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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第484話 特殊転移用のゲート『レンブラント』

 翌日。

 騎士であるシベリウスがポーション屋を訪ねてきた。

 コイツはいつも鎧姿だな。あと(ツラ)も怖い。

 本人は(にら)んでいるつもりはないらしいが、目力が強すぎる。



「まずは、おはよう」

「お、おう。シベリウス、以前の話を?」

「そうだ。お主とは一度話す必要があった。今がその時である」



 そうだ、この男はあの炎の騎士グレン・アーカムの師匠。

 アルラトゥ討伐後は、騎士たちと会う機会などなかった。ただ、最近アローラだけはレメディオスの魔導図書館で会った。

 なんだか因果のようなものを感じてしまうな。



「ここではなんだ、外の噴水広場にあるベンチでどうだ」

「よかろう」


 直ぐ近くにある木製のベンチに腰掛け、改めて話を振った。



「教えてくれ、シベリウス。グレン達は今どうしてる?」


「知らん」

「し、知らんって……。会ってないのか」


「もう十年は会っておらぬ。戦い方を教えたのは、ヤツが子供の頃だ」



 そういうことか。

 ならばと、俺はグレンと戦った過去、温泉を覗き見した過去、共闘したことを打ち明けた。

 思えば、一番はじめに戦った騎士なんだよな。



「というわけだ。アイツは元気にやっていたよ」

「風呂の覗き見をするとは……情けない」



 呆れるシベリウス。

 アイツは、スイカのことが好きだったみたいだからな。今ならこのカムランに滞在しているのにな。


「そや、このカムランを支配していたポウラは、闇の騎士アロンダイトと婚約していたと言っていたな」


「ふむ。アロンダイトか」



 (あご)をしゃくるシベリウス。なにか覚えがあるらしいな。

 光の騎士マナスとセットでアルラトゥに洗脳されていたけどな。

 今は二人ともどうしているか知らんけど。



「知ってるのか?」

「ああ。ヤツの肌は“褐色(かっしょく)”だったであろう?」



 よく覚えちゃいないがな。会ったのも随分と前だからなぁ……。

 細身でガリガリ。男前なのはなんとなく憶えている。というか、アルラトゥに洗脳されて狂人騎士だったことしか……。

 ほとんど俺が襲われていたしな。



「それがなんだ?」

「ヤツはダークエルフの子。ハーフなのだ」


「なに!? ダークエルフのハーフだったのか……」


「そうだ。故に高寿命や高魔力も遺伝しているはず。そして、闇の力も強いのだ」



 そうだな、ダークエルフと言えば『闇魔法使い』だ。闇属性をこよなく愛し、その力を行使する。


 かつてダークアヴァロンにも、ダークエルフが住んでいたっけな。


 あれは【聖地ガウェイン】だったか。


 ……ああ、思い出してきたぞ。



 元エルフの長にして、星の王クラウディオス・プトレマイオス。

 あの褐色肌のダークエルフの少女。


 そや、アイツが【死の呪い】を作ったと言っていたような……。


 そのクラウディオスも今は、どこでなにをしているやら不明だ。



「クラウディオス・プトレマイオス……」

「ほぅ。星の王の名を知っているとはな。サトル、お主は修羅の道を歩んできたようだな」


「そうさ、俺は何度も死ぬほどの地獄を味わってきた。転生も何十回したやらな」


「相当苦労しているようだな。女神や聖女、生粋のエルフ……そして聖者を連れているパーティは非常に珍しい」



 見抜かれていたか。てか、一緒に過ごしていれば解かるか。



「話を戻そう。グレンに会いたいのか?」

「我らエルフと人間では寿命が違いすぎるからな。一度くらいは会っておきたい」


「俺に探せってか」


「そうだ。幸い、このカムランには“特殊転移用のゲート”がある」


「……! ゲートだって?」



 それだよそれ! それを知りたかった!

 今、ベルが全力で探してくれているソレ!



「ああ。各聖地と繋がっているのだ」

「マジか!! 聖地アーサーへ行けるのか!?」


「そうだ」

「やった! 俺たちの目的は聖地アーサーなんだよ!」


「喜ぶのはまだ早い」

「え」


「特殊転移用のゲート『レンブラント』は、花の王ミクトラン様でなければ解放できぬ」


 がっくし項垂れるシベリウス。俺もそれを聞いて落胆――するわけがない! ミクトランでなければだと?


 おいおい、待ってくれよ。

 それはつまり“アルクトゥルス”ってことだよな。


 なら俺で十分じゃないか!


 俺はアイツであり、アイツも俺なのだから。



「俺が解放してやる」

「なにを(たわ)けたことを。人間であるお主には無理であろう」


「試してみれば解かるさ。そのゲートに案内してくれ」

「……無駄だと思うがな」

「いいから」


「仕方ない。では、西門にあるゲートへ向かおう」



 ベンチから立ち上がるシベリウスは、西門へ向かう。俺もついていく。


 これで聖地アーサーへ向かえるかもしれないな!

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