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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十一章 死の招待状

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第378話 死の要塞国、突入前夜

「リースママ、(となり)にいるこの男の人は?」


「こ、この方は~…そのぉ、えぇと……」



 リースがめっちゃ(あせ)ってる。

 俺も焦っているし、困った。ネメシアに全てを明かすべきか……いや、まだ時期じゃない。まだ早いんだ。それに――ネメシアの(そば)には、ヘデラ(おれ)もいるから、余計に混乱を招くだろう。



(あのっ、サトルさん! どうしましょう)



 ついにリースからテレパシーが入る。

 これならネメシアにバレずに会話できる。



(今はまだ俺の正体を明かしたくない。うまく誤魔化してくれ)


(わ、分かりました)



 通信が途絶(とだ)えた。




「リースママ?」

「えとえと、この方は、あたしの旦那様です!」



 ――――!?



 ある意味間違ってないけど、そう言ってしまうとは!!




「だだだだ、旦那様!? リースママ、いつの間に結婚していたのー!?」


「ごめんなさい、ネメシアちゃん。あたし、ちょっと急ぎの用事があるから……テレポート!!」



「ちょ、リースママ!!」



 止めようと必死に向かって来るネメシアだったが、俺がヘデラで押さえつけた。あぶねぇ、ネメシアまで連れていっちゃう所だった……。



 ◆



 ――再び、エロスにあるアーサーの城。



「ありがとうな、リース」

「いえいえ。城内に戻ってきましたし、さっそくメサイアさんとフォルちゃんに合流しましょう」



 そうだなと俺は(うなず)き、メサイアの部屋を目指した。って、どこにあんねん!? 城内は無駄に広く、無駄に部屋の数があった。



「お任せください。テレパシーで()いてみます」



 こんな時のエルフの力だ。

 万能である。



 少し経ち、リースは「こっちです」と案内を開始してくれた。背中を追っていく。



 城の二階、三階と階段を上がって行けば、見知った顔ともすれ違う。簡単に挨拶を済ませ、そのままメサイアの部屋へ。



「ここのようです」

「結構いい部屋を借りれたんだな」


「みたいですね。入りましょう」



 部屋をノックしてくれるリース。直ぐに中から反応があって「どうぞ」と言われたので、扉を開ける。中には、メサイアとフォルのまったりした姿が。


 フォルは早々に俺に反応し、飛びついてくる。



「兄様、兄様ぁん♡」

「おぉっと……なんだ、俺成分が足りなくなったか、フォル」

「はい。わたくし、兄様成分が不足しちゃいました♡」



 仕方なくフォルを抱えながら、ベッドで寝そべるメサイアのところへ。おぉ、だらけとる。



「メサイア、戻ったぞ。報酬はたんまりで、この通り300万セルだぞ」

「さ、300万!? 凄いじゃない、サトル! あのパンケーキでそんなに貰えるだなんて……さっそく乾杯(かんぱい)しましょう!」



「まて。そのパンケーキの正体を話していない。気にならないのか」

「あぁ……そうだったわね。で、誰だった?」




「トニトゥルス。この前、ぼったくりバー・えんじょいで飲んだろ。あの時に(おご)ってくれた巨人のおっさんさ」




 嘘……と、驚きを隠せないメサイアは、手で口を(ふさ)ぐ。まさに驚愕(きょうがく)していて、信じられんと俺を頬を突く。



「いや、俺を突かれても。夢じゃないし」

「そ、そうね……。といっても、あの時は飲んじゃってて記憶も曖昧なのよね~…。そか、あの時の人が」



「ともかく、明日には作戦開始だ。俺たちは【死の要塞国】へ向かう。今日はよく食べて、よく寝るか。明日に備えよう」



「了解。じゃ、(しばら)くは自由行動ね」

「そうだな。俺はフォルを甘やかしてくるよ」

「そうね、ずっと恋しがっていたし、リースはこっち」



 リースと交代となり、俺はフォルを連れていく。



「じゃ、また後で」



 ◆



 部屋を出るなり、フォルは顔を埋めて来る。



「えへへ、兄様……好き好き大好きですっ♡」

「どうした、フォル。今日はいつもに増して甘えん坊だなぁ。そんなに俺が恋しかったか?」



「わたくしは一日中、兄様の事しか頭にありませんし! 兄様第一主義ですからッ。あぁ~、これこれ、これがいいんです♡」



 細い指で俺の腹筋に触れてくる。

 おのれ、ヘンタイ聖女め。



「とりあえず、ここは廊下で人に見られて恥ずかしい。部屋へ行こう」



 さっきから騎士達にジロジロ見られまくっていた。なにか勘違い……もうされているか。




 俺の部屋に入って、フォルはいきなり修道服を脱ぎだした。




「……兄様、わたくし、もう……我慢できません」

「マテ。下着にまで手を掛けるな。服も着ろ」


「あぁん……♡ つれないですね。わたくし、もっとあ~んな事や、こぉぉぉな事をしたいんです。だめですか?」



 そんな舌を出して、エロすぎる目で見られても!? いや、気持ちは嬉しいんだがな。


「この戦いが終わってからな。落ち着いてからの方がいいだろう?」

「そ、それはそうですけれど……。その前に、わたくしが兄様の事を襲っちゃうかもしれませんけど……構わないと!?」



「なんでそうなる! てか襲うな!」



 欲求不満聖女を(ひざ)の上に乗せ、抱きしめた。今はこれだけで十分だ。



「あ、兄様! わたくしを背後から抱きしめて、な、何をなさる気ですか! その、わたくし後ろからより前からの方が好みなんですが! お顔がよく見えますし♡」



「お前は何を言っているんだ!?」



 超絶ヘンタイ聖女をこれ以上喋らせると危険と察知した俺は、フォルを抱えたままベッドに寝転んだ。



「あたたかいです……」

「じゃあ、おやすみ」


「へ!?」


「フォルを抱き枕にして寝る」


「あぁん……分かりましたです。おやすみなさい、兄様♡」



 俺は宇宙一可愛い聖女を抱き枕にして眠りについた……。

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