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第411話 実質Lv.120000

 ジークムント・ケッヘルを撃破。

 これで俺は第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルを倒すことに成功した。



「ニコラス、これで良かったんだよな」

「ありがとう、サトル。これで妹もきっと浮かばれる」

「ん? 妹? そんな深刻な事情があったっけ……」


「ああ、実は話そうと思っていたんだが、サトルが先走って行ってしまったからね」


 そうだったのかよ。だから、俺に皇帝を倒して欲しいと迫って来たのか。

 というか、俺、Lv.99999の皇帝をよく倒せたものだ。


 ま、俺は“二人”いるからな。


 レベルを足せば約『Lv.120000』ってところか。

 実質、俺の方が強いわけだ。



「まあいい。フォル……って。なにやっているんだ」



 フォルは、ヘデラの方にご執心だった。

 そんな抱きつかないで欲しいのだけどね。



「だって女の子の兄様、可愛いんですもん」

「まあ、モデルはフォルだからな。そりゃ、超絶美少女だよ」


「そ、そんな褒められると照れちゃいますっ」


 顔を赤くするフォル。

 実際そうなんだから仕方ない。


 さて、ヘデラをここに置いておけない。そろそろネメシアたちの元へ帰ろう。



「フォル、テレポートできないかな」

「この前、グロリアステレポートをしたら失敗しましたけど」

「そうだったな」


 それが原因で俺たちはバラバラになってしまった。

 今頃、メサイア、リース、ベルはどうしているだろうなぁ。そろそろ心配だ。


「でも、試してみます?」

「んや、確実に帰りたいからな。ヘデラは一人(ソロ)で帰る」

「そうですか。ちょっと寂しいです」


 フォルはそう言いながらも、ヘデラに抱きついていた。そっちより、(サトル)に抱きついてくれよ!? 女同士だなんてつまんねぇよぅ。


「フォル、どうせならこっちに」

「え~、だってヘデラは良い匂いするんです。おっぱいも大きいですし!」


「ちょ、おまっ! 揉むなっ!」



 このままでは(ヘデラ)、やばいって。



「と、ところで、サトル。フォル様にそっくりなシスターさんは誰だい?」

「ああ、ニコラス。あれの名はヘデラ。俺だ」


「……は?」


「混乱するのも無理はない。俺は二人いるんだ」

「意味が分からない……」


 常人では理解できないだろな。

 ある事情で俺は、サトルとヘデラに分裂した。男と女の俺がこの世に存在するのだ。どちらも俺であり、俺の意識で動いている。



「そうだろうな。まあ、求婚だけは勘弁な」

「確かに美しい女性だ。結婚したい」

「ふざけんな!」



 このままでは埒が明かないので、ヘデラは撤退させた。当分、身を隠しておこう。



「あっ! 兄様~…ヘデラを逃がさないでくださいよぅ」

「フォル、お前がベタベタ触るからだ。どうせなら、俺を触れ!」

「そりゃあ、兄様の方が好きですよ。でも、たま~に女の子の兄様とスキンシップしたくなるときがあるんです!」


「なんでだよ!? てか、ネメシアやトーチカ、エコの相手で大変なんだ……」


「向こうは楽しいです?」

「まあね。ここへ来る前はダンジョン攻略していたところだったんだ」

「へえ~!」



 だけど、こっちの状況が悪化したからな。ネメシアたちの力を借りて、文字通り飛んできたわけだ。



「とにかく街へ戻るぞ」

「は~い」



 いったん街へ戻ることになった。

 もう神聖国ネポムセイノに滞在する意味もなさそうだ。


 そろそろメサイアたちを探し、合流するかね。

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