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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第532話 転移ゲート設置完了!

 いったん家へ戻ると、床に倒れているメサイアの姿があった。仰向けの大の字で。

 完全に魂抜けてるじゃないか。


「大丈夫か、メサイア」

「…………」


 こりゃ重症だな。


「特殊転移用ゲートの建設は終わったのか?」

「……まあね。結構苦労したけど、完了したわ」

「さすがだな。今日一日で終わらせてしまうとは」

「建築スキルだからね! 楽勝よ」



 そのままの体勢でドヤ顔するメサイアは、ちょっと可愛かった。つか、起き上がる気はないらしい。



「なにダラけてるのよ、メサイア」

「あら、プルート。いたのね」

「あんたのおかげで破産寸前よっ」


 滝のように涙を流すプルート。そや、そうだったな。聞くところによれば一文無しらしい。一方のモルスはかなり勝ったようだが。


「カジノで負けたのね」

「う、うぅ……お金貸して」


 その場に崩れるプルートは、お金の無心をした。女神が女神に金銭で助けを求めるとは……なんて光景だ。

 ミクトランが見たら白目を剥いて、もれなく卒倒するんじゃないか。いや、単に呆れるだけかな。



「だーめ。私は人に金を貸さない主義なの。知っているでしょう」

「……終わりよぉぉぉ! わたしの人生終わりよおお!」


 んなオーバーな。

 しかし、このままでは今後の活動に影響が出ると思った。ので、俺はモルスに耳打ちした。



「――なあ、モルス。プルートの機嫌を直すためだ。少し、こづかいをだな……」

「金は命より重いんですよ?」

「んなッ」



 どこで聞いたようなセリフだ。

 かつて俺もそんなことを口走ったような気がしないでもない。

 そして、間違いなくそれは正しいだろう。人間、金がなければ何もできないからな。


 こうなるとモルスも無理そうだな。

 諦めかけていると、背後から声がした。これはオルクスだ。



「ただいま、サトル。……おや、メサイアたちもいたのか」

「さっき帰ってきたところさ」

「そうか。こっちは魔獣化について調べてきたぞ」

「本当か、オルクス!」

「なんの成果も得られなかったけどね!」


 そう言いながらも、ふんぞり返るオルクス。まてまて、威張るところではないぞ!?

 ったく、オルクスもプルートもポンコツというか駄女神の部類だったか。唯一まともなのはモルスだけかもしれないな。



 数分後にはフォルやベルも帰宅。

 家に全員が集まった。


 飯の前に風呂に入ることになった。



「兄様っ♡ お風呂へ参りましょう。全身くまなく洗いますので!」


 目をハートにするフォルは、明らかに俺を狙っていた。今の俺はショタなので超危険すぎる場面が出来上がるだろう。ダメダメ!

 俺は嬉しいけど、メサイアが黙っちゃいないと思う。もれなくシャイン・ブレイズ・フィンガーで下半身を消滅させられる。想像しただけで恐ろしい。



「却下だ!」

「え~!」



 リースとベルに頼み、フォルの連行を頼んだ。



「フォルちゃん、お風呂へ行きますよ」

「残念だけど、わたし達と入ろうね」



 ふぅ、よかった。リースとベルはまともだ。

 ずるずると引っ張られていくフォルは、涙目ながらも「そんな~!」と叫んでいた。そんなに俺とお風呂に入りたかったのかよ。気持ちは嬉しいけどね。


 女性陣みんな風呂へ向かった。

 俺はひとりぼっち。……さびし。


 アイテム整理でもしているかとソファで横になっていると、玄関が開いた。



「お邪魔しますよ」

「なんだ、ミクトランか」


「どうも、サトル殿。……おや、妙に機嫌が良さそうですね」

「え? そう見えるか?」


「しかもなぜ、一人きりなのですか? メサイアたちは?」

「風呂さ。俺はショタだから危険なので待機」

「――なるほど。では」



 ミクトランは明らかに風呂場の方角へ足を向けていたので、俺は通路を阻んだ。神様がなにやっとんねん!!



「おい!」

「……サトル殿。なぜ止めるのです」

「バカ野郎! 止めるわ、全力で! この先には全裸のみんながいるんだぞ!!」


「では見なければ失礼というもの」

「なに真顔で言ってんだよ!! 正気か!?」


「残念ですが、正気です」



 ダメだ、この神様。いや、今は王様だけど――どっちにしてもタチが悪い!

 てか、どうしちゃったんだよ。いつものミクトランらしくないぞ。……そうでもないのか。もともとは“俺”だし。



「少なくとも実の娘の裸を見ようとするなよ」

「私が興味あるのはプルートです!!」



 ギャルの趣味があるってことね……まんま俺じゃねえか! さすが俺だな……って、バカなこと考えている場合じゃないな。



「ダメったらダメ。禁止」

「そうですか。では、本題に――」



 急に真面目モードになるし、今までの冗談だったのか。ホント、よく分からん王様だ。

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