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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第414話 大貴族ファインマン・ダイアグラム

 クァンタムの街を離れ、魔物を探す。

 娘さんたちを救出しないとな~。このままではメサイア達と合流できないぞ。


「それにしても、若い娘だけを狙う魔物とはな」

「ヘンタイですね!」


 俺の隣を歩くフォルが不快そうに言った。

 その通りである。

 しかも相手は魔物。滅ぼすべき敵なのである。


 街を出てパリティ高原を歩く。


 住人たちの情報によれば、この先にある洞窟が怪しいという。しかし、そこは誰も立ち入らない禁断のエリアらしい。


「なんで入れないんだろうな」

「うーん……やっぱり危険な魔物がいるからでは?」

「なるほどね」


 当たり前といえば当たり前のことだった。

 危険だから近寄らないという単純明快な理由か。


 まあいい、どんなモンスターであろうと俺の敵ではない。


 先へ進むと洞窟が見えてきた。

 大きな丘に穴はあった。あれか。


 明らかにモンスターが棲みついているような、そんな場所だった。



「兄様、気配を感じます」



 フォルは敏感に反応を示した。

 さすが聖女様。

 本当に相手は魔物らしい。



「じゃあ、この洞窟の中か」

「はい、ほぼ確実でしょう」



 中へ向かうと真っ暗で何も見えなかった。

 だが、俺の【オートスキル】が発動して煉獄によって明かりを灯した。


 すると、奥から人影が……。


 え、あれが魔物……!?



「人間……いや、魔物だよな」

「はい、兄様。あれは人型の魔物です……!」



 静かに現れる人型の魔物。コイツがクァンタムの街の娘さんたちを連れ去ったヤツか。

 正体を現したソイツは紳士服に身をまとい、まともな姿をしていた。な、なんだ……まるで貴族のような。人間の真似事か。



「お前、何者だ」

「おやおや、まず自分から名乗るのが礼儀でしょう」


「そうだったな。俺の名は――」


「ファインマン・ダイアグラムです」

「――ってうぉい! 名乗るのかよ!」



 なんなんだよ、この男は。

 妙にイケメンだし、オールバックで片眼鏡……悪徳貴族にしか見えんな。


「クァンタムの娘を取り戻しに来たのでしょう?」

「話が早いな。返せよ」


「それは構いませんが……」

「なに……?」



 妙だな。そんなに素直に還すような顔をしていないがな。

 フォルも同じように感じたようだ。


「兄様、あれは“魔物”です。惑わされないでください!」

「そ、そうだな。人型はどうも調子が狂う」



 幸い、相手は男だし、人間ではない。

 ここで潰すしかない。


 手動で武器召喚を行い【世界終焉剣・エクスカイザー】を構えた。



「ほう、世界終焉剣・エクスカイザーですか」

「なんだ、知っているのか」

「もちろんです。コンスタンティンの剣でしょう。私はかつて彼に仕えていたのです」



「なんだと!?」

「なんですって!?」



 その意外関係に俺もフォルも驚いた。

 またコンスタンティンかよ。

 そういえば、神聖国ネポムセイノでも知られていたな。そんなに有名なジジイだったんだな、アイツ。

 もともと聖地の名前でもあったけどさ。


 それにしても、この男がコンスタンティンに仕えていたとは……。だが、魔物だ。おかしいだろ。



「どうやら、この姿が気になるようですね」

「ああ……。魔物が人間の姿をしているなんて聞いたことがない」


「それでも、私はファインマン・ダイアグラムなのです。聖地コンスタンティンの大貴族・ダイアグラム家の主なのですよ」


「そりゃ分かった。娘を返せ」


「よろしい。あの方達には手を焼いていたところですからね……」


「――は?」



 洞窟の奥へ向かうと、馬鹿広い空間があった。街の娘たちが贅沢な暮らしをしていたのだ。……な、なんだこりゃ!


 ある者はソファに腰掛け、ワインを嗜んでいた。

 ある者は高そうなドレスに宝石を身に着け、眺めていた。

 暴飲暴食をする女性もいた。



 な、なんだこの贅沢三昧!



「あ、兄様……これは。みなさん幸せそうです!」

「どうなってんだこりゃああああああ!?」



 全員無事のようだし、むしろファインマン・ダイアグラムは呆れ果てて困っていたほどだった。コイツ、まさかウンザリしていたのか。



「あの女性達を連れ帰ってくれませんか!!」


「「ええッ!?」」


「もう面倒を見切れません……。資金も底をつき、借金まみれ。これでは、せっかく大貴族ファインマン・ダイアグラムに乗り移った意味がない……!!」



「「の、乗り移ったー!?」」



 そうか! この魔物はファインマン・ダイアグラムなる人物に乗り移っていたのか……!

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