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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第516話 騎士たちの集結とカジノ計画

 大暴れしていた男たちの正体は、知り合いだった。

 まさか、コイツ等が生きているとは。


 そうだ、勘違いしていた。

 死んだのはチョースケだ。パースケとグースケは存命中だったな。


 この二人の存在など、すっかり忘れていた。最後に会ったのは……世界ギルドの時だろうか。うーん、分からん。


 腕を組んで思考を巡らせていると、背後で「ひっ……」という可愛い声が。


 リースが(おび)えていたのだ。


 そうだった。リースはコイツ等にトラウマがあるんだったな。


 などと過去を巡らせていると“ナニカ”がジャンプして、パースケとグースケをはった押してた。



「このバカあああああああ!!」



 メサイアだった。

 二人に対してスキル『シャイン・ブレイズ・フィンガー』を放ったらしい。

 強い恨みの念も込められており、パースケおよびグースケは吹っ飛んだ。



「うぎゃああああああああ!」

「ぬおおおおおおおおおお!」



 建物を壊された恨み、相当だな――こりゃ。



 ・

 ・

 ・



 あれから三十分ほど経ち、パースケとグースケはメサイアに土下座して謝っていた。



「「すみませんでしたああああ!!」」



 そりゃ、メサイアがそこそこ苦労して作った建物だからな。それに、商売の邪魔されたわけだから怒り心頭なわけでして。


 だが、一応女神――あ、いや今は死神だった。意外にも慈悲(じひ)深かった。



「いいわ。その変わり、花の都ネオフリージアで営業してきなさい!」



 と、二人を(にら)むメサイア。あの目つきで言われては従うしかなかろう。俺でも逆らうなんて真似はできねえぞ。



「わ、分かりました!」

「姐さんに貢献(こうけん)できるなら、お安い御用です!」



 一応、世界ギルドのメンバーだからな。最近まったく気にしていなかったけど。


 グッパーコンビは、再びレンブラントへ。花の都へ戻っていった。



「…………うぅ」

「大丈夫か、リース」


「どうもあの方たちは苦手でして」

「まあ、人相が悪すぎるしな」



 とりあえず、あの二人が向こうで客を取ってきてくれたら、それはそれで助かるのだが――あの強面容姿で果たして営業が通用するのかどうか……。


 しかも、ターゲットは貴族になると思うんだがな。


 ……まあいいか。



「……やれやれね」

「大丈夫か、メサイア」


「いい気分ではなかったけど、でもいいわ。使えるものは使っていく主義だから」

「そりゃよかった。俺も自ら営業しなくて済むし」



 いちいち、あっちへ行くのも面倒だったからな。


 それより、この島の開拓というか開発というか。進めていかねばな。もっともっと金を稼がねば。


 なにか出来ることはないかと脳をフル回転させていると、フォルが「そういえば、カジノは作らないのですか?」と提案した。



「ナイス、フォル! そうね、大事なことを忘れていたわ!」



 メサイアは手を叩き、笑顔になった。

 カジノという単語で一気に元気になりやがった。


 ……また破産する気か!?


 でも……“運営する側”ならアリか。


 プレイヤーなら破産する可能性はあるが、運営側ならまず大丈夫だ。しかも、相手はほとんど貴族相手。儲かる未来しかない。



「そんなもん作って大丈夫なのか?」

「いいじゃない。この島をミクトランから貰ったんだから、どうしようと、私たちの勝手でしょ」


「そりゃ――そうだが」



 まあいいか、ミクトランもその方が喜ぶだろう。娘がこんな精力的に島開拓に乗り出しているのだから。


 という俺も結構楽しんでいた。


 こんな景色の良い場所で別荘を構えられるとは思わなかった。

 それに、かつての仲間たちと再会できるとはね。



 あれから、元騎士にしてリースの姉であるカローラや、光の騎士マナスも合流した。



「リース、久しぶりねっ!」

「お姉ちゃんっ!!」



 感動の再会のように、リースは実の姉に飛びついていて泣いていた。

 わざわざレメディオスの魔法図書館から足を運んできてくれたようだ。



「よかったな、リース」

「はいっ。本当に久しぶりで嬉しいですぅ」



 こんな笑顔のリースは久しぶりに見たような気がする。家族と会えて、よっぽど嬉しかったんだな。


 ――家族、か。


 そういえば、俺の家族や地球はもうなんだよな。

 少し前にミクトランが教えてくれた。


 ここはもともと『地球』だったらしい。

 何百億年も前にいろいろあったらしく、滅亡したのだとか。

 俺は運よく、メサイアのおかげで転生してきたようだが。


 だから帰る場所などないのだが――そうでもないな。



「どうしたのよ、サトル」

「……姉妹って美しいなって思ったのさ」


「え、キモ」


「うぉい!!」


「冗談よ、冗談」

「なんだ、冗談か」


「はーん、サトルってば少し寂しくなっちゃったんだ」

「う、うるせーな……」

「大丈夫よ、私はずっとあなたの(そば)にいるから」



 …………そんな女神級の尊い笑顔で言ってくれるとは思わなかったぞ。



 嬉しすぎて顔に出てしまいそうだった。

 いかんいかん、顔面が崩れるッッ。


 耐えろ俺ぇ……!



 …………ああああああああ、無理だァ!



 好き、だ。

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