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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十二章 神の帰還

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第390話 極魔法使いと闇の勇者

 七色の光が晴れると、そこには――



「……あの子は? む?」

「理くん、油断しちゃダメだよ!!」



 ベルが俺の前にやってきてシールドスキルを張った。おかげで、少女から放たれた魔法を防いだ。ありがてえ。



「すまん、ベル」

「いいってことさ。それより、あの魔法使いの女の子、かなり……いや、ヤバイほどに強いね。わたしの盾ももう限界だよ」


「マジかよ」



 ベルのシールドスキルは、数秒で解除されて消失。……やっべ! 俺は、ベルを抱えて回避。その次には【超覚醒・オートスキル】が反応し、反撃を開始した。




『血の煉獄!!!』




 血の炎がほとばしり、大地を駆ける。

 それはすぐさま、あの少女に激突しかける。



「…………っ!」



 少女は不思議な力・ソウルフォースで俺の炎を止めた。やっぱり、あのジェネシスと同じ力か。なるほど、あれは厄介すぎるな。


 状況を見守っていると、少女は『テレポート』を繰り返す。なんてヤツだよ。そんな事も可能なのか。



 だが、俺の【超覚醒・オートスキル】も万能で、少女の出て来る場所を的確に狙う。すごいな、ここまで進化したのか『オートスキル』は!!



「サトル、こっちは補助もしているけど、ぜんぜん仕留められないわね」



 俺にずっと補助支援するメサイアが口を開く。



「そうだな、思った以上に面倒な相手だ。フォルの支援も受けているし、リースの大魔法だって乱発してるのに、あの子はたったひとりで全部なんとかしている。まさにバケモノだよ」



 本当に何者なんだ。

 あんな小さな少女が……なぜ、ここまでの力を持つんだ?



 今度は『ホーリークロス』が爆発的な連鎖を見せ、少女を追い込む。どうやら、俺はほとんど立っているだけでいいらしいな。


 しかし、相手はテレポートを繰り返し、回避しまくっている。キリがねぇな。一度、俺はオートスキルを止めた。



「聞かせてくれ! 君は何者だ?」

「…………」



 少女は少し離れた場所に現れ、俺を深緑の瞳で見据えた。



「教えてくれ」

「……あたしの名は『フォース』。世界から天帝と呼ばれている人物は【バテンカイトス】であり、あたしの夫」


「へ……はぁ!? ま、待ってくれ。君、かなり幼いけど……天帝と結婚しているのかい?」


「そう。ちなみに、あたしの種族に年齢はないし、関係ない。……でも、これは彼の創り出した幻想、()……でも、それでも、あたしは彼と再会できて嬉しかった。だから……」



 フォースは、手をこちらに向ける。本気ってわけか……なら、こっちもガチでいくしかないだろ。あんな小さな子相手は少々心苦しくはあるが、致し方あるまい。



「サトルさん、いいんですか!?」

「ああ、リース。相手は本気だ。こっちが殺されちまうよ」


「で、でも……」



 リースは不安気に俺を見る。

 分かっている。

 だが、頂上に辿り着かねば、俺たちは天帝を倒せない。それに、あの子は言っていた。『幻想、()』と。つまり、最下層で会った女性も、この少女も……天帝の創り出した幻なんだ。



 なら……!




 俺は最強の武器『世界終焉剣・エクスカイザー』を取り出し、構えた。これしかないだろ。




「……!」



 フォースは身構える。

 どうやら、この剣の威力は知っているようだな。



「悪いが、そこを通して貰うぞ」

「……っ! ……ユメ」



 ぽつっとフォースが名前をつぶやく。

 悪いが消滅してもらう。


 俺が『世界終焉剣・エクスカイザー』を振りかぶり、一瞬で彼女の間合いに入った時だった。突如として、黒い(もや)が発生して、俺と彼女の間を遮った。



「――――くっ!!」



 いきなり『闇』が広まったんだ。



「兄様、これは!!」

「フォル、みんな、くるな! この『闇』は見たことがある。アイツ(・・・)だ……!!!」



 広がる闇の中、異常な色を放つ人影が現れる。……こいつは驚いた。頂上に着く前に、本人が登場しやがった。




『…………』




 なんて不吉で禍々しい闇だ。

 間違いない……『天帝・ツァラトゥストラ』だ。




「……ようやく、おでましか」



 酷い闇の中、俺はヤツを睨みつけた。



『まさかフォースがやられる寸前まで苦戦するとはな。……おいおい、大丈夫か』

「うん、ユメ(・・)。どこもケガしていないよ。というか、幻だし」

『それもそうだけどな。まあ、極魔法使いアルティメットウィザードがそう簡単に負けるわけないか』



 あの親し気な感じ、本当に夫婦のようだな。にしても、天帝の方は……? えっ……あれが天帝?



「……サトル、あの天帝って少年よ!?」



 驚くメサイア。いや、フォルやリース、ベルも驚愕していた。あの世界を支配する人物が爽やかな少年だったのだからな。


 しかも、あのフォースから『ユメ』と親し気に名前を呼ばれていた。それか本当の名前か。なら、俺はヤツを止める。



「おい、お前!」

「……よう、理。とりあえず、一発は一発だ」

「はぁ?」


 天帝が手をこちらに向けてくる。

 その刹那で莫大で広大な『闇』が襲ってきやがった。……例のアレか!




『イベントホライゾン――――――!!!』




 こんなもん、まともに喰らったら即死だ。だがこっちは――!




『世界終焉剣・エクスカイザー!!!!!』




 同じく、闇の波動を放つ。


 闇と闇が衝突し、拮抗する。


 激しくぶつかり合い、せめぎ合う。



「……世界終焉剣・エクスカイザーだと? ふっ、なつかしいモン使ってくれるじゃないか」


「なんだと?」


「その昔、その剣は『勇者』である俺のモンだった。だが、勇者を辞めた俺はそいつを手放してしまってね」



 ゆ、勇者だって?

 そんな人物がこの世界にいたのか。


 でも、勇者が世界を支配?

 それじゃあ、魔王じゃねえか。



「お前は何が目的なんだ……天帝!」

「俺は、海の底に沈んだ楽園『バテンカイトス』を取り戻したい。それだけが願いだ。その為にも世界を支配し、蹂躙する必要があった」


「やっぱり、お前は勇者なんかではないな。魔王だ」


「……いや、俺は『闇の勇者』……闇そのもの(・・・・・)だ」



 ――なら、倒すっきゃねぇよなァ!!

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