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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第436話 人探しの魔導書

 この赤い本が『人探しの魔導書』か。

 カローラに使い方を聞くと、適当なページを開いて“探したい人の顔や名前”を浮かべればいいらしい。そんな単純でいいとはな。


 そんなワケで俺はフォルの顔と名前を浮かべた。


 すると真っ白なページに【鉄の街】と書かれていた。



「――は?」



 鉄の街だと……?


 もしかして『鉄の街ジャービス』か?


 あの街、まだ存在したのかよ!



「どうしたの、パパ」

「あ、いや……この鉄の街に覚えがあってな」

「へえ? って、結構近くよね、ココ」


 ネメシアも知っているようだ。そりゃ、そうだな。このレメディオスはかつて【花の都フリージア】だった。


 だが、俺がスターゲイザーなるアホ集団に消されてしまい、謎の七回の転生を繰り返している間に、紆余曲折(うよきょくせつ)あり……花の都は消失。

 王であるミクトラン(アルクトゥルス)は俺に全てを託して消えた。


 だから、今はカルミア女王の君臨する王国『レメディオス』なんだ。


 しかし、周辺の街はそれほど変化はなかったらしい。気づかなかったな。



 俺たちはカローラに礼を言って魔導図書館を去った。



 超絶久しぶりに『鉄の街ジャービス』へ行ってみっか!

 そこにフォルがいる可能性が非常に高い。いや、きっといるはず。人探しの魔導書がそこだって言っているんだからな――!



 ◆



【鉄の街ジャービス】


 昔に比べ、ずいぶんと寂れた街がそこにはあった。と、いっても当時もこんなモンだった気がしないでもないが。


 街中を歩いていると、アフロヘアのオッサンが爆走して来た。



「おまえの神はどこにいる! おまえの神はどこにいる! おまえの神はどこにいるうううううううう!!」



「な、なんですか、あのオジさん!」



 俺の頭上で慌てるエコ。

 うわぁ……懐かしいな。あのアフロヘアのオッサン、元気だったんだな。特徴的すぎてさすがに憶えていた。


 しかも前よりもパワーアップしていないか、アフロが!



「おまえの神はどこにいる!!」

「知らんがな」



 結局、このオッサンは何だったんだろうな。当時は完全にスルーしていたが。



「ねえ、パパ。この人、知り合い?」

「昔に(から)まれただけだ」

「ふーん」


 ネメシアは、めちゃくちゃ興味なさそうに返事した。ですよねえ~!


「おまえの神はどこにいる……」

「あ? 俺は神だ!」


「……そうか。ならいい」

「いいのかよ!!」



 って、前にもこんなヤリトリをしたような。



「あの~、この辺りにこの銀髪の女の子に似た女性を見ませんでした? 多分、見た目がほとんど同じですが」



 と、ネメシアはアフロヘアのオッサンに尋ねた。



「おまえの神は――うぉ!? 女神様ァ!」



 なんで分かるんだよ。そうだよ、ネメシアは立派な女神だよ!



「で、あの……」

「取り乱しました、スミマセンでした」


 ぺこぺこと謝るオッサン。そりゃいいから教えてくれ。


「どうなの?」

「はい。実は知っています」

「え! フォルトゥナ母様を知っているのね!」

「こちらへどうぞ……」


 アフロヘアのオッサンは、背を向けて案内してくれるようだった。……むぅ、なんだろうな。なにか嫌な予感がする。



 なんだろうな、この感覚。



 久しぶりに背筋が凍ってやがる。俺らしくねえ。



「どうした」


 光のない瞳で俺を心配するトーチカ。コイツの冷静な表情には助けられる。



「ありがとう、トーチカ」

「……うん。ヘデラ、元気なかったから」

「いざとなったら頼りにしてるぜ」

「任せて」



 きっと大丈夫だ。昔の俺とは違う。ネメシアとトーチカ、そしてエコがいる。なんなら、メサイア達もな!

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