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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第488話 筋力(STR)と筋肉増強スキル!

「なんて野郎だ。不正をしているのはカジノ側で、客から(だま)し取っていたんだな!」


 俺は怒りをぶつけた。

 けれどカジノのオーナーは不敵に、悪魔のように笑う。

 祈るようにして拳を作ると、それを振り上げた。



「それがどうしたッ!」



 ブンッと風を切るように拳が落ちてきたが、俺は回避した。

 さきほど居た場所に大穴が形成され、その威力を物語っていた。……ヤベェ、まともに食らっていたら木っ端みじんだったな。



「今後、不正をしないと約束しろ! あとメサイアの使った金は返金するんだ。全額な!」


「断る!」

「なんだと……」


「馬鹿共から金を巻き上げて何が悪い。客には夢さえ見させておけばいい。きっと当たる。きっと億万長者になれる……それだけで十分だろう!」



「それを詐欺って言うんだよ、馬鹿野郎」



 聖槍アンティオキアを召喚し、俺は構えた。

 久しぶりにこの槍を出したな。


 白く輝く槍の形状の武器。

 コイツは聖者専用の槍だ。

 この男の拳を防御(ガード)するくらいなら、これで十分だ。



「ぬぅ! 武器召喚とはな……まるでエルフの秘術だ」

「謝るなら今のうちだぜ」


「貴様ごとき人間に下げる頭などないッ!」



 今度はストレートパンチが繰り出された。俺は直ぐに聖槍アンティオキアで防御。重苦しい一撃が槍に伝わってきた。


 ……ぐっ、なんて重いパンチ!


 手が(しび)れやがった。



 このエルフ、巨漢なだけあってパワー型か。



「サトルさん! その方は魔法で筋肉を増強しているみたいです!」



 リースは、あの男の補助スキルを見破ったらしい。


 ということは、まさか!



「そうです、兄様。あれは、わたくしも習得している『エンジェルラダー』でしょう。筋肉を強化するマッスルスキル!」



【エンジェルラダー】【Lv.10】

【効果】

 筋力(STR)および筋肉を増加させるマッスルスキル。攻撃力もアップ!



「これか!」



 懐かしいスキルだぜ。

 以前はよく、フォルが使ってくれたものだ。


 ――って、フォルのヤツ……久しぶりに俺に使うつもりだ!



「ちょ、おい……!」

「エンジェルラダー!」



 使いやがったなァ!?



「ぐ、ぐ、うおおおおおおおおおおおお……!!」



 俺の腹筋が!


 上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)が!


 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が!



 ムキムキ、バキバキ、ボキボキと膨張してマッスル野郎になってしまった!



【サトルの筋肉が膨張した!】



「な、なにィ!? 貴様の仲間にもエンジェルラダーの使い手が……バカな!」

「カジノのオーナー、お前だけの特権じゃねぇぜ!」



「ならば拳で語り合うまでッ!!」



 と、オーナーは拳を馬鹿正直に向けてくるが、俺はそんな面倒なことはしない! 普通に槍で反撃する。




「聖槍アンティオキアと、オマケの覚醒煉獄だああああッッ!」


「ぶぁかなぁああああああああ、卑怯ものおおおおおおおおおおお!!」



 戦いに卑怯もクソもあるか。

 そもそも、カジノの不正の方が悪いだろうが。


 花火のように空へ打ち上がるカジノのオーナー。

 ひゅーっと飛んでいくや、重みで落ちてきた。


 そのまま地面に激突。



 ズゥゥゥンっと地響きが鳴り、周囲は騒然となっていた。



「な、なんだぁ!?」「あ、あれってカジノのオーナーじゃん」「なんで倒れているんだ?」「てか、空から降ってこなかった?」「なんでカムランの英雄と戦っているんだよ」「あのお兄さんってポウラを倒した人だよな」「なにが起きているんだ?」



 そんな状況の中でリースが声を上げた。珍しく大声だ。



「みなさん! この方はカジノで不正を働いていました。全額返金してくれるようなので、被害に遭った方は申請を!」



 エルフであるリースがそう言ったおかげか、みんな納得した。そもそも被害者も多かったようだ。



 不正は直ぐにウワサになり、返金を求めてカジノに群衆が殺到。

 カジノ側は素直に応じることになったが、経営難に。


 あの巨漢エルフのオーナーは、行方をくらましたようだ。夜逃げだな。



「……やった!」



 メサイアは喜びの声を漏らしていた。

 お金が帰ってきて涙していたのだ。



「よかったな、メサイア」

「まさか、カジノが不正行為をしていたなんてね。どおりで勝てないと思ったわ!」


「ああ。お前が負け続けなきゃ、明るみにでなかっただろうな。闇が深いぜ」


 多分ほとんどの人が泣き寝入りしていたんだろうな。

 けど、ある意味ではフォルのおかげで全てが覆った。幸運聖女がいなければ、カムランのカジノはあのままだったろうな。



「ところで、ネオフリージアのことを聞いたわ」

「耳が早いな、メサイア」


「ベルから聞いたの。ねえねえ、行ってみない!?」

「そうだな。聖地アーサーへ行く手段を調べなきゃならん。――それに」


「それに?」


「久しぶりに会えるかもしれないぞ」

「誰に?」


「花の騎士たちさ。ほら、グレンとかいたろ」

「誰だっけ」



 メサイアはすっかり忘れているらしい。ひでぇ~。

 つっても俺もほとんど覚えていなかったけどな。



「せめて、リースの姉であるカローラくらいは憶えておいてくれよ」

「ああ! いたわね。リースのお姉さん」


 どうやら思い出したようだ。

 彼らに会う意味は十分にある。


 聖地へ行く方法を知っているかもしれないからだ。あと魔人サリエリのことも。


 それに、シベリウスの動向も気になる。今頃はグレンに会えているのだろうか。

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