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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十一章 死の招待状

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第373話 裏切者を捕らえ、報酬をゲットせよ!!

 いつの間にか倒していたパンケーキ野郎……いや、レクゥィエスカト・イン・パーケ。不気味な仮面をつけている、恐らく男。当然だが、素顔を隠す為にあんなモンつけているんだろうな。



「サトル、どうするの?」



 警戒して俺の背後に隠れるメサイア。



「とりあえず、俺の槍がヤツの胸部を貫いて致命傷だなこりゃ。このまま死なれると報酬も出なくなる。フォル、グロリアスヒールを頼む」


「了解です。――グロリアスヒール!!」



 直ぐにレクゥィエスカト・イン・パーケを治癒した。黄金の槍は消え、ヤツの胸部の傷が塞がる。



「……お、おのれ……よくも!」

「黙れ裏切者。お前は世界ギルド・フリージアを裏切った……その罪は重いぞ。ギルドマスター・ぼむぼむに引き渡す」


「ひぃ!! それだけは、それだけは……!!」



「うるせー!! パーガトリー・チェーン!」



 煉獄の鎖を巻き付けまくって、パンケーキを捕縛した。これで逃げられない。



「ぐぁ……なんだこの不気味な鎖! ふざけんな! 解放しろ!」

「するかボケ。とりあえず、教えろ……パンケーキ、お前はなんで世界ギルドを裏切った」



「……フフフ、そんな事か。私は常に強い者の味方。天帝様に勝てるわけがない……だから、私は世界ギルドの味方でも何でもない。最初から裏切る前提だったのさ! そう、全ては生き残る為……! あわよくば、そこの聖女を私の奴隷にしてやろうと思ったけどなァ……!」



 ――と、パンケーキは舌をベロンと出し、フォルをいやらしい目つきで睨む。見つめられた本人は、背筋が凍るほどゾッとしたのか超引いて俺の元へ。



「……あ、あの人、物凄く気持ち悪いんですけど! さすがのわたくしも無理です……」

「ああ、だな。裏切り者ついでに聖女好きの変態らしい」


「わたくしを奴隷にして良いのは兄様だけです!! と言いますか、毎日奴隷にされちゃっていますけどね!! あ~んなことや、こぉ~んな事を要求される毎日です!」



「って、お前ー!?」



 やっぱり、フォルはヘンタイ聖女だった。


 ――それはさておき。



 フォルの圧倒的な返答に、あのパンケーキすら青ざめていた。



「な……なんだこの聖女。ヘンタイだー!!!」



 ええ、その通りです。



「――って、フォルをヘンタイ扱いしていいのは俺だけだー!!」



 怒りのままパンケーキをブン殴った。



「ごふぅッ!? んな……理不尽な……」


「とにかく、コイツを一度世界ギルドへ運ぶ。メサイア、リースの容体は?」

「だめね。まだ気絶してるからテレポートとか不可能ね」



 まだか。余程、親父さんのふんどしがショックだったんだろうなあ。まあ、気持ちは分かる。親がふんどし一丁とか世界の終わりに等しい。



「仕方ないな。パンケーキをエロスに連れていくか。アーサー達に何とかしてもらおう」

「そうね、今はその選択肢しかないわ。リースは私が背負っていく。サトルはその……悪いんだけど、レクゥィエスカト・イン・パーケをお願いね」



 ……やっぱりそうなるか。

 仕方ないなぁ。



「おい、パンケーキ。お前を背負うぞ」

「わ、私に触れるな下郎!」


 ジタバタ暴れるパンケーキ。

 う~ん、仕方ない気絶して貰おう。



 手刀(チョップ)でパンケーキの首筋をぶっ叩く。




「――――げふッ!?」




「あ~、やっぱりそう簡単には気絶しないか」


「たりめぇだろ!! 殺す気か、お前!?」



 困ったな。昔見た漫画とかだと普通に気絶していたんだが……。やっぱり、そう上手くいくものじゃないんだなあ。



 なんて立ち尽くしていると、メサイアが痺れを切らしたらしく――



「なにやってんのよ、サトル。こんなのね、こうしちゃえばいいの!!」



 パンケーキにアイアンクローを決める。




「ぎゃあああああああああああああ~~~~~~ッ!!!」




 メキメキ、ミシミシっと頭蓋骨からイヤ~な音がした。死ぬだろアレ!! ――で、一瞬でポックリ逝き、白目を剥かれた。


 うそ~ん……。




「ていうか、メサイア。お前の握力どうなってんだよ……」

「私には女神スキルが千もあるからね。これくらい楽勝よ」


「そ、そか……」



 とりあえず、パンケーキは泡噴いて失神しちまった。これで先へ進めるな。



 ◆



【砂漠と雪の国・エロス】



「砂漠に、雪?」


 砂漠地帯に入ると、なんと雪が積もっていた。なんだこの幻想的な風景……白銀の世界が広がっているのに、所々砂の大地、砂漠もあった。



「ここは季節が狂っているって聞いた事がわるわ。だから、夏とか冬とかの概念もないし、まあ、こういう風になってしまったとしか言いようがないわね」



「ほう、メサイアは地理に詳しいな。来たことがあるんだな」

「そういう分析スキルよ。ここへ来るのは初めてね」



 そういう事か、納得。



 俺はパンケーキを、メサイアはリースを背負いエロスを目指す。フォルは珍しく口数が少なかった。



「――あの、兄様」


「ん、どうした。やっと口を開いたかと思えば、トーンが低いな」

「ちょっと、こっちへ。姉様、申し訳ないのですが、兄様を借ります」



 分かった、っとメサイアは頷く。


 フォルに連れていかれ、少し離れた場所へ。



「どうした」

「……兄様、わたくし……そのぉ、我慢できなくて」



 もじもじと身体をくねらせる。


 ……あぁ。



「可愛がって欲しいのか」

「……はい」



 フォルを抱き寄せ、頭を撫でた。

 最近、淋しがり屋な所もあるので、こうしないと落ち込む時がある。聖女も情緒不安定になるんだな。



「どうだ、少しはスッキリしたか」

「……幸せすぎて死んじゃいそうです……」


 嬉しそうにしやがって。

 まあいいけど。



 それから、メサイアの元へ。



「すまん、メサイア。フォルはあれだ……前にフォーチュンの憑依があったからさ、それから精神的に落ち込んでいるらしい」


「らしいわね、理解しているわ。いいんじゃない、フォルは大切な仲間だし、心のケアをしてあげたって。私よりサトルの方が効果的だと思うし」


「さすが女神。寛容だな」


「当たり前でしょう。……でも、後でいいから、私にも構いなさいよね」



 同意して、俺は再びパンケーキを担ぐ。




 ――もうすぐエロスに到着だ。

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