表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十一章 死の招待状

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

380/559

第371話 死の要塞国・デイを目指せ!

 ――死の招待状。

 黒い封筒の中に黒いカードが入っている。赤い髑髏(ドクロ)マークの趣味の悪いイラストが描かれていた。どうやら、これさえあれば【死の要塞国・デイ】へ入国できるようだな。



「死の要塞国は、どこにも扉がなくて絶対侵入不可能な巨大塔……招待状(これ)さえあれば中へ入れるってわけだ」


「そうね。あそこには天帝が根城にしてるって噂もあるし、入ってみる価値はあると思うわ。でも……」



 メサイアは少し俯いていた。

 なにか心配事でもありそうな顔だ。



「どうした」

「この死の招待状って二枚も届いたのよね」

「ああ、ネメシアの方にもある。これは罠の可能性が非常に高いだろうな」


「どっちでいくつもり? サトルの方? それとも、聖女ヘデラの方?」



 真剣な眼差しを向けられ、俺は悩む。悩んで悩んで悩みまくった結果……!



「こっちで行く。もし仮に天帝がいて……決着をつけるのなら、俺の方がいいだろう。ネメシアをこれ以上、巻き込みたくない」



 椅子に座っているメサイアは立ち上がって、俺の方へ詰め寄ってくる。



「サトル、ネメシアはとっくに巻き込まれてるわよ。ヘデラで同時に守りなさい。いいわね」

「……ああ、分かった」



 約束を交わすと、フォルとリースがキョトンとした表情で現れ、まずはフォルが口を開いた。



「兄様、あのぅ……お取込み中です?」

「いや、問題ない。それより、死の要塞国・デイへ向かう! 天帝がいるなら、ヤツを叩く。だが、その前に道中にあるらしいエロスでアーサー達とも合流する……みんな、いいな!」



 目的をハッキリさせると、リースが懐かしそうに(うなず)く。



「そうですね。アーサーさん達は各地の元聖地を奪還すべく動いていますから、そろそろ半分は取り戻したんじゃないかと思います。世界ギルドやグランドクロスの助力もありますし」


「そうだな、そのグランドクロスとやらも会っておきたいな。どれほどの戦力なのか気になるし。リース、エロスまでワープとかテレポートは可能か?」



 リースは首を横に振る。



「残念ながらエロス付近は、テレポート禁止領域なんです……。というのは、スターゲイザー対策ですね。ほら、あの子……亡霊のセルリアちゃんの件があったから、それでテレポート類は出来ないよう、サイネリアさんが対応したようです」


「サイネリアがね、そういえば今どこにいるんだか」



 最近姿を見ない。何故かサイネリアの下僕と化しているグーパーコンビも。ていうか、アイツ等いつの間にそういう主従関係になったんだかなあ。今度聞いてみるか。


 なんて思っていれば――



「サイネリアさんは、エロスにいるようですよ、兄様」

「マジかよ。じゃあ、エロスに行く意味はありそうだな。メサイア、エロスまではどう行けばいい?」



 話を振ると、メサイアは腕を組み悩んだ。あの面倒そうな表情からすると……徒歩しかなさそうだな。



 と、そんな時だった。



 コンコンと扉をノックする音が響く。リースが「は~い」と返事をして玄関へ向かって対応するが――




「…………ひゃぁッ!?」




 その相手を見て、リースは驚愕していた。


 ……え?



 俺もメサイアも、あのフォルでさえ驚いた。その人物に。




「あ……!?」




 まさか此処(ここ)へやって来るとはなあ。



「お、お父さん…………」



 ガクガクブルブルと顔を青くするリース。そう、相手はリースの親父さん――ベラドンナ。昔と変わらず『ふんどし一丁』で出現した。



 酷く懐かしい光景だけど、さすがに俺含め一同絶句。



 リースはブクブクと泡を吹いて、直立不動でぶっ倒れそうに――いかん! 俺が彼女の身体を支えた。



「リース! 大丈夫か、リース!」



 ……全然大丈夫じゃないね、コレ。



「……うぅ」



 さすがのフォルもドン引き。

 顔があんなに引き()ってるとは珍しい。俺の腹筋は大好きでも、他人の腹筋ですらない裸体は生理的に受け付けないようだ。我儘(わがまま)な聖女めッ。



「ああ、もう、リースのお父さんは相変わらずね……」



 メサイアも頭を抱えていらした。



「やあ、久しぶりだね、サトルくん!! 娘がいつもお世話になっている」

「え、ええ……こちらこそ。いやぁ本当に久しぶりですね、まさか、ふんどし一丁だとは思いませんでしたが」


「あぁ、これは止められなくてね。それより、エロスへ行きたいんだって?」



 な、なぜそれを……とか聞くのは、なんだか面倒を釣り上げる気がして、俺は自重した。



「ええ、まあ」

「そうかそうか。ならば、この私が連れていってやろう」

「え、お義父さんが?」


「うむ。この私ならエロス付近まではテレポートしてやれる。ちなみに、お義父さんか……実にいい響きだ。サトルくんになら、リースを任せられる。うんうん」



 一応公認。

 以前、アヴァロンで色々事件を解決した時にお墨付きとなったな。



「本当ですか!? じゃあ、テレポートをお願いします!」



 俺は気絶しているリースを背負って、超ドン引きしてるメサイアとフォルを手招きした。……ダメだ、近寄ろうとしやがらねぇ!



「フォル、腹筋触らせてやるぞ」

「いやっほおおおおおい♡」



 めっちゃ喜んで俺の方へ抱きついてきた。


 ……ふっ。



「メサイア、お前は最高の女神だ。世界一だ」

「サトル愛してるー!!」



 こちらも喜んで接近してくれた。



 ……ふっ。

 ちょろくて助かったぜ。




「オホン。では、皆を飛ばすぞ……黄泉の門を開く。我が理に応え、冥界の扉よ、ここに顕現せよ!! テレポート!!」



 なんだその謎詠唱ー!!




 ピカ~~~~~~ン★




「……うおっ、まぶし!!」




 ◆



 リースの親父さんの力でテレポートを果たした俺たちは、どうやらエロスの結構近いフィールドエリアに飛ばされたようで――




『キキキキ、ケケケケケケケケケ…………ッ!』




 なんと、ゾンビゴブリン数千体に囲まれた。




「なんじゃこれえええええええええええええええええええええ――――――ッ!!!」




「サトル!」


 凍り付く女神のメサイアさん。



「あ……兄様ぁ……」



 涙目の聖女フォルトゥナさん。



「…………」



 相変わらずポックリ逝ってるエルフのリースさん。





 絶体絶命のピ~~~ンチ……って程でもねぇな。



「フ……フフフ、超絶面倒だが、ぶっ倒すしかねぇよなァ!! メサイア、フル支援で頼む。フォル、相手は不死属性モンスターだ。最強の聖属性魔法・グロリアスエクソシズムが有効なはず。遠慮なくぶっ放せ!!」



「ええ、女神の力見せてあげるわ!!」



 メサイアから白き力を戴いた。

 これで俺の火力は倍増だ。



 それから――



「わたくし、久しぶりに覇王系スキルではなく……聖女としての力を行使させて戴きます……ッ! 後方はお任せ下さい、兄様」



「ああ、リースを頼む。俺は露払いを務めるから、頼んだぜ――【オートスキル】セット!!」




 ――と言っても、俺はこの場から動かなくてもいいけどな! あの程度のモンスターなら自動瞬殺モードで十分だな。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ