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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第458話 掃除スキルでディスペルをレベルアップできるようです

 カムランの街は、変わらず人の気配がない。

 昼の時間帯なのに、こう誰もいないと不気味すぎるな。


 こんな状況の中でディスペルのレベルアップ方法を探る……? めちゃくちゃ難易度が高いんじゃないか、コレ。


「……あ、サトルさん。あっちの通路には人の気配がありますよ」


 エルフの気配には敏感(びんかん)のリースは、裏路地を指さした。ほう、そっちにね。

 気になったので向かってみた。


 やや狭い通路だが、確かにエルフがいた


 なるほど、見つからないようコッソリ移動はしているようだな。生活もあるだろうし、大変だ。

 俺は気になってエルフに声を掛けてみた。



「あの……」

「ひぃ! どうかお仕置きはご勘弁をぉ……って、誰です?」


「俺はサトル。このゆるふわ可愛い系エルフのリースと共に、ある魔法のレベルアップを探っているんだ」


「あ、もしかしてユーモレスク宮殿から同胞を救ってくださった?」


 どうやら、俺たちのことはもう噂になっているらしい。おかげで詳しい説明は省いてよさそうだな。


「そんなところだ。ディスペルに詳しい奴はいないか?」

「それならばエルフ族ではありませんが『不羈(フキ)魔法使い』はいかがでしょうか?」


「不羈魔法使い?」


 どこかで聞いた覚えがあるな。


「はい。今日先ほど到着された偉大な魔法使いです。ポウラ討伐の為に一役買って下さったそうなのですが、現在は食事をされているようで」


「ふむ。どこだ?」

「このお店です」


 エルフの指さす方向。すぐ目の前の建物だった。

 そんなところにいるのか、その不羈の魔法使いというヤツ。……てか、なんかやっぱり覚えがあるぞ。


 まさかな?


 扉を開け、中に入る。


 建物内は酒場のように薄暗く、大人な雰囲気。

 中を通っていくとカウンター席でオムライスを食べる魔法使いの姿があった。

 あの大きな帽子、マントの背中は間違いないだろう。


 俺はその魔法使いの隣の席に座った。



「あんたが『不羈魔法使い』か?」

「…………」



 少女は、俺を驚いたような表情を向け――美しい緑色の瞳を向けた。


 アレ。


 この娘、どこかで……?



 過去の記憶を探る。

 アレはそう――花の都フリージアのお城で……!



『ある伝説を残した賢者の娘。不羈(フキ)魔法使い『スイカ』。古き歴史を持つ炎の使い手、アーカム家の長女『アグニ・アーカム』――』



 元王ミクトラン(アルクトゥルス)の言葉が脳内で再生された。


 ――あ。


 あ、


 ああああああああああああああああああああ……!!



「スイカさんでは!?」



 俺よりも先にリースがその名を口にした。

 そういえば、度々一緒にパーティで戦っていたし、面識はあったな。



 この黄緑髪の少女は間違いない。

 不羈魔法使い『スイカ』だ。


 多分、半年以上振りだろうか。ほとんど変わってないな。いや、当時のままだ。こう言っては失礼だが変化なし。



「スイカ! 久しぶりじゃないか!」

「お久しぶりです、サトルさん」


 以前よりは落ち着きがある口調でスイカは視線を向ける。

 なるほど、少し大人びたようだな。


「あの、あたしは……」

「もちろん憶えていますよ、リースさん」

「よかった!」


 二人は微笑みあっていた。かつての戦友みたいなものだからな。


「サトルさん。あたしのこと、忘れていなかったんですね」

「すまん、さっき思い出した」

「構いません。いろいろあったでしょうから」

「ああ、転生して聖女になったりいろいろな。その時、記憶がぶっ飛んだんでね」


「それで、サトルさんたちもポウラの討伐に?」

「そうだな。本来の目的は『聖地アーサー』へ向かうことなんだが、問題山積みでね。今はポウラの撃破が優先だ」


「ですが、性別変換スキル『ペルソナ・ノン・グラータ』によって阻まれているんですね」


 もう把握済みだったか。話が早くて助かる。

 俺は、これまでの経緯を説明。

 スイカは真剣な表情で聞いてくれた。



「というわけだ。ディスペルの強化が必要なんだ」

「それで、あたしを頼りに、と」

「ああ、賢者の娘で魔法使いの君なら、なにか詳しいことを知っているんじゃないか?」


 そう質問を投げると、スイカはしばらく固まって考えているような素振りを見せた。あるのかないのか分からん表情だ。

 今は答えを待つしかない。


 頼むぞ、スイカ。


 そして、ついに答えが返ってきた。



「ないことはないです」

「それはつまり、探せばあるってことだな!?」


「はい」


「よし! それでもいい。教えてくれ」

「それは……」



「「それは!?」」



 俺とリースの声が重なる。

 その条件がついに判明した。



「お掃除スキルのカンストです」



「「……え?」」



 またも声が重なった。



「ディスペル習得の前提条件がそもそも『掃除スキル』なのです。これをカンストさせ、更に【覚醒掃除スキル】を習得してください。……ですが、これを達成できた者は世界で一人もいませんが」



 掃除スキルだって?

 それって、リースの最も得意とするスキルでは?



「リース、掃除スキルのレベルは?」

「そ、そういえば、ずっと戦闘続きでまともに振っていなかったです。今は『掃除スキル Lv.80』でした」


「掃除スキル Lv.80って、なかなかだな。カンストには近い。スキルポイントはあるのか?」

「はい。沢山! 直ぐにカンストできるかと!」



 今まで散々モンスターを討伐したり、強敵と戦ってきたりしたからな。余りまくっていたんだろうな。

 その状況にスイカは驚いていた。



「リ、リースさんっていったい何者なんですか……! 普通、掃除スキルを習得する人はいませんよ!?」


「リースは元々俺と似ていて面倒くさがりなんだ。ひきこもりだし」

「えぇ……」



 だからだろうな、掃除スキルのレベルが馬鹿高い。掃除スキルがあれば一撃で片付くからなぁ。あともともと掃除好きなのもあるらしいが。

 簡単に片付く、そして綺麗になるからこそ掃除スキルを極めたのだとか。



「あたし、ディスペルの為に掃除スキルをカンストさせます!」

「頼んだぞ、リース!」



 よぉし、これで一気に前進するな!

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