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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第525話 ミッション:女神を三人集めろ!

「このままでは聖地は滅ぼされ、世界は滅亡するかと……」


 フォーチュンは諦めたかのように語尾を弱めた。……おいおい、絶望するには早すぎるって。



「ちょっと、フォーチュン! あんた、原神のクセに無責任すぎでしょ!」


 ぷんぷん怒りながら抗議するメサイアは、フォルの――いや、今はフォーチュンの両肩を掴んで揺らす。そして、言葉を続けた。



「魔人を倒す方法を教えなさい! あと、フォルの母親を元に戻す方法もね」



 俺が聞く前に全部聞いてくれるとは、ありがたい。リースもベルもその方法とやらが一番気になっているようでフォーチュンに視線を送っていた。


 神様だろ、なんとかしてくれよな。



「そ、それは……女神の力でしたら可能かと。でも、この世界にもう女神は……」

「いるわよ」


「え」


「私が女神よ! こ・の・わ・た・し・が」



 大切なことなので二回言うメサイア。天上天下唯我独尊まったくもってその通りである。……いや、実際は生き残りの女神が少人数だがいるらしいけどな。



「なるほど。ならば、勝算はあるかもしれません」とフォーチュンが答えると、リースが「本当ですか!? フォルちゃんのお母さまを元に戻せるんですね」と少し涙目で安心していた。


 だが、ベルは神妙な顔つきだった。元からだけど。



「リース、残念だけど……シア一人の力では厳しいかも」

「え、ベルさん。それって……どういう意味ですか?」


「確かに、シアは特別な女神だ。けれど、相手は聖女アイファ。数々の奇跡をわたしは耳にしている。それこそ都を創造しちゃうような……ね」



 そや、花の都ネオフリージアってアイファの力だってどこかで聞いたような。どこだっけ……忘れた。



「なあ、フォーチュン。メサイアだけの力では無理なのか?」

「……はい。できれば、あと三人の女神(・・・・・)が必要です」



 あと三人も必要なのか。

 このバカみたいに広い世界で女神を三人も探すだなんて、とてもじゃないが何年掛かるやら。

 不可能に近い。

 そもそも、俺はメサイア意外の女神なんて知らんぞ。



「なによ、簡単じゃない」



 ぼそっとつぶやくメサイアはの瞳に諦めの文字はなかった。むしろ、メラメラ燃えていた。元から赤い瞳だが、ごうごうと煮えたぎるようだった。いつもに増して目力があるなぁ。


 俺に似ていつも面倒くさがるクセに、今日は一味も二味も違うじゃないか。



「そのやる気、どこから湧いて出ているんだ? 教えてくれよ」

「あのね、サトル。大切な仲間の親が大変なことになってるのよ。助けなきゃ! 親ってのはね、唯一無二の存在なの。分かるでしょ」



 カッコイイこと言うじゃねえか。てか、それならミクトランともっと仲良くしろよな!?

 頼むから、メサイアも父親であるミクトランともうちょいだな……まあいい。


 それは置いておいて、今は魔人とアイファだ。



「わかったよ。そろそろ、島を出る時かな」

「そうよ。まずは女神を三人集めるの!」


「アテはあるんだろうな?」


「もちろんよ。知り合いがいるから」



 へえ、知り合いねえ。メサイアに女神の知り合いなんていたのか。



「まさか……」



 妙に顔をしかめるベルは、遠い目をしていた。なんだ、ベルは知っているんだな。



「ヤバイ奴なのか?」

「いや、なんというか……うん、理くんも知っている相手だけどね」


「俺が?」



 おかしいな、女神はメサイアしか知らんのだが。

 いつの間にか会っていたかな。


 メサイアによれば、三日もあれば全員集められるとのことだった。思ったより、早いな。


 しばらくは任せることにした。



 ◆



 女神が揃うまでは、俺は島の開拓を進めることに。

 ここ最近では更に拡張をし続けており、最近では港の付近に釣り堀もオープンしていた。


 俺とリースは二人きりで釣りをしている。



「フォルちゃん、大丈夫ですかね……」



 エメラルドグリーンの瞳に覇気がなかった。ずっとずっと心配しているリースは、元気がなくて不安に押しつぶされちゃいそうな、危うい存在となっていた。俺がしっかりせねばな。


 あれからフォーチュンは意識を返し、フォルに戻った。だが、途端に気絶して眠りに入った。負荷が大きいらしく、そうなってしまう。

 そんなフォルをベルが面倒を見てくれていた。


 俺はリースと共に気晴らしに釣りってわけだ。



「心配すんな、全部うまくいくさ」

「サトルさんはポジティブなんですね。うらやましいです」


「俺の取り柄は、惰性(だせい)なところさ」


「それ、取り柄なんですか……?」

「ああ、惰性も極めれば才能に変わる」



 今の俺には【超覚醒オートスキル】があるからな。惰性の俺にピッタリの最強スキル。なんたって自動で魔法スキルを発動してくれるんだからな。



「なるほどっ! 言い得て妙ですっ」



 リースの釣り竿に反応があった。これは大物だぞ!


 竿がもってかれそうになったので、俺は背後に回った。リースの体を支える。……それにしても、なんて小柄だな体だ。



「すげえパワーだ。釣り上げるぞ」

「はい! 一緒にがんばりましょ!」



 今は楽しもう。メサイアが帰ってくるその日まで。

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