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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第499話 魔法耐性を下げるルーンストーン:ウィン

 また騎士が現れた。

 まるで天使の降臨のように、やたら神々しく。


 アロンダイトの黒い鎧とは違い――純白の鎧。そして、黄金のように輝く金髪。

 だが、俺よりは年上に見えた。

 けど、それでも若く見える。なんだあの人……いや、見覚えがあるな。


 当時はあまり接触する機会がなかったから、印象が薄かった。


 アイツはそうだ……!



「光の騎士マナスか!」

「そうです。私こそマナス! ご存じであったとは」


「ああ、少しな」


「ふむ。ところで、あなたと一緒にいる騎士はアロンダイトではないですか」



 地面に降り立つマナスは、アロンダイトの元へ駆け寄った。

 こうしてみると背も高いし、なんだか礼儀正しいな。こんな丁寧語だったけ……?


「マナス、やっと来たか!」

「こんなところで何をしているのです?」


「ダークミノタウロス三体を相手にしていたんだ。一体はお前が倒したがな」



 そういえば、一体消滅したな。マナスの力は本物か。

 あんな体力オバケをよく倒せたな。



「最近、噂の魔人サリエリの魔物ですね」

「そうだ。そこのサトルという男が吾輩(わがはい)を助けてくれた」


「サトル。なるほど、かつてアルラトゥ戦で共闘した……」



 思い出したのか、マナスは(あご)をしゃくった。

 俺の中では二人とも洗脳されていて敵対していた存在だからな。当時はこうして、ゆっくり話すこともなかった。


 こうして接してみれば、割と普通なんだな。



「討伐をミクトラン王に頼まれてな。外へ出てみれば、アロンダイトが逆さまになっていた」


「ふむ。やはり、鍛錬を(おこた)っていたようですね」



 ジロリとアロンダイトを見つめるマナス。そうだったのか。

 そんな彼は図星をつかれたように焦っていた。



「う、うるさい。最近、お見合いだとか……貴族令嬢との恋愛沙汰で忙殺されていたのだ」



 な、なんだって……?

 そういえば、ポウラとも関係があったっぽいしな。

 あとで詳しく聞くとしよう。


 それより、フォルを助けねば!


 未だに一体のダークミノタウロスを引き付けていた。



「うああああ、兄様あぁぁ…………!」



 涙目で爆走している。

 一刻も早く対処せねば!


 しかし、倒す方法が……。



「サトル、でしたね」



 背後からマナスが声を掛けてくる。

 正直、直ぐにフォルを助けに行きたかった。だが、今は彼の話を聞いた方が得策だと考えた。



「なんだ」

「あのシスターを助けたいのですね」


「そうだ。マナス、お前はさっきダークミノタウロスを倒していたな……どうすりゃいい」


「コツを教えてあげましょう」

「コツ?」


「ええ。奴らは無駄に体力(HP)が高い。通常のモンスターの数百倍はあるのでしょう。だから一撃で倒すのは困難……」



 と、マナスは剣をまさぐりアイテムを取り出した。


 この『P』みたいな文字が入った石は……まさか。



「ルーンストーンか」

「そうです。これはルーンストーンの“ウィン”です」



【ルーンストーン:ウィン】

【効果】

 ①対象の魔法耐性を大幅に低下させる効果がある。②対象が『闇属性』の場合、三倍のダメージを与える。③特定のスキルの触媒に使用可能




「これが……そうだったのか。このアイテムのおかげでダークミノタウロスの魔法耐性を下げていたのか!」


「これを貸してあげます」

「せんきゅ!」



 マナスからルーンストーン:ウィンを借りた。

 今まで俺は魔法スキルばかり使っていたからな。そりゃ、少ないダメージで体力(HP)を削り切れないわけだ。


 ならば、このルーンストーンを握りしめたままなら――!



「兄様あああああ!」



 俺は直ぐにフォルの方へ向かい、間に入った。

 ダークミノタウロスが向かってくるが【オートスキル】の聖属性攻撃『オーディール』が発動。

 十字の閃光(アーク)が飛び出し、激突。



『ウオオオオオオオオオオ…………!!』



 確実なダメージを与え、ついに撃破したッ!



「た、倒せた!」



 続いて残りのダークミノタウロスにもオーディールをぶつけた。これも粉砕。



『ギョオオオオオオオ!』



 よし、討伐完了!!




「兄様、兄様ぁああぁ!」




 涙を滝のように流し、鼻水まで垂らすフォルが飛びついてきた。……ちょ! まあいいか。



「すまん、遅れた」

「いえいえ、信じておりました。兄様はきっと助けてくれるって……」

「あたりまえだろ」


「……嬉しいです」



 マナスのルーンストーン:ウィンのおかげで助かったな。アイツがいなかったら、やられたところだ。

 これでひとまず、ミクトラン王の依頼は完了。

 街へ戻るか。

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