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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第477話 過剰精錬して糸を破壊せよ!

 エクサニウムということは、あの糸は『精錬』が施されているということだ。

 つまり、武具の強化。

 だから、あの糸も精錬が(・・・)可能なはず(・・・・・)だ。


 鍛冶屋(ブラックスミス)系がいれば、あの糸を“過剰精錬”して破壊することができるはず。


 過剰精錬すれば、さすがにアイテムが耐えきれずに消失(ロスト)する確率が高い。


 ここでかつてプレイしていた『サクリファイスオンライン』の知識が役に立つとはな――!



 しかし、俺の仲間に鍛冶屋(ブラックスミス)系がいない。

 メサイアは主に建築スキルしかないし、無理か。



「どうするの、サトル! このままじゃ、フォルとリース……ルクルも!」

「解かっているさ。メサイア、お前は鍛冶屋(ブラックスミス)系のエルフを探してくれ! 大至急で!」


「え……鍛冶屋(ブラックスミス)系? そんなの今探している場合!?」


「俺を信じろ! ヤツを倒す方法はそれしかないッ!」



 時間稼ぎは任せろと説得すると、メサイアは俺の言うことを聞き入れてくれた。こういう切迫している時は素直だな。


 だが、それでいい。

 俺はあのモヒカンエルフ達の攻撃に耐えればいい!



「すぐに戻るわ! サトル、死んだら絶対に許さないから!」

「大丈夫だ。俺は死なん」



 死んでも、最近は自動(かって)に蘇るからな。

 アルクトゥルス(ミクトラン)とソフィアの善意なのか、何かの企みなのか知らんけどな。だが、ありがたい。

 言い換えれば、俺は不死身。


 だから、きっと大丈夫だ。



『ビュッ……!』



 俺の横をエクサニウム製の糸が伸びていく。

 これはヤツの!

 メサイアを狙っているのか!



「誰も逃がさん。女は全員、俺様のモノだァ!!」



 野郎!!



「俺のメサイアに手を出すんじゃねえ、このモヒカン!」



 背を向け走るメサイアを(かば)うようにして俺は、糸攻撃を受けた。



「サトル!!」


「ぐっ…………」



 左肩が痛ぇ。

 糸が(わず)かに貫通しているようだ。


 なんだこの鋼のような強度……血が吸われているような。気分が悪い。



「あんた、どうして」

「いいから、行け! メサイア、お前こそが希望なんだからな!」


「う、うん……! 鍛冶屋へ行ってくるわ!」



 さすがメサイア。

 鍛冶屋(ブラックスミス)系のいる場所を解かっているじゃないか! まあ、よく考えればそこしかないよな!



「チィ。……まあいい、男。サトルとか言ったな」

「気安く呼ぶんじゃねぇよ、モヒカン」


「ンダォ!? 俺様にはスパイラルドという立派な名前がアンだよ!!」



 糸に魔力を込めたのか、俺の血が吸われていた。

 ……気のせいじゃなかった。


 この糸は吸血能力がついているのか!



「…………っ!」

「ほぉ! 俺様の特殊スキル『ブラッドサッカー』を耐えるヤツがいるとはなァ」



 スパイラルドは、わざわざスキルの詳細を教えてくれやがった。



【ブラッドサッカー】

【詳細】

 吸血スキル。

 対象が生物である場合、血と微量の魔力を吸い取る。

 一定の血を失った対象は死に至る。



「なるほど、マジの吸血か……」

「お前、このままだと死ぬぜぇ?」


「このままなら、な!」



 俺はそのまま前進していく。

 ゆっくりと一歩ずつ。



「なッ……! 貴様、正気か! 全ての血を失うぞ!!」


「俺の血? いくらでもくれてやる! だが、仲間の血は一滴たりとも流させはしないッ!!」



 誰かのおかげが痛覚が遮断されていた。これなら、痛くはない。


 俺は進み続ける。


 あの男をぶっ倒すまで!



「バ、バケモノかコイツ!」


「こんな時にオートスキルが発動しないなんて、お前運がいいな」



 オートスキルには発動確率がある。

 多分、90%はある。

 通常はほぼ発動するが、まさかここでハズレの10%を引くとはな。



「知るかッ! 死ねぇッ!」



 俺の血を全て吸い尽くす気なのか、スパイラルドは魔力を高めていた。……マズいか!?


 そんな時、空から何か気配を感じた。



「んおおおおおおおおおお!!」



 何かが叫び、スパイラルドの取り巻きをなぎ倒していた。



『ブゥンッ!』



 凄まじい旋風がモブモヒカンを吹き飛ばし、確実なダメージを与えていた。




「「うぎゃあああああああああああ!!」」




 こ、これは!?



「なんだァ!?」



 さすがのスパイラルドも驚いていた。


 現れたのは……まさか!




「待たせたな! サトル!」


「……って、シベリウスかよ!」



 昨日、俺に付きまとってきたグレンの師匠・シベリウス。俺を探していたのだろうか。駆けつけてくれてありがたいが!


 できればメサイアが良かったけどな。




「雑魚は倒した。あとはそこの男だけだな!」

「助かったけど、ソイツだけ異様に強いぞ!」


「ほう。糸使いか……珍しい能力だ。降参だ」


「は……? 何しに来たんだよ、お前!? てか、戦ってもないのに降参とか早すぎだろ!」


「だって、あれは明らかに強いんだもん」



 マジかよ。シベリウスほどの騎士がビビるくらい、あのスパイラルドは強いのか。確かに、俺自身も珍しく追い詰められているけどな。


 呆然と立ち尽くしていると、メサイアの声が響いた。



「サトル! 鍛冶屋(ブラックスミス)系を連れてきたわ!」



 振り向くと、そこには……え、誰もいないぞ!?




「メサイア、鍛冶屋(ブラックスミス)はどうした!?」


「ここにいるのよ!!」


「え? どこに?」


「わたしよ、わたし!!」



「――は?」



「忘れていたんだけど、わたしって精錬スキル持ってたわ!」

「持ってたんかい!!」



 そういえば以前、メサイアは何千個ものスキルを習得できるようになったと言っていたような気がする。その中に精錬スキルも混じっていたのか。なるほどね。


 だから、習得すれば使えるというワケだ。



「だからね、今から糸を過剰精錬してぶっ壊してやるわ!!」


「よっしゃー! やっちまえ、メサイア!」


「これで!! ――って、エクサニウムがないわ!!」



「ああああああああああああああ……!!」




 肝心の製錬アイテム『エクサニウム』がねええええええええ!!

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