第460話 アイテムショップでルーンストーンを購入せよ!
「ルーンストーンですか。それならアイテムショップで売っているかと」
スイカがそう説明してくれたおかげで、入手先が分かった。
そうだったのか。普段、あんまりショップを利用しないから知らなかったな。
「ありがとう、スイカ。それじゃ、買いに行ってくるよ」
「あたしも同行します。ポウラ討伐の目的は一致していますし」
「それもそうだな。リースも構わないよな?」
視線を向けると、リースは「歓迎です!」と頷いてくれた。ならば、俺含めて三人パーティだ。
ポウラ相手なら人数は多い方がいい。
またあの巨人のおっさんを召喚されるだろうし、その時はスイカの出番かもしれない。
いったん俺たちも昼飯に。
オムライスをいただき、そしてアイテムショップへ。
閑散としたカムランの街中を歩き、アイテムショップの看板を発見。ノックして中へ。
「……い、いらっしゃいませ」
やはりというか、店員のエルフは怯えて土下座していた。……ポウラの影響だな。
「俺たちは普通の冒険者だ」
「お、おや。これはお見苦しいところを……冒険者さんは珍しいもので」
ジイさんエルフは立ち上がり、接客を始めた。俺は『ルーンストーン』がないか聞いた。
「在庫あるかな?」
「ルーンストーンならございます!」
「おぉ!」
これでディスペルの触媒にできるな!
みんなを元に戻せるぞ。
「ですが、ポウラがカムランを占領してから入荷が少なくっておりましてね……。申し訳ございませんが、現在の相場で1個10,000セルとさせていただきます」
「10,000セル!? そんなに高いのか」
「大変心苦しいですが、商売なので……」
しまったなぁ、手持ちはないぞ。
これまで倒したモンスターの収集品を売却処分するしか。あと不要な装備も結構あるしな。
「じゃあ、先に買い取りを頼む」
「承知致しました。……そうですね、85,000セルですね」
思ったよりはお金にならなかったな。
まあいい、それでもルーンストーンを購入できるはず。
「あ、あのサトルさん!」
「どうした、リース」
「あ、あたしの……ヘソクリを使ってください」
「え? リースのヘソクリを?」
「100,000セルありますから」
「いやぁ、さすがに悪いよ」
「いいんです。こういう時こそ使わないとですから。フォルちゃん達の為にも」
そこまで言うのならと俺は、リースのヘソクリを受け取った。もちろん、次回稼げる機会があればお返しすることを約束した。
今は緊急事態につき、許せリース。
「では、あたしもカンパします」
「え、スイカも?」
「30,000セルですけれどね」
「十分だよ!」
よし、これでルーンストーンを結構購入できるぞ。
結果、21個の石を購入。
これだけあれば、ほとんどの被害者を戻せるのではないだろうか。
ルーンストーンをリースに託した。
「ありがとうございます、サトルさん」
「いや、いいんだ。先にメサイアたちを元に戻そう」
「賛成です!」
アイテムショップを去り、今度はメサイア達のいるポーション屋へ向かう。これで男から女に戻せるぞ!
早く、女の子に戻ってもらいたい。
男のメサイアとかフォル、ベルを見たくないし……永久に男は最悪すぎるぜ。さすがの俺もそんなみんなを愛せるかどうか……! つか、想像しただけでトンデモない!
なんとか戻さねば!!
街中を急いで歩いていく途中で、それは起きた。
『…………!』
怪光線が降ってきて、それがリースに当たりそうになった。こ、これは『ペルソナ・ノン・グラータ』か――!
「させるかってーの!!」
瞬間で俺が盾になった。
「サトルさん!」
「大丈夫だ。俺は女にはならん!」
「ということは、ペルソナ・ノン・グラータ!」
「ああ、ポウラが屋根から放ってきたんだ」
隠れながら攻撃してくるとは、なんと卑怯な!
つか、身近なところにいたとはな。
てっきり遠くに逃げたと思ったが……。いいだろう、ここで戦うなら戦ってやる。そろそろ決着をつけたいと思っていた頃だ。
「なるほど、今の攻撃が性別変換のペルソナ・ノン・グラータですね」
「そうだ、スイカ。君もあれば浴びれば男の子になるぞ!」
「それは嫌ですね。では、まずあたしが攻撃を」
久しぶりにスイカの魔法が見れるのか!
そうだな、まずは不羈の魔法使いであるスイカの実力がどんなものか一度拝見してみるのも一興だろう。
さて、どんな魔法を使うんだ……?
 




