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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第472話 火属性魔法ファイアーボルト十連

 俺は一人で再びメサイアのいる現場へ戻った。

 ルクルの土地には、多くの『自販機』が設置されていた。……おぉ、スゲェ。

 ズラリと並ぶ光景は圧巻だった。


「よう、メサイア。お疲れ様」

「……疲れたわ。もうクタクタよ」


 汚れることおかまいなしで地面に大の字で倒れるメサイア。よくやってくれたよ、本当に。


「感謝する。ありがとうな」

「ふ、ふん。別に……あんたの為にがんばったんじゃないんだからねッ!」


 なんだその古臭いツンデレ。

 まあ可愛いけどさ。


「フォルがおでんを作ってくれた。メサイアも食べたらどうだ?」

「食べるっ! お腹空いたもん!」



 飯と聞いて立ち上がるメサイアは、瞳を星のように輝かせていた。さっきの疲れはどこへ……?

 どのみち、メサイアにも試食してもらわないとな。


 いったん、ルクルの家を目指す。



「ところで、おでんの缶は出来たのか?」

「自販機の製造で魔力切れだし、そんなの後回しよ。とりあえず、おでん食べたい」

「仕方ないな。解かった。食ったら缶を作ってくれよ」


「任せなさい! ……と、いいたところだけど空腹で倒れそう……」



 その場に液体となって倒れるメサイア。おいおい!

 こうなったら動けないな。


 やれやれ。俺が支えてやらないとダメなんだから、この女神様は。



「おんぶいしていく」

「え、ちょ……」



 頬を赤くして瞳を潤ませるメサイア。恥ずかしそうにしていた。俺だって恥ずかしいけどな。でもこうしないと運べないのさ。



「残念ながら、先にリースをお姫様抱っこしたからな。お前はおんぶだ」

「なによ、その扱い。私もお姫様抱っこにして大切にしなさいよっ」


「いやだって、その方が密着できるし」

「ば、ばかっ」


 なんだかんだ言いながらもメサイアは俺の背中に乗ってきた。柔らかい感触が背中に伝わってきた。

 しかし、軽いなコイツ。



 メサイアを担ぎながら――いや、おんぶしながらルクルの家を目指すと道中で止められた。



「まてい!」

「……ん?」



 そこには騎士の格好をした男のエルフがいた。

 なんだ、コイツ。



「貴様だな、ポウラの仲間というのは!」

「はい?」


「よくもカムランを!!」



 いきなり剣で切りかかってくる騎士。いやいや、おかしいって。

 俺このカムランを救ったんだがな。



「ポウラを倒したのは俺だ」

「ふざけるな! お前のような軟弱者がポウラを倒した!? あえりぬ!」


「って、言われてもなぁ」



 面倒くせぇなあ。

 ただでさえ、メサイアを抱えているってーのに。


 けどいいか、俺の場合は【超覚醒オートスキル】で自動に攻撃できるからな!!


 敵意を向けられれば当然、オートスキルが反応を示す。



 水属性魔法『ヒドゥンクレバス』が発動し、氷がエルフの騎士を襲った。



「ぎょおおおおお!? な、なんだァ!? う、腕が凍った!」

「だから止めておけと――は、言ってないな」


「よくも!! こうなれば……!」



 突然、エルフの騎士の腕が燃え上がり、ヒドゥンクレバスの凍結が解除された。バリンと氷が砕け散った。マジかよ!



「火の魔法か!」

「そう、私は火属性魔法の使い手……! 貴様に地獄を見せてやろう!」


「地獄だって?」


「そうだ。喰らうがいいッ! ファイアーボルト十連ッ!!」



 あれは『炎の騎士グレン・アーカム』の“七連”を超える――十連だと!?


 剣から放たれる槍のような火の塊。

 それがこっちに向かってきていた。


 当然、俺の【超覚醒オートスキル】も反撃を開始する。


 またもヒドゥンクレバスが発動するが、ファイアーボルト十連を前に溶かされた。……チッ、ダメか。



 少々面倒だが、(いさぎよ)く回避していく。




「……サトル、いつの間に戦っていたのよ」

「メサイア、気を失っていたのか」

「ええ、空腹でね」


「そうか。戦闘でちょっと揺れるかもしれんが。嫌なら降ろすぞ」

「降ろしたら、あんたの股間に噛みついてやる」

「……解かった。このまま戦う」



 さすがに俺の股間を破壊されちゃ困るからな。



「なにをやっている、この軟弱者ッ!」

「人をそんな風に呼ぶな!」



 このエルフを倒さねば、ルクルの家に辿り着けない。ならば本気でいくしかない!



「所詮お前は水属性魔法しか使えぬ人間! これでオシマイだ。最大出力――ファイアーボルト三十連!!」



 ファイアーボルトをいきなり三十連だと!?


 おいおい、どうなってやがる。



「な……あのグレン・アーカムを超えてるじゃねぇか!」

「炭となって消えるがいいッ――って、なにぃ!?」



 エルフの騎士は攻撃を辞めていた。

 なぜか驚いて固まっていたんだ。



「どうした?」

「お前、今……グレン・アーカムと言ったか?」


「ああ。それがどうした?」

「……まさかあの男を知っているヤツがいたとはな!」


「へ?」


「ヤツは我が弟子でね。馬鹿弟子が……ロクに顔も出さず、どこで何をしているのやら」


 ブツブツと愚痴を漏らす騎士。ちょ、まて……これは容疑が晴れたということでいいのか?


「戦わなくていいのか?」

「すまぬ。勘違いだったようだ!」


「え」


「グレン・アーカムを知る者に出会えるとはな。もしや、その妹も」

「あ、ああ……一緒に旅をしたことがあるからな」


「ほう、アグニ・アーカムも。ならば、お前は味方だ!!」



 えぇ……さっきまでの敵意がまるでなくなった。騎士は俺たちについてくるという。なんでそうなるんだよ。


 しかし、グレン・アーカムに師匠がいたとはなぁ。

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