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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十三章 新世界

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第409話 勇者の闇・イベントホライゾン

 ジークムント・ケッヘルは青ざめ、ビビっていた。

 俺から逃げるように後ずさる。

 さっきまでの自信は完全に喪失していた。


「ジークムント・ケッヘル」

「……く、来るな」


「どうした。あの威勢はどこへいった」


「お、お前が……本当に神王アルクトゥルスなら……勝てるはずがない。そもそもギガントゴーレムMARK95を撃破した時点で……私に勝機はなくなった」


 うなだれるジークムント・ケッヘル。

 さすがの彼女も俺の強さを理解したようだ。多分、もう戦っても無駄なのだと悟ったか。それは賢い選択だ。


「もう無駄な争いは止めろ」

「そうだな」


 諦めたのか、ジークムント・ケッヘルは背を低くして――。



 !?



 気づけば、フォルが俺のそばからいなくなっていた。



「あ、兄様……!」

「フォル!」



 いつの間にかジークムント・ケッヘルがフォルを“人質”にしていた。


 くそ、やられた!!



「フハハハハ! サトル。いくらお前が神であろうとも、連れは人間。この聖女を殺されたくなければ、神聖国ネポムセイノから出ていくのだな」



 そうきたか。

 まさか人質にするとはな。なんて姑息な真似を。



「な、なんてお人だ。陛下、それでいいのですか!!」



 ニコラスがジークムント・ケッヘルに対して意見していた。コイツにしては勇気があるな。下手すりゃ殺されるかもしれないのに。



「お前はニコラスか。どうやら死にたいようだな。お前のような低レベルぐらいなら簡単に処理できる」


「ぐっ!!」



 ジークムント・ケッヘルは、手を向けた。

 ニコラスを殺す気か!


 やがて、手から大魔法が放たれたが俺が前に立ち、腕で防御(ガード)した。



「やめろ!!」


「チッ。防御魔法か。固いな」


「当たり前だ。友達を見殺しにできるか。それにフォルを返してもらうぞ」


「おっと。それ以上動くなよ、サトル。もし抵抗すれば、聖女の頭を吹き飛ばす」



 今度は手をフォルの顔に向ける。


 コイツ本気だ。


 失われた殺意が再び戻っていた。



「兄様……」

「大丈夫だ。フォル。お前を必ず助けてやる」

「はいっ、信じております」



 こういうことは過去に何度もあった。

 フォルはよく人質に取られやすい。

 だからこそ、俺は経験を活かして救出することにした。


 ……そろそろか。



「今こそ見せてやるよ」

「? なにを言っている、サトル。お前たちは動けぬだぞ!!」



 ジークムント・ケッヘルは少しでも動けば、フォルを殺すだろう。だが、それは俺とニコラスのことを指しているに過ぎない。


 第三者の介入を想定していないだろう。


 俺はな――。


 俺はそう。



 もうひとり(・・・・・)いるんだぜ(・・・・・)



「こおおおおおおおい!!」



 俺が叫ぶと、空から白い光が落ちてきた。



 高度千メートルからの自由落下だった。



 よくやってくれた、ネメシア。

 俺の言葉を受け取ってくれたようだな。



『くらえええええええええええええええ!!! 奥義・覇王天翔拳――――――――――!!!!!!!!!』



 超正確にジークムント・ケッヘルのみを狙った奥義スキル。



「ば、馬鹿なあああああああああああああああ!! なぜ空から人がああああああああああああ!! うああああああああああああああああああああああああ!!!!」



 その隙に俺は瞬間移動して、フォルを救出。お姫様抱っこで確保。



「兄様! まさか!」

「ああ、そうだ。俺は、俺自身である“ヘデラ”を呼んだ。ネメシアを通じて座標を伝えたんだ」

「そ、そんな荒技を!」


「向こうには俺がいる。こっちも俺がいる。だからできる芸当だ」

「さすが兄様です!」



 だから、ジークムント・ケッヘルをこの手で倒す!!


 もう容赦はしない。


 フォルを人質にとった罪は重いぞ。


 俺自身も手を構え、ジークムント・ケッヘル目掛けてスキルを放つ。




「これで最後だ!! イベントホライゾン!!!!」




 闇を穿ち、俺は力を最大限に振り絞った。

 これは“守る力”だ。

 暗く閉ざされた闇の中にある光。


 勇者の闇だ。



「ば、馬鹿なあああああああああああああああ…………!!!!!」

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