表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

545/553

第536話 破滅級ダンジョンを攻略してアイテムを入手せよ

 ガスマンを撃破すると、俺の体も元に戻っていた。ショタの呪いは解けて普通の大人の体だ。いや、正直いえば呪いとは思いたくない。

 ショタの状態であると無条件でモテたし、メサイアたちも普段よりも優しかった印象だ。……うむむぅ、ちょっと惜しかったかもしれないな。


 ――それにしても。


 元に戻って早々、メサイアたちの顔つきが変わり……明らかに修羅となっていた。


 え、ちょっとマッテ。なんでそんな怖いの!?



「……ど、どうした?」

「サトル、あんたいつまで女湯にいるのよ。早く出ていかないとぶっ飛ばすわよ」

「えぇ……」


 さっきは、全人類が敵になっても俺の味方でいてくれるみたいなことを言ってくれたのに、大人に戻った瞬間これかよっ!

 やはり、ショタ補正があったかもしれないなぁ。本当に惜しい。


 これ以上はボコボコにされかねんので、俺は女湯を立ち去った。



 リビングへ戻ると、お菓子を頬張るミクトランの姿があった。珍しい光景だ。元神様でも腹は減るらしい。



「おかえりなさい、サトル殿」

「いたのなら手伝ってくれよな。魔人ガスペルに襲われたぞ」

「でも、撃破したのでしょう」

「そ、それはそうだけど……」

「原則お手伝いはできないのです。私は元とはいえアルクトゥルスなので、不干渉。と、いいますか、私が本気を出せば世界どころか宇宙丸ごと消滅してしまうので」


 だから守護結界を張るくらいが精々なのだという。

 そういうものかね。

 ――ってまて。


 そんなことを言ったら俺はどうなる? 今の俺は現在進行形で『アルクトゥルス』だぞ。称号みたいなものとはいえ、神様には違いない。


「俺はいいのかよ」

「ええ、サトル殿は問題ありません」

「どういう理屈だよ」

「特別仕様です」


「特別仕様だぁ?」


「――冗談です。実は、神の代行者として、この私が担っているのですよ。だから、完全に神の座を降りたわけではないのですよ」


 と、メガネをクイッと上げてドヤ顔をするミクトラン。……なんだそりゃ! つか、そういうことか。変だと思ったんだよな。俺にチート能力が備わってないし、神の真似事すらできていないから、おかしいとは感じていた。


 なるほど、ミクトランは完全にアルクトゥルスを俺に引き継がせたわけではなかったのか。


「そうかいっ」


 考えるのが面倒臭くなった俺は、ソファに腰掛けた。


「そういえば、子供の姿ではなくなりましたね」

「まあな。ガスマンを撃破したし。残るは魔人サリエリと……魔人化したアイファか」



 アイファの方は、フォルの母親らしいし……参ったぜ。どう対処すればいいやらな。さすがに悲しい思いはさせたくないし、なんとかして魔人化を解除する方法を探るしかなさそうだな。



「そのアイファ様ですが、どうするのですか?」

「どうって……そりゃ、なるべく戦いたくはない」

「でしょうね。彼女はフォルトゥナの母ですし、そう簡単に手は出せないでしょう」


 その通り。俺たちは結構、絶望的かもしれない。でも悲観するつもりもない。常に希望はるのさ。この世界の理がそうであるように。


 ミクトランは優雅に紅茶を楽しみ、他人事のように微笑む。……実際、手は出せないんだから、そうなるか。


 俺は思考を続ける。


 どうすりゃいい……?

 このままだと次はフォルの母親であるアイファと対決になるだろう。俺はそんな予感がヒシヒシとしていた。


 戦うしかないのか。


 反芻(はんすう)するように自問自答を続ける。……って、俺らしくねぇな。悩むだけでカロリーを消費する。俺も甘いものを補給するか。



「……このお菓子美味いな」

「フィナンシェですよ。私の大好物でして」



 そや、ネオフリージアで食った覚えがある。あれはフォルの家だったな。どうやら、ネオフリージアの名物お菓子らしい。ミクトランの好みか。

 そや、俺も好きだったな。忘れていたよ。



「そうかい」

「サトル殿」

「ん?」

「ひとつだけ方法があります」

「なんだって……!? それを早く言えよ」

「ただ、破滅級ダンジョンの攻略が必要でして、しばらく島を空ける必要がありますよ」

「……な、破滅級!?」

「地獄のようなダンジョンのことですね」

「…………そ、そりゃ分かるが」


 島も空けるだけでもリスクが高いというのに、破滅級ダンジョンを攻略しなきゃなのか。ヤベェよ、それ。今や島の転移ゲートも解放されてセキュリティはガバガバ。魔人すら行き来可能になってしまっている。こんな状況かで留守にすれば……狙われるかもしれない。



「大丈夫。狙われてるのはサトル殿と女神たちですから」

「……そっか!」


「島は私が守りましょう」

「マジで!」

「ええ。この島はもはやネオフリージアの一部ですからね」



 微笑むミクトラン。さすが神様代行だぜ!

 これで少しは希望が見えてきたな。


 そして、そのダンジョンとやらはミクトランによれば……花の都ネオフリージアの付近にある『エレイン湖』という湖らしい。そこのボスモンスターを倒せば、あるアイテムが入手できるとか……!


 あるアイテムねえ。


 ミクトランは詳しくは教えてくれなかった。自分の目で確かめろという。なら、仕方ない。自分たちの足で向かい、自分たちの目で確かめてやるさ。



 ――しばらくしてメサイア達が戻ってきた。



「……ミクトラン、いたの」

「ええ」



 二人の会話以上、おわり。……もうちょっと話せよ!



「ちょっといいか、メサイア」

「な、なによ……」

「明日、ダンジョンへ行く」

「急ね。どうして?」

「魔人対策のアイテムをゲットする為だ。そこのミクトランに教えてもらったのさ。ほら、次の敵はフォルの母親かもしれないから」


「……それなら仕方ないわね。フォルの為なら行きましょ」

「ありがとう、フォルも喜ぶよ」



 よし、決まりだ。

 まずは久しぶりのダンジョン攻略だな――!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ