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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十一章 死の招待状

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第376話 裏切者野郎の素顔とは……?

 突発的に参加した作戦会議は終わり、俺たちは城内の部屋を借りれる事になった。



「それでは必要ならいつでも呼んで下さいね」



 と、アーサーは爽やかな笑顔で去った。

 なんていうか……色々育ったな、彼女(・・)



「……サトル。アーサーに見惚れてない~?」



 ぬっと俺の目の前に現れるメサイアさん。おっと、そうだな。突っ立っている場合ではない。


「みんな、今日はもう時間も遅い。夜になっちまったし、朝出発だな」


「それはいいんだけどさ、あのパンケーキはどうする?」



 メサイアもついにフルネームではなく、面倒臭くなったのか『パンケーキ』と呼ぶようになっていた。長くてややこしい名前だもんな。


 ――と、そうだな。



「リースが復活してくれれば、一旦、レメディオスに戻るんだが――」



 なんて口にした瞬間だった。

 通路の向こう側から金髪のエルフがこちらへ走って来ていた。あのフワフワモチモチのエルフは間違いない。



「サトルさーん!!」

「リース。やっと復活してくれたか」



 ぴょんと飛び跳ねてくるリースを俺は受け止めた。



「良かった。パンケーキをレメディオスに送りたかったんだよ」


「パ、パンケーキ?」


「ああ、元世界ギルドのメンバーで、情報を横流ししていたアホさ。そいつを捕まえたんで、ぼむぼむに渡せば報酬がたんまり貰える」



 チェーンでグルグル巻きにしている男を指さす。通路の隅で伸びてるアレこそが、レクゥィエスカト・イン・パーケ。そういえば、あの不気味な仮面はなんだろうな。



「あ、あの方ですか」

「そ。リース、悪いんだがレメディオスへ一度戻りたい。あの男を引き渡したいんだ。テレポートをお願いできないかな」


「サトルさんの頼みなら構いませんよ。あたし、サトルさん、そのパンケーキさんだけでいいですか?」


「おう。メサイアとフォルは置いて行く」



 そう言うと、リースは何故か可愛くガッツポーズしていた。



「……やった」

「ん?」


「い、いえ……!」



 なんだか顔が赤いような。まあいいか。




「それじゃあ、メサイア、フォル。悪いが留守を頼む」



「ええ、待ってるわ。アーサーさん達もいるし大丈夫なはずよ」

「兄様。姉様の事はお任せください」



 少し心配だが、パンケーキを引き渡さないと金にならんしな。これで大金ゲットになるはずだ。



「よし、リース頼む」

「はいっ。サトルさんお手を」



 手を繋ぎ、テレポートを開始した。



 ◆



 ――レメディオス――



 裏切者・パンケーキを担ぎながら、俺はレメディオスに舞い戻った。もちろん、リースも連れて世界ギルドへ戻るのだが。



「……た、大変だ……」

「ど、どうかしたんですか、サトルさん。なんだか、とても深刻そうな顔をしていらっしゃいますけど……!」


「今、ヘデラとも同期しているんだが……エコがまた腹を下した。サーモン食いすぎた」


 あっと口を塞ぐリース。



「エコちゃん、サーモン好きなんですけど……お腹が弱い子なんです」



 飼い主というか召喚主のリースが気まずそうに言った。そうだ――そういえば、リースが召喚したんだよな。



「なあ、リース。エコって、その正体はロリエルフなんだが……どういうヤツなんだ? 本人は話したがらなくてね」



「彼女は……そうですね。大変、長い時間を生きられているエルフの頂点に立つ御方です。本当の名前はグレイス様です」



 ――ああ、そうか!



「エコってリースが付けた名前だっけ」

「そうです。本当の正体をバラすわけにはいかないと、ヘルサモンの契約召喚時に約束を交わしたんですよ~」



 なるほどね。エコは仮の名で、本当はグレイスと。ちょっとだけ、エコの事が分かってきたな。ヘンなヤツだとは思っていたけど、その実、最強のエルフだったとはな。



「教えてくれてありがとう。先を急ごう」

「いえいえ」



 ◆



 世界ギルド・フリージアへ到着。そのまま屋敷の扉を叩いて反応を待った。少しすれば、ギルドメンバーのエイルが顔を出す。



「久しぶり、エイル」

「わぁ、サトルさん! お久しぶりです!」



 ぼむぼむの奥さんであるエイルさん。

 つまり、トーチカのお母さんに当たる人なわけで――あの桃色の髪は、母親譲りってワケだ。とはいえ、トーチカに関しては更なる(・・・)未来の話(・・・・)


 今はまだ、エイルに子供はいない。



「ぼむぼむの用事があるんだが」

「マスターにですか、分かりました。こちらへ」



 中へ案内され、会議室へ向かっていく。


 部屋の中には丁度、筋肉野郎のぼむぼむの姿が。俺よりも筋肉モリモリのマッチョで、その貫禄ありすぎるボディが視界に入るだけで冷や汗が出るぜ。



「よう、ぼむぼむ」

「来たか……サトル。お前を待って――む? その担いでいるゴミはなんだ? って、人間か! チェーンでグルグル巻きじゃないか! 人さらいか?」



「ちげーよ。これは裏切者のパンケーキ……じゃなくて、レクゥィエスカト・イン・パーケだ」



 そう言うと、ぼむぼむはガタッと席を立ち驚く。そりゃ驚くよな。そうでなくちゃ、苦労した意味がねえ。



「ま、まさかレクゥィエスカト・イン・パーケとは!!」


「ああ、だから報酬くれ」



「……その前にその仮面を外させてくれ。素顔を確認したい」



 そや、俺もパンケーキ野郎の素顔を見ていない。そうだな、コイツの顔を拝んでからでも遅くはないだろう。



 ぼむぼむがパンケーキの仮面に手を掛ける――。




「こ、こいつは……!!」




 まさかの素顔に俺も皆も凍り付いた――。

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