序章
序章
「何故チンコはこうも毛嫌いされるのか」
火を囲んだ3人の男達。
小鍋の中でスープが煮られている。
霊気漂う廃墟の中、ハンターが携帯食料を齧りながら切り出した。
「何だ急に」
「いや、おっぱいは男女共に需要あるけどチンコはどっちからも汚物扱いじゃん」
「実際汚物だろ」
ハンターの言葉をブッチャーがバッサリ切り捨てる。
コンロの上でスープが煮えた。
小鍋から直接食べ始める。
「……でも女の子に着いてたら?」
シーカーの言葉に2人は顔を見合わせる。
「アリだな」
「ナシ」
もう一度、顔を見合わせる。
「アリだろ。ギャップ的に」
「ねぇよ。チンコってのはそれくらい呪われたブツなんだよ」
反論をしようとした所でハンターの首筋がぞわりと冷えた。
2人も同じようで急に表情が固くなる。
3人は同時に後ろを見る。
目の前に巨大な女が部屋の中で窮屈そうに体育座りをしている。
天井が低いのだろう。
窮屈そうに首を曲げている。
当然、部屋の中に入る前に安全確認はした。
問題が無かったから食事を始めたのである。
つまり、この女は急に現れたのである。
『……』
シーカーが火を消し、コンロを仕舞う。
ブッチャーがハンターを指差しながら言った。
「お嬢さん、全ての言い出しっぺはコイツです」
「冤罪やめろ」
「現行犯なんだよなぁ」
話を打ち切るように女の手が廃墟を破壊しながら3人を叩き潰そうと振り下ろされた。
小鍋を死守し、食べ物を口の中に運びながら3人は走る。
●
25XX年。
電子、電脳化が進んだ日本。
空に街が浮き、上下左右に電磁が飛び交う。
その影響かそうでないのか。
街に様々な怪異が現れるようになった。
人々はそれを霊障と呼び、いつの間にかそれに対処する人間達が集まった。
人呼んで霊障対処課。
霞が関、元官庁街を主に行動している。