頭数
掲載日:2021/11/12
平日の昼間の住宅地は夏の日差しと陽炎に挟まれて砂漠のような静けさでじっと焼かれていた。時折聞こえるのは通りすがりのエンジン音のみ。
こんな日は仕事がしやすい。
空き巣の男は慎重で車の中から自分の忍び込む家の様子を伺い、何日もかけて留守を待った。しかし、いくら待っても家の中から完全に人が居なくなることは無かった。
というのも、事前情報では女性の一人暮らしと聞いていたのだが数日前、一人の若い男が家に招かれた。若い男は女性との年齢から察するに兄弟か恋人だろう。しかし、不思議なことにその招かれた男はひとたび家に入ったきり、家から出てきていないのだ。家主の女性はゴミ出しやら、ホームセンターへ買い物に出かけることはあるというのに不思議なものだ。
そんな家主の女性は今日も今日とて何故か庭に穴を掘っている。
何がしたいのか空き巣の男には分からなかった。




