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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

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第86話 全てを守る - 最強の盾・アークシールド -

 一度は倒したかと思われたドラゴン。

 正確には、二度倒した(・・・・・)はずのドラゴンは生きていた。……いや、あれは生きていたとか復活したというよりは……



「おいおい……アレは――」



 俺の『千里眼』(クレアボイヤンス)が告げている。


 アレは、あのドラゴンは……



 『分裂』(ディビジョン)している――と。



「分裂だって!? んなアホな!」

「え……サトル、あのドラゴンの正体が分かったの?」



 相変わらず、俺を盾にしているメサイアが後ろから聞いてくる。



「ああ……どうやら、あのドラゴンは分裂(・・)するらしい!」

「ぶ、分裂って……! なによそれ! 減らないってこと!?」

「らしいな。じゃなきゃ、また現れんだろう普通」



 多分、それがあのドラゴンの最大の能力(スキル)なんだろう。世界最強のドラゴンというだけあるな……。



「理くん! わたし、分かったんだけど、多分あのドラゴン……某猫型ロボットの漫画に出てくる秘密道具『バイバイン』のような感じじゃないかな!?」



 盾スキルでドラゴンのブレスを防ぎながら、ベルはそう何かを思い出す。

 某猫型ロボットだって……?


 なんの話だよと思ったが、心当たりがあったにはあった。



 ……なるほどなぁ。


 ちなみに、秘密道具ではないが、そういう生物もいたっけな。



 名前を確か……『プラナリア』だったか。

 あの生物は切られまくっても、その全てが再生・分裂したという。



 まさか、あのドラゴンにも同じ『万能細胞』があるとでも……!?



「こうなりゃ、ドラゴンがこれ以上、分裂しまくる前に倒すしかないだろ!」



 と、意気込んでいると、



「サ、サトルさん……!! あ、あれ!!」



 リースが青ざめていた。

 なんだ……別の方角に?



「んげっ……なんだこのドラゴンの数……!!」



 巨大なドラゴンがなんと空に『30体』は出現していた。



「なんだよこれ……! すでに分裂していたのか!! つーか、分裂しすぎだろ……!」


「こ、この数はさすがに厳しいですよ、兄様……」




 ……ああ……確かにあれは『アルバトロス』だ。


 アホウドリ(・・・・・)だ!


 ふざけてやがる……!!




「クク…………」


「ど、どうしたの……サトル。いきなり不気味に笑っちゃって。怖いわよ」



 メサイアがドン引きしている。

 だが、今はそんなことよりも――。



「フハハハハッハハ、フゥ~~~~~~~~~~ハッハッハハハハハハ!!!!!」



 笑うしかないだろう。

 こんなアホで、バカげた状況。絶望的だ。



 さすがの俺も、あの数を相手にするのは厳しい。

 HPを一気に削られる可能性があるからだ。



 ――だが、ひとつだけ勝てる方法がある。



 俺は思いついてしまったのだ。

 この絶望的な状況を打開する、悪魔的方法を。



「あ……兄様が壊れてしまいました……。わたくしのグロリアスヒールで治して差し上げましょうか」

「それはいい。それより、フォル。『グロリアスサンクチュアリ』を聖地全体(・・・・)に張ってくれ。確か、一定時間だが『聖域』を展開し、物理・魔法攻撃を完全無効にするんだったよな」


「はい、そうです! でも、聖地全体に?」

「おう、タイミングを指定するから頼む。詳しいことは後だ。あと、ベル。今話せるか」


「う~ん? 今ちょっと忙しいんだけど、なんだい? 手短に頼むよ……っと、その前に――『ホーリーシールド』! 『グレイスシールド』! 『グロムシールド』! 『アポカリプスシールド』!! ――他、たくさん!!」



 驚くべきことに、ベルは『盾』スキルを数えきれないほど展開した。もちろん、あの『30体』のドラゴンから放たれまくっているブレスを全て防ぎきっている。澄まし顔で。……なんちゅー防御力だよ。



「ベル、そのまま俺たちを守ってもらえるか?」



「それがわたしの使命だからね。泥船に乗ったつもりでいてほしい」

「そこは大船じゃないのか!? 沈むだろ!」

「あぁ、そうだった。ごめん。じゃあ、タイタニックで」

「それも沈むわ!!」

「それじゃ、フライング・ダッチマンなんかどうかな」

「それって幽霊船じゃ……って、もういいって!」


「あはは。理くんってば、ちゃんと突っ込んでくれるから好き。

 うん、期待はして良い。ただ、ドラゴンの数が多すぎる……から、理くんが、わたしの体を支えてくれると助かるな。ほら、わたしってこう見えて華奢だし、細腕だし。衝撃で体が飛ばされたら『盾』が消えちゃうし」



 ――とか言いながら、次には新しい盾スキルを召喚していた。



『アークシールド!!』



 あれは『盾』つーか……透明な『猫の巨神像』!

 猫の巨神像(それ)がドラゴン30体分のブレスを余裕で受けている。



 アレは……突っ込んでいいのだろうか……。



 突っ込むべきか非常に悩んでいると、


「支えてくれないと協力しない」と、ベルは何だか声低く言った。


 コエーヨ。


「わ、分かった! お前の体を支えればいいんだな!? ええい、この体も含めて我儘(ワガママ)め!」



 ――というわけで、



 フォルが『グロリアスサンクチュアリ』を展開準備中。

 継続してベルの『巨大盾』および『猫の巨神像』で守ってもらうことになった。



 ――が、ベルはそれでも満足できないようで、彼女は守りを更に盤石(ばんじゃく)にするため、『盾』をこれ以上ないくらい召喚し、バリア状にした。


 ここまで出来るとはな……!

 ちなみに、全ての『盾』は透明性があり、外の様子もバッチリだ。



 こうして、ベルの『最強の盾』の中で、俺たちとアーサー少年。

 これで今のところ実質『無敵状態』だ。



 今現在、俺は、ベルの体を――正確に言えば『腰』を後ろから支えている。その必要性があるかといえば、微妙なところだが……こうしないと何故か不機嫌になるからなぁ。仕方ない。



 しかし、これは……。

 刺激が強すぎるなぁ。ベルのスラっとしたくびれとお尻がえっちだ…………って、イカン! 考えるな俺! 久しぶりに、鼻から大量出血しちまう……! そんな情けない姿をアーサー少年に見せるワケにはいかない。……そ、そうなる前に離れておこう。



「ふ、ふぅ……。ドラゴンの攻撃は何とかなったな。ベル、すまないがちょっと離れるぞ」

「……む。うん」


 ちょっと睨まれたが、気にしない。

 俺は、リースのところへ向かう。



「う~ん。これでは、こちら側から攻撃はできないですよ~?」

「いやそうでもないさ、リース」



「え……あの、サトルさん。なんで、あたしをそんなに見つめるんですか……? その、そんなに見つめられては……ドキドキしてしまいます……」


「ちょ、ちょっとサトル! こんな時に、リースを壁ドンして何をしようとしてるの!?」


 メサイアにポカリと頭を殴られるが、気にしない。



「……リース、頼みがある」

「ム……。理くん。わたしを支えてくれる約束だったでしょ」



 が、そこで珍しくベルに妨げられる。



「まあまて、ベル。あとで……ゴニョゴニョ」



 俺は、ベルに耳打ちした。

 これで少しは待ってくれるだろう。


「……う、うん。分かったよ。絶対、だからね」

「ああ、絶対だ」


 約束を取り付けると、ベルは顔を赤くし、借りてきた猫のように大人しくなった。……よし。約束(・・)は後にして――



「リース。お前のスキル『アルマゲドン』を使うんだ……! それであの分裂しまくったドラゴンを滅ぼすんだよ!」



「……な、なるほど! その手がありましたか! でも、その前に世界が滅亡しちゃいますよ?」

「大丈夫だ。威力を最小限に抑えればいい。スキルの調整は可能だよな」


「……あ、はい! 出来ます! 火力を最小限にできますよ、サトルさん」


 やっぱりな。

 例えば、アルマゲドンのスキルが10段階あるとすれば『アルマゲドン Lv.1』に下げてスキルを使用すれば……火力はその分落ちる。


 リースによれば『アルマゲドン』のスキル詳細は、こんな感じらしい。



----------------------------------------------------------------

 【スキル】アルマゲドン

 【Max Lv】10

 【効果内容】

  世界滅亡級の『超巨大隕石』を落とし、全てを無に帰す。

  このスキルを最大レベルで発動すれば、

  世界は一瞬にして終焉へ向かう。獄禁呪スキル。



 [Lv.01]:無属性魔法攻撃 10000%~30000%

     タイダルウェーブ発生率 + 100%

     有効レンジ:半径100km


    (中略)


 [Lv.10]:無属性魔法攻撃 18000%~50000%

     タイダルウェーブ発生率 + 1000%

     有効レンジ:半径1000km


  SP消費量:3000(固定)

  固定詠唱速度:100%

----------------------------------------------------------------



 オイオイ、まじか。

 ……そりゃ前の『裏世界』の時は、世界が滅んだワケだ。よくもまあ、俺たちは平気だったな……。



 それより、Lv.1でも十分恐ろしい威力だが、だが、範囲は狭まる。



 つまり――条件は整った。



 いける……いけるぞ!!


 この作戦ならドラゴンだけ(・・・・・・)を滅ぼせるはずだ……!




 作戦開始!!

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