表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/555

第79話 大監獄 - へっぽこ死神三人衆と再会した話 -

 『大監獄』(ヘルヘイム)に投獄されてしまった俺。



 ……どこやねん。



「うーん……おかしいな、俺の記憶が確かなら、フォルと一緒に月見酒を……」



 あれは夢だった?

 そんなワケはない。それを証拠に、俺は二日酔いだ。



「頭が痛い、気持ち悪い……おえ」



 頭を痛めていると、隣の牢から語気の強い声が。



「おい、あんた。そこのあんただよ」

「あん? 俺? てか、この声どこかで……」


「そうだ、あんただ。女神・メサイア様と行動を共にしていただろう」

「おう、そりゃ俺だが。声だけだが、あんた知り合いだっけ」


「そうだ。最後に会ったのは……魔王・ゾルタクスゼイアンの時のはず。ほら、ヤツに操られていた死神だ。俺は『オルクス』だ」


「はぁ~い☆ わたしは『プルート』よ~。おひさ~」


「やあ、ボクは『モルス』だよ~」



 ああ、なんだ死神三人衆か――。



「――って、なんでこんな『大監獄』(ヘルヘイム)に死神がー!?」


「うん、理由を話すと長いんだけどね。……まあ、道に迷ってしまったというか、気づけばこんなところに住んでいたというか」


「住んでいるのか!? つーかまて、あんたら確か【聖地・カフェイン】の『ジオセントリズム』へ先行していたはずだよな!?」


 そういや、一切見かけなかったが、何していたんだヤツ等。


「それを言うなら【聖地・ガウェイン】でしょー」



 と、モルスからやる気のないツッコミを頂いた。

 ああ、そうだ【聖地・ガウェイン】ね。



 てか、よく思い出せば、あの遺跡にいた『ライズ』も死神だったな。あの死神少女から、死神三人衆は先に向かったと聞かされていたが――。



 どうしてこうなった?



「そんで、どーしてお前たちはこんなところで油売ってるんだ」




「聞いて驚け……! 我々は……極度の方向音痴(・・・・・・・)なのだ!」




 …………。




 そう……(哀)




 俺は、横になった。



「だぁぁぁああ! まて寝るな! 寝てくれるな! 我々の話を聞いてくれ! いや、聞いてください!」


「死神が方向音痴だって? それで、遺跡にはよく来れたものだな……」


「そ……それは」

「うん、そこは神王様に『テレポート』してもらったし~♪」


 オルクスが口籠もるが、プルートが真相をバラしてくれた。



「そうか(悲) そりゃ不憫(ふびん)だな……(クソデカ溜息)」



「お、おい、その溜息やめろ!! あぁもう、確か……サトルだったな、あんた」

「そうだが」


「いいか、我々は神王様の元に戻らなければならない。だから、手伝え」



「はぁ~~~~~~~~~~」



「手伝ってください……」


「分かった分かった。俺もメサイアたちのところへ戻りたいし、協力するよ。――じゃ、牢をぶっ壊すか。みんな、離れてろ」



 では、まず【ダークニトロ】を右手に付与してっと……



「っらぁぁぁあああああああああ!!」



 俺は、鉄格子をフルパワーでぶん殴った。

 すると、



 ドーーーーーーーーーーーーーーン!!



 バキィ~~と鉄格子が変形粉砕し、吹っ飛んだ。



「驚いた。す、すごいな……」

「サトルくん、かっこいい~☆」

「……へえ」


 死神たちが驚いていた。


「いや、あんたらもスキル使えば脱獄できるでしょう!?」


「え……無理だったんだけど、ねえ、オルクス」


 だが、オルクスはポカンと口を開けて、茫然としていた。



「なんだ、スキルが効かなかったのか?」



「この『大監獄』(ヘルヘイム)は、もともとは女神や死神専用だから。だから、ボクらのスキルじゃ突破できなかった……んです」


 眠そうに説明するモルス。半分寝てる?



 その時、奥から人の気配が――!



「まずい、サトル! 看守だ、すぐに牢に戻れ!」

「なにィ!? 看守だぁ?」

「ああ、さっきの音を聞いて駆けつけてきたのだろう。さあ、早く!」

「さあ、早くつったって牢がぶっ壊れてるんだが!?」

「いいから早く!」



 鉄格子が壊れたままだが……いいのか?

 ええい、そのままいるか。



 俺は、壊れたままの牢のど真ん中に座り、胡坐(あぐら)をかく。渋々留まることにした。



『貴様らァ!! なにをしている!?』



 ドタドタと看守がやってきた。


 『千里眼』(クレアボイヤンス)によれば【メデューサ】らしい。


 え……【メデューサ】?



「おい、囚人! 今、物凄い爆音が聞こえたが、なんだ!?」


「新人の屁です」と、オルクス。


「そうか! ならよろしい!!」



「ってうおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!」



 勝手に俺の屁にするな!!!!!!!


 てか、看守も納得すなーーーーー!!!!!



「以降は慎むように。いいな、新人!!」


 看守は、呆気なく立ち去った。



 …………。



「…………オ、オルクスおまええええ!?」



「悪気は1%だけあった。だが、良かったな。助かったぞ」


「なにが良かっただ! あんな看守くらい楽勝に倒せるだろ」


「馬鹿いえ。あれは怪物【メデューサ】だぞ。魔眼から放たれる怪光線で、脱獄囚を一瞬で『獄石化(・・・)』にしてしまう恐ろしいヤツなんだぞ」


「俺には効かんけどな」


「嘘をつくな、この屁こき魔」

「誰が屁こき魔じゃ!!」


 くぅ……オルクスが女じゃなかったら、一発ぶん殴っているところなんだが……。あんな優男に見えて、実のところ女だからなあ。始末に負えない。



 そう、死神は……元は『女神』なのだ。

 だから、全員必然的に♀となる――らしい。中には男の娘もいるかもな?



「メデューサだか知らんが、俺は帰るぞ」

「まて、こっちを開けろ!!」


 ガチャガシャと鉄格子を必死に揺らすオルクス。


「開けろォ~?」

「開けてください……」

「オルクス、あんた案外素直だよな」

「う、うるさい! いいから早くしろ!!」

「早くしろォ~?」

「早くしてくださると助かります……」


 なかなか面白いヤツだ。

 よし、助けてやるか。


「分かった。【ダークニトロ】はまだ付与されたままだから、このまま行こう。鉄格子を引きはがすから離れてろ」


 俺は、隣の牢に向かった。


「引きはがすの~!? サトルくん、すっごーい! かっこい~☆」


 きゃっきゃとはしゃぐプルート。

 おお、少し前に会った程度だけど、プルートはキャピキャピしてるなあ。清楚系ギャルってところかね。


 よし! ご期待に応えるしかないよな!(やる気アップ)



「それじゃ、っらあああああああああああああああ!!!」



 メキメキ、ゴキッ、バキッ、ボゴンッ!!



 ってな感じで、鉄格子を引きはがし、丸めて――その辺に捨てた。


「よ、死神三人衆」



「「「………………」」」



 三人ともポカ~~~ンとしていた。なんでだよ。



「おい、まさかウソだと思ったか? さっさと出るぞ、こんなところ」


「い、いやぁ、あまりに豪快だったからな……だが、助かったぞサトル」

「わたし、オルクスからサトルくんに乗り換えようかな♪」

「ボク……強い人がタイプなんです。是非とも『モル子』って呼んでください」



「感想は後でいくらでも聞いてやる! 行くぞ~!」



 ◆



 『大監獄』(ヘルヘイム)から脱獄すると――



 なんと、地上(・・)へ出た。




「ち、地上だって……!?」




 俺たちは何処にいたんだ……って!?



 ウソだろ……?




 ここは…………【花の都・フリージア】…………だった。




 都の地下に……なぜ『大監獄』(ヘルヘイム)が!?

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ