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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第430話 婚約なんてする気ない!

 フォルは、きっとグロリアステレポートをミスって見知らぬ土地に転移してしまったんだろうなぁ……。まったく、おっちょこちょいというか、失敗を学ばないヤツだ。しかし、そういうところは可愛くもある。

 そう、バカな子ほど可愛いともいう。女子限定だがな!



「ハハハ! ひとり勝手に消えたか。まさかテレポートできる仲間がいたとは思わなかったが、それも失敗に終わった。馬鹿な女だ!」


 宙に浮く将軍ルキウスは、分かりやすくあざ笑っていた。……あぁん!? フォルを馬鹿にするんじゃねえ。

 少しヘンタイな性格もあるけれど、馬鹿ではない。性格が真っ直ぐな脳筋聖女なだけだ。だから接近戦で戦うんだろうけどな。



「ゆ、許せません!!」



 急に『ウガー!』とブチギレるリース。


「……んぉ、どうした!?」

「サトルさん。フォルちゃんを馬鹿にされて、あたし……すっごく怒ってます!!」



 こんなにプンプンと激怒(げきど)するリースは、本当に珍しい。けど、そうだな。リースはフォルと仲が良いし、友達が馬鹿にされていい気分になるはずがない。俺もそうだ。


 今、全身から“怒り”が湧き出ていた。



 あの男は許してはいけない。人をあまりにも馬鹿にしすぎだ。



 怒りに燃える俺とリースは、ルキウスに敵意を向けた。メサイアは寝た。――寝るな!!



「Zzz……」

「うぉい、メサイア!」


「――はっ。ごめんごめん、話が長くて……」


「お前なッ! 仲間が侮辱されたんだぞ! 許せねえだろ!?」


「なんですってえええええええええ!!」



 メサイアもいきなりブチギレた。


 そして、ベルは――うん、冷静だった。



「いやぁ、これでもかなり怒ってるよ。てかね、あんな最低男さっさとぶっ潰すべきだねー」



 よぉし! 意見は完全に一致した。ルキウスを(ひつぎ)に直送してやることにした。ズタズタのギタギタのボコボコにしてやろう。


 フォルの(かたき)を取るためにも!(死んでないけど!)



「この私を倒す!? それは不可能だな! 貴様たちがどんな力を持とうが、この私には敵わん! 賢者の力で()じ伏せてやろう……!」



 空から優雅に降りてくるルキウス。堂々と手を広げ、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)といった感じだな。

 どぉれ、少し手合わせしてみますか。


 俺は一歩前へ出た。



「よろしく、ルキウス」

「ほう。男、貴様のようなゴミカスが相手を? 笑わせてくれ――ぐおおおおおおおおおおお!?」



 笑われる前に【超覚醒オートスキル】が発動した。多分、悪口に反応したんだろうな。

 久しぶりに聖属性魔法攻撃『オーディール』が放たれ、光の聖櫃(アーク)が群を成してルキウスに激突。

 確かな手応えを感じた――。



「おぉ~! サトルさん、さっすがです!!」



 バンザーイと喜ぶリース。そう褒められると照れるっていうか、素直に嬉しいねっ。

 あまりに嬉しかったんで、俺はリースと抱擁(ほうよう)を交わす。



「戦闘中になにしてるのかな~、理くん」



 ベルから肩を掴まれた。おや、表情には出ていないものの()いてんのか? しかし、一理ある。喜びを分かち合うのは後にしよう。



「さて……ルキウス!」


「…………ぐッ。サトルとか言ったな。貴様、何者だ……!?」



 顔を負傷したのかルキウスは、明らかに顔を真っ赤にしていた。おやおや、怒り心頭って感じで怖いね。怖くないけど。



「俺の名は、彼岸花(ひがんばな) (さとる)。ただの中年のオッサンさ」

「オッサンだと? そうは見えない容姿だが……いったい、いくつなんだお前は」


「歳なんて忘れちまったし、関係ねぇよ。元気で(すこ)やかに毎日楽しく生きたもん勝ちさ。それが俺なんだが」


 それに、メサイアたちがいるからな。退屈しねえぜ?



「そうか、ならば死ねッ!」



 急なヤツだな。俺の言葉はコイツの鼓膜(こまく)どころから外耳(がいじ)にも届かない。というか、共感なんてしてもらえないだろうと思ったけどな。

 まあいい、俺は俺のやり方でコイツを滅するだけだ。


 闇の力を借りようとしたが――ベルが盾をブン投げていた。



「てやあぁッ!!」



 巨大な盾を軽々と遠投。立ち尽くすルキウスに衝突する寸前で『防御魔法(シールド)』でガードされた。さすがに展開したか。



「……ベル。なぜ、私と婚約しない! そんな男より、私の方が魅力的だと思わんか!?」

「思わない。婚約なんてする気ないし。わたしは自分で相手を見つけるよ。……見つかっているんだけどね」


「なぜだ。金も力も……そして、将軍という地位もあるこの私の何が気に入らんというのか!」


「単純に好みじゃないってことだよ」


「聞く耳もたん!」



 ルキウスの野郎。都合の悪い情報は全部シャットアウトかよ。そうやって自分勝手に振舞ってきたんだろうな。だから、あんな『貧民街』を作り上げたのだろう。


 もういい、今度こそぶちのめす。


 右手を向けようとすると、ルキウスの前に意外な人物が立っていた。……いつの間に! てか、生きていたのかよ!

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