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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第489話 花の都・ネオフリージア

 よく考えれば、花の都フリージアも『聖地』だった。正確に言えば『聖地ベディヴィア』だ。つまり、ネオフリージアも何かしらの聖地というわけだ。


 だから、特殊転移用のゲート『レンブラント』は反応し、あそこへ転移したんだ。

 なぜ繋がったのか理由は不明だけどな。



「ネオフリージアなんてあるんですね~」



 へぇとリースは興味深そうにしていた。ぜひ、みんなと行きたいところなのだが――温泉へ行ったベルがまだ帰ってきていない。


 置いて行くわけにもいかないので、しばらく待つことに。


 それにしても。


 フォルが珍しく口数が少なかった。コイツが神妙な表情をするだなんて、天地がひっくり返るようなものだ。



「どうした、フォル」

「……い、いえ。その、ネオフリージアが出来ていたとは……驚きました」


「そや、フォルはフリージア出身だっけ」

「ええ。わたくしは、花の都フリージア『レメディオス教会』の聖女でした」



 そうだったのか。昔のフリージアにレメディオス教会なんてあったんだな。多分、現在のレメディオスの名も、そこから取っているんだろうな。


 そういえば、レメディオス教会だけは現存していたな。

 かなり前だが“フォーチュン”と対話したことがあった。今も尚、フォルの中に存在するのだろう。



「ふむ。なにか気になることでも?」

「もしかしたら……お母さまが――」


 フォルの両親? そういえば、聞いたことなかったかも。詳しく話を聞いてみようとしたが、そこでベルが帰ってきた。



「ただいま~」

「おかえりなさい、ベル!」



 火照ってエロい……じゃなくて、スッキリした様子を見せるベル。メサイアが駆けつけ、歓迎していた。



「やあ、シア。みんなも。で、理くん、これからネオフリージアへ?」

「なんだ、聞いていたのか」

「そこで聞こえてさ」


「そうだったか。聖地アーサーへ行きたいところだが、転移ゲートがツンツンでね」

「そのうちデレるかもよ?」



 そんなツンデレじゃあるまいし。

 とにかく、パーティメンバーは集結した。これで出かけられるな。



「旅立つのですね」



 と、ルクルが名残惜しそうに俺の前に。



「世話になったな。おでん缶自販機はルクルが管理してくれ」

「え、でも……」


「利益は全部、このお店の為に使ってくれればいいさ」

「そ、そんな。貰えませんよ~…!」


「遠慮する必要はない。俺たちはネオフリージアで稼ぐさ」

「なんだか申し訳ないです。でも、ありがとうございます」



 嬉しいと顔を輝かせるルクル。

 その乙女すぎる表情に俺の心は『ズキューン!』と来ていた。……お、おいおい。もし女の子だったら、俺は即落ちしていたぞ。


 あまりに可愛すぎた。持ち帰りたい。



 だが、男だッ!!(血涙)



「また来るさ。このカムランに」

「ぜひ寄って下さい。みなさん、ありがとうございました!」



 ルクルは、メサイアたちと別れの挨拶を交わした。また会おうと約束して。


 少し寂しくなるが、ポーション屋を後にした。

 快適な生活だったが、しかし俺たちは先へ進まねばならない。目指すは聖地アーサーだ。


 だが、運命は『ネオフリージア』を示した。

 フォル風に言えば、フォーチュンの導きだ。


 きっとなにかある。

 俺の勘がそう告げていたんだ――。



 ◆



 特殊転移用のゲート『レンブラント』を通過し、無事に【花の都・ネオフリージア】へ到着した。


 懐かしき中央噴水広場。


 人々の雑踏。お祭りのような活気。エルフやドワーフ、獣人族など多くの種族が闊歩(かっぽ)している。


 まさに俺が過去にいた花の都フリージアそのもの。



「こ、これは……予想外ね」



 呆然と立ち尽くすメサイアは、周囲を確かめていた。そして、懐かしそうに表情を崩す。リースとベルも驚嘆の声を漏らしていた。


 ほうほう、みんな反応が良いな。



 だが。



 フォルだけは違った。



「…………」



 妙に怯えているというか、青ざめていた。なぜだ、なぜそんな反応を?



「どうした、フォル。喜ばないのか?」

「……兄様。この花の都は“完全再現”されていますよね……」


「寸分違わずだな。当時のニオイまで完璧さ」


 まるで当時の花の都フリージアをそのまま抜き取ったような、そんな雰囲気すらあった。そんな神の御業なんて不可能だろうけど。


 出来ても俺くらいだが、そんな宇宙が崩壊しそうなマネはしない。


 アルクトゥルスが認めない。



「やはり、お母さまが!」



 走り出すフォルは、どこかへ向かう。お、おい、勝手に!


 一体、どこへ行く気だ?

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