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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第444話 裸の神王と女神

 メサイアの作った小屋は岩のように頑丈(がんじょう)だ。

 おかげで倒壊することなく安全に過ごすことができた。


 凍死することなく無事に朝を迎え、外の天候も良好に。猛吹雪(ブリザード)は過ぎ去った。


 昨晩は人肌(リースとフォル)のおかげで温かかったし、寝心地も最高だったなぁ……。


 みんなはまだ眠っている。

 俺はそっと起き上がり、シャワーでも浴びることにした。


 この小屋はメサイアの【建築スキル】によって、なかなか広くて家のような機能性が備わっている。


 トイレも風呂もあるし、キッチンもある。

 おかげで不便なく暮らせているわけだ。

 ありがたいことだねッ。



 ――というワケで俺は、朝シャワーを浴びに浴室へ向かった。



 脱衣所で服を脱ぎ、シャワー室の扉を開け…………え?



「……? サトル、あ、あんた……」

「メサイア! なんだ、入っていたのか」



 しまった、まったく気づかなかった。メサイアのヤツ、シャワーを浴びていたのかよ。当然だが全裸だった。俺もだけど。


 メサイアは俺の股の方へ視線を落とし、(みにく)いオークでも見るかのような表情を作った。おい、どんな顔だよソレ。



「へー、ふーん」

「ちょ、おま……どういう意味だ」


「別に」



 と、俺の横を素通りしていくメサイア。よく見ると耳まで赤くなっていた。もしかして無理していたのか……!?


 シャワーを浴び、スッキリした。

 こんな山奥でお湯を浴びれるなんて最高だなぁ。

 リースの魔法スキルの補助で雪を溶かしているらしいが。


 みんなまだ眠っているので、俺は外の様子を見に。


 メサイアもついてきた。



「ん、一緒に来るのか?」

「ま、まあね」

「てか、顔が赤くないか?」

「う、うっさいわ! 朝っぱらからヘンなもの見せつけられたせいよ!」


 ヘンなものってヒドイなぁ。

 これでも自慢の息子なんだぜ。

 やれやれと思いながらも、先へ進む。

 足跡ひとつない雪原が広がり、白一色だった。すげえ……てか、寒い。



『…………!』



 まずは散歩だな。

 周辺に危険なモンスターがいないかもチェックだ。



「メサイア、迷子になるなよ」

「フォルじゃあるまいし」


 ぶ~と、妙に頬を膨らませるメサイアは、ちょっと機嫌が悪そうだった。



『……!!』



 それにしても、なんか付いてきているような。



「なあ、メサイア」

「なによ」

「お前の体、エロかったぜ」


「ぶっ飛ばす!!」



 ブチギレるメサイアは、白色に光る手のひらを向けてくる。やっべえ、必殺スキルを発動してやがる。くらったら重症だぞ、それは!



「冗談だって!」

「そうだったわ。裸を見られたの忘れてたっ!」


「今更思い出すなよ!? もうニ十分も前のことじゃないか!」


「それでも!」



 メサイアは、走って追いかけてくる。そんな鬼みたいに!

 走りづらいが雪の上を駆けていく――って、無理ぃ! 雪が深い。ズボズボと足が取られて進みづらい。かんじき、スパイク、アイゼン、スノーシューズなんでもいい……安定して歩けるモノが欲しいな!



「まて! 女体は見慣れているんだ。だからな、別になんとも思わなかった!」



 そうだ、俺には聖女の体・ヘデラがいるからなぁ。朝、メサイアの全裸を目撃しても、ピクリとも反応しなかった。以前の俺ならありえないな。



「どういう意味よ、それ!! 許せないわ!!」


「ええッ!?」


女神(わたし)の体で興奮しないとかあああああああ!!」



 なんでえええ!?

 そんな理不尽なッ!


 怒り爆発のメサイアは、十分な魔力が溜まったのか俺に手のひらを向け『シャイン・ブレイズ・フィンガー』を放ってきた。



 うぉい!!



 ズゴォォォォォっとトンでもない轟音と共に、これまたトンでもない魔力の塊が俺に迫ってきた。


 ぴょんと跳躍(ジャンプ)して回避する俺。

 なんとかメサイアの大技スキルを(かわ)した。


 しかし、いつの間にかいたらしいモンスターにその大技が激突。



『ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!』



 そや、さっきから俺の周りをウロチョロしている気配があると思ったら……モンスターの『雪男』だったのかよ。


 白いモコモコの人型が空高く舞っていく。



 【 雪男を討伐しました 】


  = リザルト =

 【 13,000 の 経験値 を 獲得しました 】

 【 10セル を 入手しました 】

 【 雪男の毛 × 10個 を 入手しました 】



 おや、リザルトも出たな。

 なんだか久しぶりに出たような。

 ああ、そうか。モンスターなんてあんまり狩っていなかったしな。当然か。



「ナイス、メサイア!」

「はぁ!? ナイスって……ん、今のモンスターだったのね」

「そうだ。危険を排除したんだ」


「って、誤魔化すんじゃないわよ。裸を見た罪を償え~~~!」



 まだ怒ってるし。

 こりゃ機嫌を取り戻して貰わないと大変だ。仕方ないので俺はメサイアの手を握った。


「まて」

「……っ! サ、サトル。……顔が近いって」

「すまなかった。実は興奮していたんだ」


「え……! ほんと?」

「ああ。恥ずかしくて本当のことを言えなかった」


「そっかそっか。ならいいわ!」



 ニコッと笑うメサイアは機嫌を取り戻していた。単純で助かるぜ。



「……ふぅ」

「ん?」

「いや、なんでもないさ。ところで、ここって『ケントゥリア』じゃないか?」


「あ……」



 前の前には大きな山があった。

 この先の(ふもと)では、パーティやギルドが今も拠点にしているのだろうか。少し気になるな。



「ちょっと寄ってみるか」

「そうね。様子を見に行くくらいなら」



 そういえば、メサイアと二人きりで歩き回るのも久しぶりだな。たまにはいいな。

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