表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/565

第91話 悪夢の森 - ギルド狩りで一気に最強へ -

 闇に染まった森の中を進んで行くと、血塗れのクマのぬいぐるみ――『ブラッドベア』が跋扈(ばっこ)していた。そのレベル『9000』……!


「あの鋭すぎる歯で噛まれたら、ひとたまりもないだろうなぁ」

「わぁ、かわいいクマさんですー!」


 リースが顔を輝かせている。

 確かに可愛いツラはしているが、全身血塗れだし……すげぇ狂暴そうなんですけど。しかも、あのぬいぐるみ達、互いに『ヒール』や『スピードアップ』を掛け合いまくっていて、その回復量は『9999』だ。凄まじい回復量と移動速度を誇っていた。


「ベル、あのクマたちの壁を出来そうか?」

「たぶん、10体までなら余裕だねぇ。試しに1体だけ引っ張ってみるよ」

「頼む」


 まあ、ベルの最強の防御力なら平気だろう。


「そういえば兄様」

「なんだフォル」

「レベルをカンストさせて、その後はアルラトゥとかいうレイドボスを倒しに行くんですよね」

「そういう事だな。そうすりゃ~厄介な『死の呪い』も解消されて、きっと世界には女神が復活し、平和になるのさ」

「分かりました。その為にも、わたくしも力添えを――って、兄様、アレ」


 フォルはどこか指さす。

 それを追っていくと――


「あん?」


 ベルがどこかの冒険者たちを助けていた。

 彼らは、あの凶悪なクマ複数体から猛攻を受け、一方的にやられてしまっている。


「おいおい、なんだあのパーティ……あれじゃ、全滅するぞ! しゃーない、助けに行くか。リース、フォルは俺の後ろについてくるんだ、いいな」


 尚、メサイアは俺が背負っている状態だ。

 随分と大人しいな、ひょっとして寝てる?



 ◆



「ふ、ふぅ……」


 壊滅しかけていたパーティを助けた。

 クマは確かに強かったが、戦ってみれば俺の敵ではなかった。しかし、何十体もウヨウヨしているから、油断していると十体以上のクマに襲われ、呆気なく死ぬだろうな。


「あんた、すごいな……。あのクマを一撃で倒すとは……。俺たちは死にかけたのに」


 そう苦虫を噛む男は、あの花の都・フリージアの『聖者祭』(アルビオン)の時にいたギルドのリーダーだった。

 ていうか……『ダークスライム』の時にいた面々(めんめん)じゃなかろうか。あの職業プリーストっぽい女の子は見覚えがあるし。


 そうだ、ダークスライムの攻撃で裸にされていた女の子だ。

 俺が助けたっけな。



「なんだ、久しぶりだな」

「あ……あなたは……! 裸だった私を助けてくれた……あの時は助けて戴き、本当にありがとうございました」


 女の子はぺこぺこと頭を下げながら、お礼を言った。


「当然のことをしたまでだ。それで、リーダーのあんた」

「紹介が遅れたな、俺はギルド『サンフラワー』のリーダーで『ぽむぽむ』だ! よろしくな!」


「……は? ぽむぽむ?」


「あ……あの、本当にリーダーの名前なんです……」


 と、女の子は、嫌な汗を流しながら付け加えてくれるが――。



 ぽ……ぽむぽむ……。



 なんでそんなヘッポコな名前なんだよ……!?



「自慢じゃないが、これは、御年103歳になった爺さんに付けてもらった!」

「知るかよ……!? で、あとそこのプリーストっぽいキミの名前は?」

「私は『エイル』です。あと、あちらのケガの手当を受けている男の子は、リーダーの弟で『村雨(ムラサメ)』です」


「なんで弟の方は無駄にカッコいい名前なんだよ!?」


 差がありすぎるだろ!

 どうしてそうなった!


 他のメンバーも紹介してもらい、ギルドは総勢七名いることが判明した。


「なるほどね。……で、ベル。その村雨の容態は?」

「特殊な異常状態の『呪いの裂傷』だったから、フォルちゃんに頼んで治癒してもらったよ」

「そうか、なら良かった。で、リーダーの……ぽ……ぽむぽむさん。こんな森の奥でレベリングしていたのか。あんた達のレベルじゃきつそうだが」



「ああ、実は、花の都の王であるミクトラン様から『討伐クエスト』を受けてほしいとお願いされたので、断るワケにもいかなくてな……。

 サトル、あんたの事も聞いている。残るレイドボスがあと『アルラトゥ』だけらしいな。俺たちはその討伐を手伝えと命を受けた。だから、他のギルドも同様に動いているはずだ」



 なるほど、それでこんな森で無茶してレベリングを。

 因みに、ミクトランとは――神王・アルクトゥルスの事である。まさか、他のギルドにも要請していたとはな。


 一体、なにを企んでやがる?



「情報助かった。ともかく、レベリングで人数は多い越したことはない。一緒に組むか? こっちは女神が調子悪くて困ってたんだ」


 メサイアは相変わらず俺の背中でダラリとしている。

 ……ちょっと心配だ。


「メサイア、大丈夫か?」

「……うん。サトルの背中、暖かいし。寝心地良すぎて……」

「なんだ、寝てたのか」

「ごめんね、サトル。私、役に立てなくて」

「いや、お前は十分役に立ってるよ。いい感触してるし」

「……もう、えっちなんだから。でも今は怒る気力もないから許してあげる」

「おう。ゆっくり寝てろ」


 メサイアと話し終えると、フォルがちょっぴり不安そうな面持ちでやってきた。


「兄様、よければ、わたくしが姉様の面倒を見ましょうか?」

「いいのか?」

「お任せください。ですので、兄様は狩りに集中して戴ければと」


 少々悩ましいが――

 経験値の配分は公平になっているから、誰かが狩りすればレベリング可能。であれば――お! そうだ、いいこと考えた。


「それで、ぽむぽむ」


 ……この呼び方、慣れないなぁ。


「もちろん組む。サトル、あんたは『聖者』なんだろう。そんな最強の男からの誘いを断るわけがないよ。よろしく」


 俺は、ぽむぽむと握手を交わした。


「それじゃ『同盟』要請を送るが――って、そっか、サトルのところはギルドではないのか」

「ん――ああ、そうだな。じゃ、一時的に全員そっちのギルドに入れてもらおうかな」

「了解した。では、そちらのパーティ全員に要請を送るぞ」


 ぽむぽむから『ギルド加入要請』が飛んでくる。

 俺たちはそれに応え――ギルド『サンフラワー』へ加入した。



「よし、これで総勢12名。これだけ戦力がいればカンストも早そうだ! ていうか、俺のギルドに聖者もいるとか最強すぎね!? わははははは!」



 高笑いするぽむぽむ。

 いや、俺たち一時的(・・・)なんだけどなぁ……。



 しかし、この人数でしかも『ギルド狩り』というのは初めてだ。

 こりゃ少しは楽しくなりそうだな――とか思ってれば。



「ちょっとまったー!!!!」



 そこで、ちょっとまったが入った。



 ……この声はまさか!

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ