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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第415話 クァンタムの街:居酒屋

「どういうことだ。教えろ」

「そ、それは……」


 魔物の話によれば――。

 ファインマン・ダイアグラム自体は、聖地コンスタンティンの貴族らしい。

 死にかけていたところを魔物は乗り移り、体を得たのだという。そして、このクァンタムに逃れて悪さを働いていたというわけだ。


 だが、結果はこの惨状。

 連れ去った女性達は気と欲が強すぎて、魔物でも手を焼いているようだ。


「ふむ。じゃあ、どうする」

「……だから連れ帰ってくれ。もしくは街の連中を連れてきて説得を頼みたい」

「マジかよ。もう解決じゃん」


 戦うまでもなかったのか。

 いや、こうなっては戦っても無意味だ。

 フォルも呆れていた。


「兄様。街へ戻りましょう」

「そうだな。女性達は動く気無さそうだし」



 いったん撤退し、クァンタムの街へ。

 俺たちは依頼主であるジイさんたちに事情を説明した。



「――というわけだ、ジイさん。パリティ高原の向こうの洞窟で娘たちは生きてるし、連れ戻せるぞ」

「おぉ! ありがとうございます!!



 娘をさらわれた街の人たちは、洞窟へ向かった。だが、それでも娘たちは戻らなかったらしい……。

 それほどのあの洞窟が居心地よくなっちまったんだな。



 後の事は任せ、俺とフォルはメサイアたちを待つことに。



 クァンタムの街を歩いて飲食店を探した。ぐるぐる歩いてようやく酒場を発見。そこへ入った。



「ここしかないとはな」

「ほとんどの方が娘さんたちを迎えに行ってしまったようです。空いている店がここしかないとか」


 未だに交渉が続いているとかなんとか。大変だねえ。


 酒場のマスターに酒とドラゴン肉を注文。

 しばらくしてテーブルに品が届いた。


「ご注文のバーボンとレッドドラゴン肉だ」


 久しぶりの酒。

 それと高級肉と名高いレッドドラゴンのステーキ。贅沢だねえ。



「兄様、こんな贅沢をいいのですか!?」

「たまにはいいだろ。ほら、どうせメサイア達がまだ来ないし」

「そ、それもそうですね……!」


 まだ到着まで掛かるようだし、それまでこの街でまったりしていよう。


 酒と肉を楽しみ、幸せを感じている俺。

 仕事をしたあとの飯は格別だ。

 美味い、美味すぎる……!


 フォルも酒に酔ってきたのか、顔を赤くしていた。

 聖女が飲酒しちゃっていいのか疑問だったが、もう過去に何度も飲んでいるし今更だった。

 それにこんな幸せそうな表情を見せられてはな。


「どうだ、美味いか」

「はい~。兄様の顔がグニャグニャしていますけれど……えへへ」

「酔い過ぎだろ」


 ちなみに俺は酒にめっぽう強い。

 神属性になってから、ほとんど酔わなくなった。


「兄様~…」

「おいおい」


 ゆっくりと酒を嗜んでいると、後ろの席から声がした。



「……ふぅ。ようやく落ち着けました。ここだけですよ、ひとりで過ごせる場所は」

「ん? ――って、ファインマン・ダイアグラム! なんでいるんだよ!」



 なぜかファインマン・ダイアグラムが酒を飲んでいた。いつの間に!



「なぜって? もう終わったからです。私はゆっくりしたい……」

「なんだか切実だな」

「それにしても、あなたはなぜ聖女と共に旅を?」


「仲間とはぐれてしまってね。合流して聖地へ向かうところだった」


「……ほう。聖地へ……ですか」


「邪魔すんなよ。お前、一応魔物だからな。フォルに浄化されても知らねえぞ」

「……そ、それは困りますね」


 フォルを見てゾッとするファインマン・ダイアグラム。まあ、コイツは一応人さらいだからな。俺が監視しておくか。

 不審な動きを見せれば容赦しない。


 それから、時間を潰していると――酒場の扉が開いた。


 そこには見知った顔がいた。


 ……ついに来たか!



「サトル!」

「……待っていたぜ、メサイア!」



 ようやく再開の時だ……!

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