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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

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第80話 死神スキル - オーバードライブ -

 都の至るところに石像があった。

 人形の石があちらこちら、至るところに点在している。



 これはもしや……



 あの看守【メデューサ】の仕業なのか?


「どうなってやがる……空もなんか異界のように薄気味悪いし、いや……それ以前にヒトの気配がまるでない。違う世界にいるみたいだ」


「そうだ。この都はフリージアではない」

「オルクス……知ってるのか?」

「憶測だ」

「憶測で物を言うなよ!?」


「まあまあ、サトルくん。オルクスってこう真面目に見えても、中身はヘッポコだから☆」

「なっ……プルート。お前も大概だろう! 料理は下手だし、夜ひとりでトイレにいけないし、ひとりで寝られない……おまけに……」


「あぁぁぁぁ!!! やめて! オルクス! それ以上はヤメテ!! サトルくんの前でそれ以上言わないで~~~!!!」



 顔を真っ赤にするプルート。

 なるほど、彼女もヘッポコ……と。でも、可愛いからアリ!



「二人とも騒々しい。サトル、ここは『アンチクトン』と呼ばれる反世界(・・・)フィールドのようですよ」

「アンチクトン……聞いたことがないな」

「ま~つまり……」



「つまり……?」



「よく分かりません」



「分からんのかよ!?」



 ひょっとして、モル子もヘッポコなのか!? そうなのか!?

 ホント、この三人……だめだめだ。



 これからどうしたもんかと思案していると――



『ほう、まさか脱獄していたとはな……。あのバカ【メデューサ】め……役に立たん。まあいい、ちょうど出向こうと思っていたが、いいところに鉢合わせたようだ!』



「む? 建物の向こうから人の気配……あ! あんたカジノのオーナー!」



 あの目立つ赤スーツのマッチョ男は間違いない。確か『エグゾセ』とかいう。そいつは、十人の黒服(ボディガード)を従えてこちらへやってきた。



「私の金を返してもらおうか……『100億プル』だ! どこへやった!? お前の家や周りを探しても見つからなかったのだ」


「バーカ。教えるかよ。つーか、あの勝負は俺たちの勝ちだっただろう。当然の権利だ」


「き、貴様……! ……まあいい、ではお前の仲間がどうなってもいいというのだな? オイ、アレを持ってこい」


「なに!?」


 黒服たちが何か重そうなモノを引っ張ってきていた……。


 それをよく見ると…………



 『メサイア』『リース』『フォル』……『ベル』も!?



 彼女らが『石化』していた。



「…………ど、どういうことだ!?」



「あの晩、お前から金を取り戻すため……伝説の怪物【メデューサ】を投入した。アレは『冥界の死女神・アルラトゥ』のペットらしいがね。私は、闇ルートを通じて、借金をしてでも高額の料金を支払い、レンタルしたのだよ……この『大監獄』(ヘルヘイム)も……【メデューサ】もな!! それもこれも、貴様を捕らえるためだ!」



「なん……だと……!」



「眠らせるのは容易かった……。幸い、私には神器【ジュピター】があったのだからな。これは全てのステータスを倍増させるほか……『獄爆睡』の状態異常を与える強力な神器なのだよ。昔、大枚を叩いて買っておいてよかった」


 ――と、ヤツは、ニヤリと悪魔の様に口を歪め、右手の中指に()めている指輪【ジュピター】を見せつけてきた。


 あ……あれが神器【ジュピター】だって!?



----------------------------------------------------------------

 アクセサリー:【ジュピター】 DEF:500

 効果:全てのステータス3倍。LUK&Cri + 15

 [グロリアスブレッシング Lv.5]使用可能。

 移動速度増加。

 このアイテムは絶対に壊れない。


 あらゆる対象に『獄爆睡』を超広範囲に散布。

 この効果はINTの影響を受ける。


 精錬値が30以上の時、DEF+5000。


 装備者が[エルフ]の種族である場合、

 スキル[アルマゲドン]を使用できる。

 発動時、10秒間[完全無敵]状態になる。


 装備者が[聖職者]の場合、

 スキル[ドゥーム]を使用できる。

 発動時、10秒間[完全無敵]状態になる。


 装備者が【Lv.9999】の場合、

 【ユピテル覚醒】解放。

----------------------------------------------------------------



 なんちゅー効果だ!!

 だが、装備者があんな赤スーツマッチョだから、それほど脅威ではない。ないのだが……嫌な予感がする。



「さあ、金の在り処を吐け……! 素直に言えば、彼女らを元に戻してやろう……だが、逆らえば…………こうだッ!!!」


 ――と、エグゾセは、適当に立っていた石化人間を裏拳で破壊した。


 ガラガラと崩れ落ちるヒトだったもの(・・・・・)……。


 あれは……、死んだって事だよな……?


 あれがもし仮に、メサイアやリースだったとしたら……。


 ……巫山戯(ふざけ)るなァ!!


 想像しただけで……凄まじい怒りが込み上げてきた!


「て、てめぇ……俺の仲間を人質にしたってことか!!」

「当然であろう。100億もの大金を取り戻すためだ……手段は(いと)わないということだ! さあ、さっさと言え! でなければ……あの誰かも分からぬ囚人のように、女たちがバラバラになっていくぞ……ククク、ハッハハハハハハハハ!!!」



 ……コ、コイツ!


 なんて卑怯な……!!


 クソッ!

 どうする……? どうすりゃいい……?


 焦っていると、


「メサイア様が……! なんてことだ、サトル! どうにかできんのか!」

「焦ったら負けよ、オルクス。それに、サトルくん」


 プルート……こんな状況だってのに冷静だな。

 だが、少し冷静になれた。ありがたい。


「でも、どうすればいいんだろう……」


 やっぱり、ヘッポコだった。



 だああああ、ダメだァ!! この死神役に立たねえ!!



 などと頭を抱えていると、そこでモル子が耳打ちしてくる。



「サトル。石化した皆はボクたちに任せて。みんな忘れているけど、ボクらには【オーバードライブ】という強力なスキルがあるんだ。移動速度もかなり上がるから、みんな奪取可能なはず」


「……まじか!」


 そいや、魔王に操られていたときに、そんなスキルが発動していたな。オルクスのスピードは尋常ではなかったのを記憶している。


 あの移動速度なら……!


「よし、そっちは頼む。俺は、オーナーのマッチョを百発ぶん殴る」



 【トランセンデンス】――!!


 更に――『イミテーション』で死神たちの【オーバードライブ】を勝手に、無断にコピー!! 許せ!



「っらあああああああああああああああああぁぁぁあああッ!!!!!!!」



 俺は、人生最大の怒りを……闘志を燃やし、全力全開で、マッチョに突撃した……!!

いつも応援ありがとうございます。

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