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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第486話 絶望の女神

【エルフの郷カムラン】


 再びゲートを潜り、俺はカムランへ戻ってきた。

 壁に背を預け、ボロボロの本を読むシベリウスの姿が。


「無事に戻ってきたか、サトル」

「おう。聖地には行けなかったけどな」

「なんだと?」


 俺は、このゲートの向こうがなぜか【花の都ネオフリージア】であることを説明。すると、シベリウスは死ぬほど仰天していた。そんなに驚くとは。



「――というわけだ」

「ありえぬ。あのゲート『レンブラント』は聖地しか行けぬはず。つまり、花の都は『聖地』というわけか……」



 ふむ、どうやら俺の知らないところで“何か”起きているようだな。



「てか、ネオフリージアにグレンがいるようだぞ」


「本当か!」


「ああ、ミクトランの騎士チャルチと会ったんだ」

「ほう。あの娘か」

「会ったことあるのか?」


「うむ。子供のころのチャルチにだがな。グレンとは幼馴染と聞いたぞ」

「初耳だな」



 そもそも、騎士たちのことを俺はあまりよく知らない。

 なぜ王に仕え、どうして騎士として活動していたのか。……あ、いや。活動理由はレイドボスの討伐だったな。


 結局、彼らはアルラトゥに操られてしまい、たいした活躍はできなかったワケだが。



「そうか、都が復活したのなら行ってみる価値はありそうだな」

「行くのか、シベリウス」


「久しぶりにカムランを離れる時がきた。サトル、私は先に行く」

「解った。俺はメサイアたちと合流してからだ」


「了解。……ああ、あとこの本を読んだ方がいい」



 さきほどシベリウスが読んでいたボロボロの本。それを手渡された。……いらねえ。



「これになんの意味が?」

「いいから読むんだ」


「ん~? って、エルフ語じゃねえか! 読めねえよ……」

「お前の仲間にエルフがおるだろう。翻訳してもらえ」



 と、ゲートへ向かうシベリウス。この本に何が書かれているのやら。まあいい、あとでリースに聞いてみるか。


 シベリウスを見送り、俺はルクルのポーション屋へ。


 ・

 ・

 ・


 お店へ戻るとベルの姿があった。お、やっと帰ってきたか。


「戻ったよ、理くん」

「今までどこで何をしていたんだよ」


「聖地への転移方法を模索していたのさ。それで解ったんだけど、ゲートを使えばいいらしい」


 俺はそれを耳にして、ベルの肩に手を置いた。

 謝罪の意味も込めて。



「すまん、ベル。もうさっき使った」

「えぇ……!? 本当かい。苦労して見つけたのにー…」



 しょんぼりするベルは可愛かった。普段は仏頂面のクセして、今は感情を表に出していた。いつもそうしてればいいのにな。



「シベリウスが知っていたんだよ」

「そんなー…。彼とは旧知の仲なのに」



 なぜ教えてくれなかったと、余計に()ねていた。おいおい、シベリウスのヤツ……先にベルに教えてやれよな。



「ああ、そや」

「ん?」


「ゲートの向こう側へ行った」

「へえ?」


「ネオフリージアがあったよ。前と同じで建物とか風景がそのままだった」

「なんだって……ネオフリージア。いつの間にそんなものが」


「世界ギルドが再現したそうだ。レメディオスと聖地コンスタンティンの間にあるんだと」


 なるほどね~と、ベルは脱力して納得していた。相当疲れているらしいな。



「行くつもりだが、どうする?」

「もちろん、ついていくよ。でも、今は体を癒したい」


「温泉か?」

「そうする。今日は一人で行くよ」


「じゃ、明日出発する。必ず戻って来いよ」

「うん。じゃあ、またね」



 手を振って旅館カルンウェナンへ向かうベル。今はそっとしておいてやろう。

 さて、お店の中へ行こうっと。


 扉を開け、中へ。


 お店の中ではルクルが接客していた。俺は挨拶しながらも横を素通り。リビングへ向かうと、そこにはぶっ倒れているメサイアがいた。


 え、ナニコレ。

 なんでこんな酔いつぶれたみたいに!?



「姉様、姉様しっかり!!」



 フォルは必死に治癒魔法を施していたが、効いていない様子。

 リースは涙を滝のようにダバダバと流して放心状態。


 え、ええッ!?



 なにが起きているんだ、これは!!



「お、おい」

「あ、兄様! 戻られたのですね!」


「フォル、メサイアはどうなった!?」



「姉様は……破産しましたあああああああ…………」

「またギャンブルかよおおおおおお!!」



 つまりアレか、カジノで大負けして酔いつぶれていたのか。顔がゾンビみたいに真っ青で今にも死にそうだ。これ、下手すりゃ勝手に死神化しないだろうか……。


 いや、そんな場合ではないな。



「どうしましょう、兄様……」

「任せろ。こういう時は、ルクルに頼る」


 特製ポーションを作ってもらい、メサイアを復活させる。これしかないだろう。

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