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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十一章 死の招待状

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第379話 出発! 死の要塞国へ向かえ

 翌日、目を覚ますと肌寒い朝を迎えた。


 銀髪の激カワ聖女フォルトゥナを抱き枕代わりにしていたので、さほど寒くはなかったもの、やはり冷たさを感じた。


 というか……。



「なんじゃこりゃあああああああッ!!」



 フォルを修道服のまま抱きしめて居た(はず)なのだが、なぜか下着姿に戻っていた。道理で、抱き心地が良すぎると思ったんだよな。


 とりあえず、いつものお返しでフォルのお腹を絶妙な加減で(さす)った。




「ひゃあああああああ……!!」




 飛び起きるフォルはそう絶叫し、涙目になっていた。俺の存在を認め、急速に赤面する。



「おはよう、フォル」

「お、お、おはようではありませんよ! 兄様、な、なにを!?」


「お前のお腹を擦っただけだ。美味しかったぞ」


「美味しかった!? ですか……ならいいです!! じゃあ、わたくしも兄様の腹筋をペロペロさせてくださいまし~!!」



 ぴょーんと飛び跳ねてくるフォルさん。

 俺は回避した。



「今日もう『死の要塞国』へ出発するんだぞ。さっさと着替えろって」

「あぁん、つれませんね。……そして、そうでした。いよいよ、天帝との対決も見えたかもですね。でも、その前に赤ちゃん作りましょう! 死んじゃうかもですし」



「なるほど、それは名案だ。――って、アホか!! 寝ぼけた事言ってないで、皆と合流するぞ。ほら、着替えろって」


「うぅ。じゃあ、せめて一緒にシャワーへ行きましょう。このお城って各部屋にシャワー室があるんですよ。凄くないですか!?」



 そういえば、そうだったな。

 昨日使ってみたが広かったなぁ。浴槽こそなかったけど、二人、三人は余裕のスペースがあった。軽く汗を流すには最適だな。



「分かったよ。ただし、俺を襲うなよ」

「それは普通、女の子であるわたくしのセリフですよ、兄様。大丈夫です、襲うのではなく、愛故に何かの手違いで偶然、そうなってしまうんです♡」



 そうか、愛か。便利だなぁ、愛って。



 ――それから、フォルと一緒にシャワーを楽しく浴びた。楽しすぎてハッピーだった!! 脳汁ドバドバ出まくった所で、俺達は部屋を後にした。



 ◆



「ふぅ……」

「うふふ……兄様とお風呂楽しかったです♡」


「まあ、そうだな。体中を丁寧に洗って貰ったし、フォル、お前は最高の聖女だよ。さすが、俺の嫁候補No.19だ」



「No.19!? ライバルが多すぎやしませんかね……!? もう裸のお付き合いをする仲なのですから、もうちょっとランクアップしてくれてもいいではありませんか!」



 むぅとフォルは膨れる。



「えええええええええええ……」


「ええええええって……! もう、兄様なんて好き♡ 大好き♡」



 そこは普通、嫌い、大嫌いのはずなのだが、フォルにはそう変換されるらしい。さすがだぜ……コイツには敵わん。




 ――そんなこんなで皆と合流を果たしたのである。




「おっす、メサイア」

「おっす、サトル。うん、なんだか良い事があった顔をしているわね」



 皆からジロジロ見られる。

 メサイアが来るのが遅かったせいで、ずっとフォルのテンションが高かったからな。まあ、天国だったけど。



「なんでもないよ。よし、いよいよ【死の要塞国・デイ】へ向かうぞ。アーサー達は各国を奪還する手筈。俺たちは天帝・ツァラトゥストラを叩き潰す。皆、覚悟はいいな?」



「そうね、もう終わらせましょう。世界を元通りにするの!」



 うん、とメサイアは自信たっぷりの赤い瞳を俺に向ける。そうだな、その通りだ。俺たちは過去でも現在でもない――未来を取り戻す。



「あたしも頑張ります! この大魔法がお役に立てるのなら、全力でいきますから」

「リースも頼む。君の大魔法は最強だからな」



 そして、最後に一夜を共にしたフォル。

 俺は向き直って改めて、見つめた。



「……あ、兄様。その、そんなカッコいい眼差しを向けられますと、ドキドキが止まらないといいますか。わたくし、我慢できなくなっちゃいますぅ……」


「何をだよ!? いいか、フォル。俺にはお前が必要だ……これから先『フォーチュン』の導きが必要になるからだ」



 だからこそ、元気を注入する為にも昨晩は甘やかしまくったのだ。そして、今も。まあ、とは言え……俺はフォルが好きだから、暴走したっていいんだけどな。大人しくされるのも不気味だしな。



「兄様……わたくし」



 ぶわっと泣き出すフォルは、両手で顔を覆っていた。……こういう所は乙女っていうか。守ってあげたくなるな。



 ◆



 城を出ようとすると、アーサーとパロミデスが追ってきた。



「サトルさーん! もう行かれるんですね?」

「よう、アーサー。ああ、俺達は行く。そっちも頑張ってくれ。健闘を祈るよ」


「ええ、全てを終わらせましょう。希望ある世界を取り戻すんです。そして、本来あるべき聖地の姿へ」



 俺は頷く。


 そうだ、失った過去はもういい。

 未来の形だけでも戻す。

 未来は誰にも分からないし、運命は自分が決めるものだ。俺は、せめて素晴らしい未来だけでも、この手に掴みたい。



「サトにゃん。頑張ってにゃ! 円卓の騎士も皆応援しているにゃ! ふぁいと、おぅー! なのにゃ!」


「ああ、パロも頑張れよ。それじゃ、俺達は今度こそエロスを立つ。アーサー、世話になったな。また会おう」



 手を振って別れた。



 ◆



 ――なんだか、見覚えのある『草原フィールド』を歩いている気がする。……まてよ、おい。



「この草原フィールドって……」

「そうね、サトル。ここはかつて、私達が小屋生活していた所ね。懐かしい」


 メサイアの言う通り、一番初めの場所だった。

 まさか、こんな場所が残っていて、しかも再びこの足で踏み入れる事があろうとはな……懐かしすぎるぜ。思えば、あの時の俺は超絶面倒臭がりのアホだったな。



 スタルジックな気分に陥っていると――



 いきなりセットしていた【オートスキル】が発動し『血の煉獄』が駆け巡った。炎が敵を燃やしていく。




「モンスターか!? いや……違うな、人間だ!!」




 草原の向こうから現れる、男達。こいつは……グリンブルスティではなさそうだな。



「なんだ、この炎! 中々に強いな……だが、私等は高い魔法耐性を持っている。だから、効かんのだ」



 ローブに身を(おお)うイカツイ顔をした三人が現れた。全員、無駄に豪華な格好だな。そして、もう一人がこう名乗った。



「我々は、天帝・ツァラトゥストラ様に仕える『大神官ビブリオテーカ』である。この先にあるという『エロス』に用事があってな。そこに反抗組織がいると情報を得たのだよ。そこを断罪しに行かねばならんのだ、通して貰おうか」



 (ほうき)頭の男が冷徹に言い放つ。ソイツは、殺気がハンパなかった。ていうか、あの炸裂している髪型はなんだよ、気色悪い。



 最後のヤツも短いながらも、こう言った。



「……お前を殺す」



 シンプルに言ったなぁ。

 どこかの逆死亡フラグかよ。



「そうかい、天帝の大神官か。なら潰すっきゃねぇよな!! メサイア、フォル、リース……奴等を倒すぞ」




 俺は、聖槍・ロンゴミニアドを生成し、構えた。

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