表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

535/559

第526話 釣りクエストで大物を釣り上げろ!!

 一日経ってもメサイアが帰ってくる気配はなかった。あれから、俺はいつの間にか設置された『世界ギルド』でクエストを発注しては、釣りクエストを楽しんでいた。


 リースと釣りをする時間は、とても幸せ。


 なのだが、隣で複雑そうにするリース。やはり、フォルが心配らしい。という俺もだが。



「今日も起きないな」

「はい……なぜ目を覚まさないんでしょうか」


「なんでだろうな。……もしかして、キスしないと目覚めないとか?」

「へ……」


 眠り姫を覚ますには、やはり接吻(ちゅー)しかなかろうな。

 とはいえ、リースとベルの目の前でキスとはちょっと……恥ずかしいというか。無防備のフォルの唇を奪うのも、ちょっと抵抗がある。

 アイツは喜ぶだろうけど。



「やってみる価値はあるかも」

「……そ、そんなぁ! じゃあ、先にあたしとキスしてくださいっ」


「なに!?」



 リースが顔を真っ赤にして要求してくるものだから、竿を落としそうになった。……こ、これは想定外すぎる。つか、可愛すぎる。ちょっと興奮もしてしまった。


 もちろん、断る理由などない。

 これを断るヤツがいたら宇宙一のバカ野郎だ。こんなチャンスは滅多に、いや、一生に一度もないレベルだ。



「ど、どうぞ……」



 瑞々(みずみず)しい桃のように(うるお)いのある唇を目の前に差し出され、俺は心臓が高鳴った。……マジか。


 ならば、遠慮なく…………『ピコッ』と何か音が鳴った。



【大物が掛かりました!】



 ――って、釣り竿が強くしなっているではないかッ!



「こ、こんな時にヒットとは!」

「わわわ、サトルさん。なにか釣れそうなんですね……!」


「ヤベぇ、こりゃかなり大きいぞ!」

「あ、あたしも手伝いますっ」



 リースが俺の背後に回り、腰を引っ張ってくれるが――細い指がくすぐったすぎた。ま、まずい……力が抜けるぅ!



「まった! 腕を回してくれる方がいい」

「こ、こうですか!?」



 後ろから抱きついてくるリース。そうそう、それそれ……って、巨大なメロンがふたつ俺の背中に襲い掛かってきた。こ、この柔らかい物体はまさかッ!


 そのまさかであった。


 これだけ密着すれば、当然リースの胸が触れるわけでして……!

 イカン、余計に頭がどうかなりそうだ。



『――ギギギギ』(※竿のしなる音)



 って、だめだだめだ! 余計なことは考えるな俺! 目の前に集中しろ! 全集中だ! スキル『コンセントレーション』を使えっ!


 このままでは海へ投げ出されてしまう。

 俺は、力いっぱい竿を引っ張り、大物を手繰り寄せていく。なんて力だ……バケモノか!



「うおおおおおおおぉぉぉぉっ!」


「……っ」



 リースも力いっぱい俺を引っ張ってくれている。二人の力ならきっと……いや、厳しいか!


 しかも、急に物凄い力に引っ張られ、俺とリースは海に引きずられそうになっていた。……やべえ、やべえ! 俺の筋力でも耐えられないって、どんな大物なんだ!



 くそおおおおっ!



「兄様あああああああああ!」


「!?」



 こ、この声はフォル!

 まさか目覚めたのか!



「お待たせしました! わたくしも手伝いますっ!」



 リースの背後に回るフォル。そうか、ようやく起きたのか!



「フォルちゃん、よかったぁ……!」

「ご心配おかけしました、リース」

「ううん、いいの! それより、大物さんを釣り上げるから、手伝って!」


「もちろんです!」



 フォルの力も加わり、一気にこちらが優勢となった。……いける、いけるぞ!



「これならッ!」



 大きな影が見えてきた。こりゃ、相当デカいぞ。


 だが、それでもヤツは俺たちを海の中へ引きずりこもうとしていた。……まてまて、まだそんな体力が残っているのかよ。強すぎるだろう!



「「…………っ!!」」



 リースとフォルの力を借りても尚、この抵抗。すげぇ、魚だな!



「おや~、大変なことになってるね。わたしも手伝うよ」

「ベル! お前も来てくれたか!」


「なんか釣り堀が大騒ぎになっていたからさ」



 よく見れば、周囲には野次馬ができていた。冒険者が勝手に盛り上がっていたのである。いつの間に!



「なんか凄いことになってるぞ!」「小さな男の子と女の子が三人……」「あの人数で釣りあげられないなんて」「どんな大物なんだ!?」「この釣り堀には主でもいるのか!?」「ぜひ見てみたいな」「がんばれー!!」



 なんか応援されてるし!


 ともかく、今はベルの力も追加されて、かなり余裕となった。これなら吊り上げられる。いける、いけるぞ……!




「うおらああああああッッ!」



 力いっぱい竿を引き寄せ、俺たちはついに“大物”を釣り上げた。


 その大きな影は宙を舞い、やがて桟橋(さんばし)にソレが落下。ピチピチと音を立てて、それが活きの良い――ん?



 ん!?



 黒いから分からなかった、というか元からそれは黒い物体だった。



 どこかで見たことのある『人型』のような……って、まさか!



「え、メサイアさん……!?」



 リースが驚くと同時に、俺はそれがようやくメサイアだと認識できた。なんでメサイアが釣れたんだよ!?



「ただいま! 今戻ったわ!」



 貝類にヒトデや藻やら頭と顔に張り付けて、一瞬分からなかったぞ。新種のモンスターかと思ったわ。



「なんで海の中から現れた……!?」

「いやぁ、転移スキルを使ってもらったのだけど、間違って海の中に出ちゃってさ~。で、丁度お腹が減っていて目の前に“胡瓜(キュウリ)”があったから」


 それで偶然、俺の胡瓜(エサ)をパクっと食ったのか。……アホか!


 やっと帰ってきたと思ったら、まさか海の底から現れるとは……この女神、恐ろしい子!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ