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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第487話 目覚めのポーション

 俺は表へ向かい、ルクルに事情を説明してお願いした。



「――というわけなんだ、ルクル。メサイアを起こせるポーションを作って欲しい」

「それは大変ですね。それでは“目覚めのポーション”を作りましょう」


「やっぱり、そういうのがあるんだな!」

「ええ。主に酔いつぶれている方を覚醒させるポーションです」



 ルクルは、棚からヘビのようなもの、謎のキノコ、妙な赤い粉、マンドラゴラの根らしきものなど怪しい物体を鉢に入れて調合。


 ……まてまて、紫色に変色してニオイもヤバいぞ。なんだこの刺激臭……吐きそうだ。


「だ、大丈夫なのかコレ」

「ええ。完成しました!」



 これが“目覚めのポーション”か。確かに、飲んだら死者でも蘇りそうな色合いだ。


 さっそくぶっ倒れているメサイアの元へ向かい、ポーションを飲ませた。



「これを飲め、メサイア!」


「……っ。んぐぐ…………? どひゃあああああああああ!!」



 飛び起きるメサイアは、叫びまくってどこかへ走っていく。外へ向かったぞ!?

 俺は心配になって追いかけていく。


 するとメサイアは、外の噴水に顔から突っ込んでいた。



「ちょ、おい! メサイア!」


「ぬ、ぬべべぇ……」

「おいおい、シッカリしろって」


「う、うぅん…………ぁ、サトル」



 ようやく気付いたのか、メサイアは目を開けた。水滴が滴って妙に色気があるが、今はそれは置いておく。


「姉様!」

「メサイアさん!」


 フォルとリースも追いかけてきた。



「大丈夫だ。メサイアは復活した! ……たぶん」


 なんとか正気を取り戻したメサイア。しかし絶望的な表情は変わらない。どんだけギャンブルで負けたんだよ。つか、もう止めろよな。



「おいおい、カジノはほどほどにしろと言っただろうに」

「うぅ、ごめん。もう二度としないから……!」


 許して欲しいと、メサイアは涙目で訴えかけてきた。そんな可愛い顔されると、全部許せちゃうんだけどな。

 別に金なんて稼ごうと思えば、いくらでも稼げるさ。

 またやり直せばいいだけ。それだけなんだ。


 それを伝えると、メサイアは土下座する勢いだった。



「お金の管理は全部リースに任せる。それでいいな」

「うん。解かった」



 納得するメサイア。これで一件落着かと思ったが――。



「うぉい、そこのシスター服の姉ちゃんよぉ!!」

「不正はイケねぇよなァ! 不正はよぉ!!」



 ガラの悪い男エルフ二人組がフォルに因縁をつけていた。って、今度はフォル? まてまて、フォルがそんな不正だとかするワケがない。ありえない。



「え、わたくしですか?」

「そうだ。アンタ、カジノで勝ちすぎなんだよ! ありえねぇんだよ!」



 と、男は何度も“ありえない”を連呼。どうやら、カジノの関係者らしい。

 俺は事情を聞くべく、フォルと男の間に入った。



「聞かせてくれ。フォルがなんの不正をしたんだ?」

「あぁ? そのシスターはずっと勝ち続けていたんだ。ルーレットにバカラ……スロットも! 何億セルと稼いでいたんだよ!!」



 ナニィ!?

 フォルがそんなに稼ぎまくっていたのかよ。いきなり強運を発揮しているじゃないか! 今までそんな素振り全然なかったのに。


 今日になって最強の運が発動したのか。



「どうなってんだ、フォル」

「フォーチュン様が降臨なさって下さったのですよ、兄様。おかげで、わたくし勝ちまくりでっ」



 そ、そういうことかよ。フォーチュンのヤツ、フォルのLUK(ラック)を底上げしてやったな……。だから今日は勝ちまくったんだ。


 てか、億も稼いだのかよ。もう自販機ビジネスの意味がねえッ!



「よくやった。これで俺たちは安泰(あんたい)だな」

「――ですが。お金は恵まれない子供たちの為に、教会へ全額寄付しました!」



 神々しい笑顔で答えるフォル。


 うお、まぶしい!!


 目が、目がああああああ!!


 さすが聖女だぜ……考えることが俺とはまるで違う。世の為、人の為……それでこそだよな。


 億単位の金をポンと寄付しちゃうとか、さすがだよ。



「このシスター!! よくも!!」

「ヤっちまおうぜ!!」



 男二人は、フォルに襲い掛かるが――無論、彼女に敵うハズがなかった。



()(おう)(そう)()(ざん)!」



 凄まじいスピードのチョップが男の鳩尾(みぞおち)に入り、ぶっ飛ばしていた。もう方にはなぜかグーで『金的』を。



「「ぐぎゃああああああああああああッッ!!」」



 覇王葬破懺って、そんなスキルなのかよ!

 はじめて見たぞ、それ。



「フォルちゃん、大丈夫ですか!?」



 リースがフォルを案じるが、男たちを心配してやるべきかもしれない。片方は噴水に激突。もう片方は急所を粉砕されて悶絶(もんぜつ)していた。


 こんな技は食らいたくないな。


 これで一件落着かと思いきや――。



「……チィ。部下をやられたか」



 今度は、巨人族のような大柄なエルフがノシノシと現れた。なんだこの、明らかにマフィアのボスみたいなヤツ。


 てか、デケェ!

 横にもデカイし、関取にしか見えん。


 まさかカジノのオーナーじゃなかろうな。



「あんたはなんだ?」

「私は、カジノのオーナーだ。そこのシスターに用がある!!」



 やっぱりそうなるのか。

 稼ぎすぎると、ここまで追い詰めてくるのか。



「大体、不正もなにもないだろうが」

「いいや、ありえないんだよ」


「お前もそれか。どうしてそう思う」


「ウチのカジノは、馬鹿なギャンブル中毒から巻き上げられるよう、不正をしているからな! なのにそこのシスターだけは勝ち続けた。ありえないんだよ!!」



 それで“ありえない”か――!


 つまり、メサイアが負けまくったのはカジノ側の不正のせいか。それは許せん! 使った金だけでも返してもらうぜ。

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