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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第490話 ネオフリージア騎士団

【花の都ネオフリージア:中央噴水広場(シンビジウム)



「フォルちゃん、どこへ……」


 ポカンと立ち尽くすリース。俺もなぜ、急にフォルが抜け出して行ってしまったのか意味が解からなかった。

 アイツは普段、黙ってパーティを抜けていくようなヤツではない。だが、このような状況になったってことは、よっぽどの“なにか”が起きたに違いない。



「お母さまって言っていたわね」

「そうだな、メサイア。心当たりがあるか?」


「ないわ。てか、フォルの家族構成とか知らないし」



 言われてみれば……そうだ。俺も全然知らん。フォーチュンの加護を受けているくらいしか。

 というか、この『ネオフリージア』に関係あるのだろうか。

 確か、チャルチによれば、ここは最近出来たような話をしていたが。世界ギルド・フリージアが建国したとか、そんな壮大なことを言っていた。



「放っておくわけにもいかないよね」



 と、ベルは冷静に。

 そうだな、このまま知らんぷりなど出来るはずがない。

 フォルの消えた方向へ歩いてみる。


 恐ろしいほどの人混みなので、はぐれないよう気をつけないとな。その昔のフリージアでは、みんなとはぐれた覚えがあるしな。


 このパーティの中でも、リースは特に心配だ。以前、バラバラになった時にいつの間にかポインセチア城にいて不良共に囲まれていたからな。


 だから今回、俺はリースの手を取った。



「……サ、サトルさん」

「これなら迷子にならないだろ」

「は、はいっ。幸せすぎて死んじゃいそうですっ」



 花のような笑顔を見せるリース。

 うんうん、女神のように可愛いな。


 ――って、本物の女神のメサイアがこっちを死神のように(にら)んでいた。こ、怖ッ! てか、いつも嫉妬しないクセに、こんな時だけ!




「メ、メサイアも手を繋ぎたいのか……?」

「手はもうひとつ空いているでしょうが」

「そんな地獄の底からみたいな声で言わないでくれよ。怖ぇよ」


「じゃあ、繋ぎなさいよっ!」



 まさかのメサイアの方から手を繋いできた。最近、本当にツンデレ気味だな。


 ちなみに、ベルは――特に気にしていない様子。コイツだけは、いつもと変わらないな。



「……」



 しかし、それは俺の勘違いだったらしい。ベルは、俺の服を後ろから摘まんでいた。ま、まさか本当は手を繋ぎたかったのか……?



「ベル、どうせなら背後から抱きついてくれた方が嬉しいぞ」

「肩車を要求するね」


「んな無茶な!」



 てかマジじゃないだろうな。なんて話をしながらも、ようやく人混みを突破。

 ポインセチア城の付近にある『ネオフリージア騎士団』の正門前に到着。そうか、騎士団なんてあったんだな。


 そりゃ、あるか。

 花の騎士たちいたのだから。

 でも、カローラはレメディオスの魔法図書館にいたはず。退団した騎士もいるってことか。

 詳しくはチャルチとかに聞けば解かるかな。



 それにしても、フォルはどこへ行った?

 さすがに追える範囲ではなくなった。


 右か左か、どっちの道を行こうか悩んでいると――。



「そこの男、ネオフリージア騎士団の前でなにをしている」

「……!」


 正門の向こう側から赤髪の高身長イケメン男が現れた。やたら豪華な甲冑(かっちゅう)に身を包み、威厳すらあった。

 ネオフリージアの騎士か。



「もう一度だけ聞く。なにをしていると聞いた」

「右か左どっちへ行くか悩んでいたところだ。悪いか」


「ふむ。……む、そなたの顔、どこかで……」


「ん? そうだっけ。俺は覚えがないが」


「あれ。そちらの黒髪の女性、こちらの金髪のエルフも見覚えが。……やや!? 背後におられるのは聖戦士のハーデンベルギア様では!?」



 赤髪の騎士は、ベルの存在に気づいて恐れおののいていた。知り合いか。



「やあ、グレン。まさか、ネオフリージア騎士団に所属していたとはね」



 グ……グレン!?


 この赤髪野郎が? ――って、そうだ。思い出したわ。グレンだ。炎の騎士グレン・アーカムだ!


 そうか、ここいたんだな。

 シベリウスとは会っていなかったのかな。



「グレン、久しぶりだな」

「なるほど。というか、お前はサトルか。久しぶりでお前の容姿など忘れておったわ」


「お互い様さ。それより、シベリウスは来なかったか?」

「なぜ師匠の名を」



 俺は、エルフの郷カムランでシベリウスと会ったことを話した。グレンと会いたがっていたことも。


 するとグレンは、わなわなと震えてなぜか絶叫していた。



「な、なんだよ!?」

「師匠おおおぉぉぉぉ…………!!」



 しまいには泣き出していた。リースが引きまくっているぞ。



「意味が解からん。説明しろ、グレン」

「……師匠とは十年前に喧嘩別れをしてな。以来、会うことはなかった」


「そんな事情が……」


「ああ。フリージア、そしてネオフリージアでも人気のある『サクラクレープ』を巡って殴り合いの喧嘩をした。師匠はそんな女子の食べるものを買うなとな……危うく殺されるところであった……」



 二人ともアホだろ。

 てか、サクラクレープとか、そんなんあったな。結局食えていないんだが。



「そうだ、思い出した!」

「ど、どうした、メサイア」

「サトル。あの時、サクラクレープを奢ってもらってないわ!」



 かなり昔の話だな。

 当時、フォルとベルは食っていたな。


 ……俺も食わされたわ。しかもフォルとベルから“あ~ん”をしてもらったことを鮮明に思い出した。なに幸せなことされてるんだ、過去の俺!



「今更だが、仕方ない」

「へえ、意外ね。買ってくれるんだ」

「カムランでは大活躍だったからな。労わってやるさ」


「さすがサトルね! キスくらいなら許してあげるわ」

「今夜の楽しみにしておく」



 今は、グレンだ。コイツに聞かねばならない。



「グレン、銀髪のシスターを見なかったか? 多分、この辺りを通ったはずだ」

「銀髪のシスター…。ふむ、それなら見たぞ」


「なんだって!?」


「騎士団の中へ来るがいい」

「中へ……?」



 この中にフォルがいるというのか?

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