく返事をしていた。


「よーし、よし。おりこうさんね。それじゃあ、まずはこの人を探してちょうだいな」


「わふ?」


この人と言って、ブタさんはどこからともなく一枚の写真を差し出してきた。

てか、今、マジでどこから出した?

ツッコミはしない方がいいのだろうかと迷いながら写真を覗いて驚いた。


「こ、こいつは!?」


「あら、知ってるの?」


「知ってるも何も、生徒会長の奉甫 紫劉だろ。成績優秀のくせに運動神経もよくて、生徒からも教師からも評判のいい人気者だけど、やっぱり、裏の顔があったんだな」


そうか、そうだったのかと俺はコクコク頷いて納得した。

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